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第1章 筆頭聖女、断罪される
2.わたしの愛しい剣と盾
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「潰しましょう、お嬢様」
馬車に乗り込むなり、これだわ。
小さな子が聞いたら泣いてしまうのでは?というほどドスの効いた声は、わたしの大切な侍女ニーヤから発されたものだ。
可愛らしい唇をギュッと噛み締め、藍色の瞳は涙を堪えてキラキラと潤んでいる。
優しい子なのだ。
いつもわたしのためにこうやって、怒ったり泣いたりしてくれる。
極力ニーヤを刺激しないように、どうどう、と優しく肩を叩く。
「何を潰すの?」
「あいつの! タマですよ!」
「タマ」
「てめぇニーヤ! お嬢様に品のねぇ言葉を聞かせるんじゃねえ!」
わたしの後から馬車に乗り込んできた騎士が、ニーヤの頭をポカリと叩く。
瞬間ニーヤがシュ!とパンチを繰り出し、騎士は鳩尾を抑えてうずくまった。
いつ見ても見事なカウンターだわ。
鎧の上からでも肋骨を砕く拳だけど、彼も彼でタフなので数秒もすれば立ち上がってくる。
「もう、二人ともおやめなさいな。仲が良いのはわかるけど、狭い馬車の中では遠慮して頂戴ね」
「すみません! でも仲良くなんてありません! 常々こんな奴死ねばいいと思っています!」
「やめろニーヤ、全方位に攻撃性を向けるな! ……失礼しました、お嬢様」
赤毛の騎士ダイスは、言葉と所作を改めて深々と一礼した。
こうしていると本当に男前だから、あちこちでご令嬢を虜にしているという噂は本当なのかもしれない。
「いいのよ。二人とも、わたしのためにありがとう」
「お嬢様ぁ……」
「いえ、申し訳ございません。公の場において、我々の言動はアルエルニス家のものとして受け取られる——以後改めます」
「ふふ、大丈夫よ。ここはもううちの馬車の中だし、お父様はほら……おおらかだもの」
普段と変わらない二人のやりとりを見ていたら、なんだか肩の力がストンと抜けた。
いつのまにか、随分気を張っていたことに気づかされる。
二人との関係は、わたしたちがまだほんの子どもだった頃から続いている。
こう言うと彼らは変な顔をするけど、わたしは幼なじみみたいなものだと思っている。
侍女のニーヤと騎士ダイスは、貴族ではない。
生まれは平民だ。
当時、わたしは屋敷を抜け出して街を徘徊するのが趣味だった。
そんなときに下町で出会って、最初に仲良くなったのがニーヤとダイスだったのだ。
初めてのお友達があまりに嬉しかったわたしは、嫌がる二人に「一生のお願い」とわがままを言い、きょうだいになってもらった。
うちはきょうだいがとても多いので、二人くらい増えてもきっと誰も気づかないと思ったのだ。
今思えばそんなわけがないんだけど、当時のわたしは少し……ほんの少し、頭のほうが可愛らしかった。
家族の食卓にも紛れ込んでもらって一緒に食事をとっていたんだけど、三日目くらいでお父様が「ねぇ、サンディ……なんか人数多くない? 多いよね?」と遠慮がちに切り出してきた。
そこから二人とはきょうだいではなくなったけど、そんな縁で、彼らは我がアルエルニス家に下働きとして雇われたのだ。
「あの王子、最初からお嬢様にはつり合わないと思っていたんです」
馬車が動き出すと、早速ニーヤが唇を尖らせた。
これでも彼女、うちで働いている時は完璧な侍女なんだけど。
わたしたちの前ではつい素顔が覗くらしくて、わたしはそれをちょっと嬉しく思っている。
「顔だけは良かったけど、本当にそれだけです。お嬢様との婚約を一方的に破棄するなんて腹立たしいことこの上ないし、そんなこと王やレオニード様がお許しになるわけがありません! あいつバカですよ!」
やっちゃいましょう!と拳を振り回すニーヤの向かいで、難しい顔で腕を組んでいたダイスも重苦しく頷く。
「こればかりはこいつに同意しますね。ラルフ王子は本当に愚かだ。あんな奴が王位継承権を持っていると思うと反吐が出る」
二人とも、顔がすっごく怖くなっている。
小さな子が震えて泣くわね、これは。
「確かに、どうして? とは思うけど」
「どうして? で済まさないでください!」
「でも、仕方ないのかもしれないわ。ラルフ王子とあの子があんなに仲良くなっていたなんて、わたし全然気づかなかったんだもの」
言われてみれば、近頃ラルフ王子とレアの距離感はかなり近かった気がする。
一方わたしは、パーティーでラルフ様にエスコートされることもなくなったし、手紙を出しても返事がこないことが増えていた。
お話ししている最中に、思い切り気分を害したようなお顔をされることもあったわね。
そういえばレアにも神殿ですれ違うたび、「いいザマね」とかその他いろいろ声をかけられた気がする。
ダンスホールで、寄り添うようにして踊る二人を思い出す。
友人たちからたびたび「あれ、いいの!?」と警告されていたのは、そういうことだったのだ。
「あれってどれ?」なんて言っている場合じゃなかったのだろう。
見ないふりをしていたわけではない。
こういうこともあるだろう、くらいに思っていたのだ。
わたしとラルフ様が生まれた時からの婚約者であったように、レアもまた彼とは近いところにいた。
貴族にはありがちだけど、彼らも遠縁であり幼なじみだったのだ。
レアは長い間王都で暮らしていたし、神殿とカントリーハウスを往復していたわたしに比べて物理的な距離もずっとラルフ様に近かった。
たとえ婚約者同士が一曲目を踊るのがマナーだったとしても、たまには気分を変えて仲良しの幼なじみと踊りたい時だってあるかもしれない。
古い伝統にとらわれない、ラルフ王子らしい考え方なのかも。
そんなふうに思ってしまっていた。
窓の外を流れる王都の光が、少し滲んだ気がした。
「わたしも、もっとちゃんと考えるべきだったんだわ」
「いーえっ! 十ゼロであいつが悪いです。お嬢様が神殿のお仕事でお忙しいのをいいことに……レア様もレア様です! いきなり大聖女位にねじ込まれたと思ったら……」
「いい加減にしろニーヤ。俺も同じ気持ちではあるが、お嬢様はお疲れなんだ。ワッと言葉を浴びせるんじゃない……睨むな! 蹴るなッ!」
岩をも砕くニーヤの蹴りをスネに受けながら、ダイスが揺れる馬車の中立ち上がる。
それから馬車の小窓を閉めると、そっと厚手の膝掛けを手渡してくれた。
「今夜は少し冷えますから」
「あっ! 温かいお茶もありますよ!」
「——ありがとう。あなたたちがいてくれれば、何も怖くないわね」
二人はなぜか揃ってングッと変な声を漏らしたけど、わたしにとびきりの笑顔を見せてくれた。
「そうですよ! お嬢様、なんなりとニーヤをお使いくださいね。なんでもしますし、お嬢様の道を阻むものはぜーんぶ砕いて見せます。貴方のために、磨いてきた拳なんですから!」
「それ、俺のセリフなんだけどな…まぁいいけど……」
騎士をおいて高々と拳を掲げてくれたニーヤをげんなりしたように見ていたダイスも、わたしに向き直ると背筋を伸ばす。
「では俺は、お嬢様を守る盾になりましょう。何ものも貴方を傷つけることなどないように、この身命を賭してでも」
——あぁ、本当に。
わたしって、幸せ者だわ。
馬車に乗り込むなり、これだわ。
小さな子が聞いたら泣いてしまうのでは?というほどドスの効いた声は、わたしの大切な侍女ニーヤから発されたものだ。
可愛らしい唇をギュッと噛み締め、藍色の瞳は涙を堪えてキラキラと潤んでいる。
優しい子なのだ。
いつもわたしのためにこうやって、怒ったり泣いたりしてくれる。
極力ニーヤを刺激しないように、どうどう、と優しく肩を叩く。
「何を潰すの?」
「あいつの! タマですよ!」
「タマ」
「てめぇニーヤ! お嬢様に品のねぇ言葉を聞かせるんじゃねえ!」
わたしの後から馬車に乗り込んできた騎士が、ニーヤの頭をポカリと叩く。
瞬間ニーヤがシュ!とパンチを繰り出し、騎士は鳩尾を抑えてうずくまった。
いつ見ても見事なカウンターだわ。
鎧の上からでも肋骨を砕く拳だけど、彼も彼でタフなので数秒もすれば立ち上がってくる。
「もう、二人ともおやめなさいな。仲が良いのはわかるけど、狭い馬車の中では遠慮して頂戴ね」
「すみません! でも仲良くなんてありません! 常々こんな奴死ねばいいと思っています!」
「やめろニーヤ、全方位に攻撃性を向けるな! ……失礼しました、お嬢様」
赤毛の騎士ダイスは、言葉と所作を改めて深々と一礼した。
こうしていると本当に男前だから、あちこちでご令嬢を虜にしているという噂は本当なのかもしれない。
「いいのよ。二人とも、わたしのためにありがとう」
「お嬢様ぁ……」
「いえ、申し訳ございません。公の場において、我々の言動はアルエルニス家のものとして受け取られる——以後改めます」
「ふふ、大丈夫よ。ここはもううちの馬車の中だし、お父様はほら……おおらかだもの」
普段と変わらない二人のやりとりを見ていたら、なんだか肩の力がストンと抜けた。
いつのまにか、随分気を張っていたことに気づかされる。
二人との関係は、わたしたちがまだほんの子どもだった頃から続いている。
こう言うと彼らは変な顔をするけど、わたしは幼なじみみたいなものだと思っている。
侍女のニーヤと騎士ダイスは、貴族ではない。
生まれは平民だ。
当時、わたしは屋敷を抜け出して街を徘徊するのが趣味だった。
そんなときに下町で出会って、最初に仲良くなったのがニーヤとダイスだったのだ。
初めてのお友達があまりに嬉しかったわたしは、嫌がる二人に「一生のお願い」とわがままを言い、きょうだいになってもらった。
うちはきょうだいがとても多いので、二人くらい増えてもきっと誰も気づかないと思ったのだ。
今思えばそんなわけがないんだけど、当時のわたしは少し……ほんの少し、頭のほうが可愛らしかった。
家族の食卓にも紛れ込んでもらって一緒に食事をとっていたんだけど、三日目くらいでお父様が「ねぇ、サンディ……なんか人数多くない? 多いよね?」と遠慮がちに切り出してきた。
そこから二人とはきょうだいではなくなったけど、そんな縁で、彼らは我がアルエルニス家に下働きとして雇われたのだ。
「あの王子、最初からお嬢様にはつり合わないと思っていたんです」
馬車が動き出すと、早速ニーヤが唇を尖らせた。
これでも彼女、うちで働いている時は完璧な侍女なんだけど。
わたしたちの前ではつい素顔が覗くらしくて、わたしはそれをちょっと嬉しく思っている。
「顔だけは良かったけど、本当にそれだけです。お嬢様との婚約を一方的に破棄するなんて腹立たしいことこの上ないし、そんなこと王やレオニード様がお許しになるわけがありません! あいつバカですよ!」
やっちゃいましょう!と拳を振り回すニーヤの向かいで、難しい顔で腕を組んでいたダイスも重苦しく頷く。
「こればかりはこいつに同意しますね。ラルフ王子は本当に愚かだ。あんな奴が王位継承権を持っていると思うと反吐が出る」
二人とも、顔がすっごく怖くなっている。
小さな子が震えて泣くわね、これは。
「確かに、どうして? とは思うけど」
「どうして? で済まさないでください!」
「でも、仕方ないのかもしれないわ。ラルフ王子とあの子があんなに仲良くなっていたなんて、わたし全然気づかなかったんだもの」
言われてみれば、近頃ラルフ王子とレアの距離感はかなり近かった気がする。
一方わたしは、パーティーでラルフ様にエスコートされることもなくなったし、手紙を出しても返事がこないことが増えていた。
お話ししている最中に、思い切り気分を害したようなお顔をされることもあったわね。
そういえばレアにも神殿ですれ違うたび、「いいザマね」とかその他いろいろ声をかけられた気がする。
ダンスホールで、寄り添うようにして踊る二人を思い出す。
友人たちからたびたび「あれ、いいの!?」と警告されていたのは、そういうことだったのだ。
「あれってどれ?」なんて言っている場合じゃなかったのだろう。
見ないふりをしていたわけではない。
こういうこともあるだろう、くらいに思っていたのだ。
わたしとラルフ様が生まれた時からの婚約者であったように、レアもまた彼とは近いところにいた。
貴族にはありがちだけど、彼らも遠縁であり幼なじみだったのだ。
レアは長い間王都で暮らしていたし、神殿とカントリーハウスを往復していたわたしに比べて物理的な距離もずっとラルフ様に近かった。
たとえ婚約者同士が一曲目を踊るのがマナーだったとしても、たまには気分を変えて仲良しの幼なじみと踊りたい時だってあるかもしれない。
古い伝統にとらわれない、ラルフ王子らしい考え方なのかも。
そんなふうに思ってしまっていた。
窓の外を流れる王都の光が、少し滲んだ気がした。
「わたしも、もっとちゃんと考えるべきだったんだわ」
「いーえっ! 十ゼロであいつが悪いです。お嬢様が神殿のお仕事でお忙しいのをいいことに……レア様もレア様です! いきなり大聖女位にねじ込まれたと思ったら……」
「いい加減にしろニーヤ。俺も同じ気持ちではあるが、お嬢様はお疲れなんだ。ワッと言葉を浴びせるんじゃない……睨むな! 蹴るなッ!」
岩をも砕くニーヤの蹴りをスネに受けながら、ダイスが揺れる馬車の中立ち上がる。
それから馬車の小窓を閉めると、そっと厚手の膝掛けを手渡してくれた。
「今夜は少し冷えますから」
「あっ! 温かいお茶もありますよ!」
「——ありがとう。あなたたちがいてくれれば、何も怖くないわね」
二人はなぜか揃ってングッと変な声を漏らしたけど、わたしにとびきりの笑顔を見せてくれた。
「そうですよ! お嬢様、なんなりとニーヤをお使いくださいね。なんでもしますし、お嬢様の道を阻むものはぜーんぶ砕いて見せます。貴方のために、磨いてきた拳なんですから!」
「それ、俺のセリフなんだけどな…まぁいいけど……」
騎士をおいて高々と拳を掲げてくれたニーヤをげんなりしたように見ていたダイスも、わたしに向き直ると背筋を伸ばす。
「では俺は、お嬢様を守る盾になりましょう。何ものも貴方を傷つけることなどないように、この身命を賭してでも」
——あぁ、本当に。
わたしって、幸せ者だわ。
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