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しおりを挟む出会ってからずっと側にいたからな。コクヨウと本格的に離れることになって少し寂しい。大人になっても変わらないよな。一緒に居た人と離れるってのは、胸にぽっかり穴が開いたみたいな気分になる。
孤児院を出た時は…さっさと出られてせいせいした!って思ったのにな。家族と離れるのってのはこんな感じなんだな。まだ朝に家を出て半日しか経っていないってのに…情けねぇ。
今は昼休憩だ。俺は一応、見張りとして立っていたところだ。交代の冒険者が呼びに来てくれたらしい。
「おい、アンタ飯だぞ。」
「おう」
「なーに黄昏れてたんだ?」
「ん?ああ、出発した街に子供置いてきてんだ」
「そりゃ早く帰ってやんねぇとな!可愛い奥さんと子供ってかぁ?羨ましいもんだな。俺も早く結婚したいぜ…つぅかお前その若さで子供!?」
「あぁ、まぁ…な」
色々誤解を生んでしまったが、まぁ訂正するのも面倒なので放っておく。はぁ…コクヨウ…。俺の心の中心にこんなにも入り込んでいたんだな。切り替えて仕事はしっかりしなきゃな。
「タカミさん、こちらにどうぞ。」
「ああ」
「お食べ下さいね」
「ありがとう」
依頼主とも他の冒険者とも上手くやれそうだ。今回の依頼は、当たりだな。基本的に一人で活動している身としては、組む相手は大事だからな。パーティーを組むには、拠点としているギルドは人が少ない。若い奴もあまり居ないしな。
早く帰りたい、そんな思いを押し殺しながら順調に進んでいった。商隊の面々を無事に街に送り届けた。まぁまだ帰りの護衛があるんだが。商隊がこの街で1泊するので俺達も休みだ。
この街の名物といえば、甘いフルーツを使って作られたタルトだ。これが美味いんだよな。コクヨウにも食べさせてやりたい。6個入りを買って収納したし、他の土産も買った。喜んでくれるといいがな。
来たときと同じ道をまた別の荷物を積んで運ぶ商隊の護衛をする。やっと帰れると思うと、はやる気持ちを抑えられない。それがいけなかったのか…魔物が向かってきているのに気づけなかった。
いや、気付けたとしても危なかったのだろう。イノシシ型の魔物がトップスピードで突っ込んでくるのだ。簡単に俺を跳ね飛ばし、そのまま走り去っていく。まるで何かから逃げるように必死に…
跳ね飛ばされた衝撃で意識が飛びそうになりながらも、俺は仲間に注意するように声を上げられた、と思う。痛みに呻く間もなく俺は意識を失っていた。
それからのことはよくわからない。目が覚めれば、俺はコクヨウに縋りつかれているところで目が覚めた。
「タカミ!!たかみ…ふぇ…うわぁぁぁん!…かった…よかったぁ…」
「…っ…こ…よぉ…」
「うぇ…だがみ…」
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