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しおりを挟む学校では一人にならないようにって注意をされて…まぁ今までも言われていたので、その時はまだ異変を感じていなかった。けれど…教室に入ってしまえばすぐに分かった。いつもは自分に向いてもすぐに散っていく視線が、集まったままだ…。そして敵意を感じる…。
…すっごい睨まれてるんですけど…俺、なんかしたっけ?睨んでくるの知らない奴ばっかりだし。一言も話したこともないのに…なんで?
「かぐちゃん、おはよ!…ちょっといい?」
「あ、うん。おはよ、鳴海」
「茜、藍、おはよ!二人も来て!」
「あ?」「なに?」
「茜くん!藍くん!久しぶり!おはよ!」
「おう、はよ」「はよー」
「いいから!!ほら行くよー!」
無理矢理連れ出され、人気のないところに辿り着いたところで、先頭の鳴海が止まる。そして振り返って、いつものにこやかな表情を消して、真剣な顔で話し始める。
「みんなはどれくらい知ってる?」
「ええと…?」
「一通り佐久間さんに知らされてるよ」
「そう…まぁかぐちゃんは知らないみたいだから、最初から話すね。」
聞かされた話は、俺にとっては現実味がなく、本当にドラマやアニメの中で起こるような出来事という感じだった。
秋夜さん達の両親が、圧をかけて生徒たちを従わせている。狙いは、秋夜さんたちを政略結婚させること。そのために秋夜さんの番である俺や春夜さんの番であるシオンさんが邪魔だということらしい。
「シオンさんは大丈夫かな?」
「あっちは家から出さないみたいだよ。」
「そっか…俺も家に居ればって言われたけど…そういうこと…だったんだ…」
「俺達も一緒に居るようにするが…まぁ来ないで済むなら今は引き篭もっといた方がいいと思うぜ。」
「俺もそれが賢明な判断だと思うよ。正直ね…どこまで影響が及んでるか分からない。全員が危険だし、裏切り者だって出るかもしれない。」
「そっか…」
なるほどな…敵意の視線はそういうこと…。納得だな。秋夜さんがどうするか連絡してって言ったのはそういうことだったかぁ…。
「とりあえず、秋夜さんに連絡する。」
「それがいいと思うよ。ってか今日来ないと思ってたし。」
「僕もそう思ってたけど普通に来てるから焦ったよ…」
「ご、ごめん…確かに秋夜さんもちょっと嫌そうだったなぁ…」
「お前意外と我が強いのな。」
「あ、あはは…そうなのかも…」
秋夜さんに捨てられるなんて考えられないけど、俺達を別れさせようとみんなが画策している訳だ…。はぁ…やっと番になったのに、前途多難だなぁ…。
「あ、もしもし秋夜さん?」
「もしもし、香夜。どうするか決めたの?」
「ええと…家にいた方が良いんですよね?」
「まぁ…そっちの方が俺は安心できるけど?」
「じゃあ帰ります」
「ん、帰っておいで。待ってる」
「はい!」
俺、出席足りるかな…?最悪出席足りなくても実技出来れば大丈夫らしいから、気合で乗り切るか。うん、今は忘れとこ…。
「帰ります…」
「うん!それがいいよ!…放課後遊びに行ってもいい?」
「うーん…俺だけの部屋じゃないから…一応聞いてみるね。」
「…わかったよ」
「んじゃ送るぞ。藍」
「だね、茜。」
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