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しおりを挟むコクヨウの学校も始まったことだし、俺も昼間はダンジョン三昧だ。この間散財しちまったからな。ま、コクヨウの為だと思えば惜しくはないんだが。スールエよりも物価も高いしな…。生活費も馬鹿にならん。
今日も今日とてダンジョンに異変などが起こっていないか確かめる為にギルドに顔を出す。割のいい依頼もあるかもしれねぇしな。
「お!来たな!タカミ!」
「ん?ああ、あんたらか。この間は世話になった」
この間、ダンジョンに共に連れて行ってくれて、色々教えてくれた三人だ。
「おう、それはいいんだがよ、こっちも得したしな。んで、声掛けた理由なんだが、お前、俺達のパーティーに入らねぇか?」
「パーティーに?そりゃあ…安全性も高まるし、稼げるし有り難いが…」
「なんだ?不安か?なら取り敢えず頭数の等分分配で一緒にダンジョン潜ろうぜ。取り敢えず一月でどうだ?」
「…そうだな、それじゃあ宜しく頼む。」
「「「おう!」」」
「良かったな!タカミ一人でダンジョン行きやがるし心配してたんだ」
「おう、良かった良かった。タカミは良いやつだしな」
「そうそう!それに強えしな!」
どうやらソロで活動していることを心配されていたらしいな。彼らは親切だし実力も確かだ。ダンジョンに潜るには心強い。
パーティーに一緒に探索するようになって2週間。彼らのおかげで俺はより深い階層に潜ることができるようになった。
そして金も安定して稼げている。下の階層の魔物素材のほうが高く売れる。とは言っても10階層にはボスとして強い魔物が居るので、そこより下の階層へはまだ行けていない。ボスに阻まれる者も多いので、11階層からの魔物素材からは一段と価格が上がる。
ボスへの挑戦は命に関わるからな…パーティーの方針として命の危険がある様な無理はしない、となっているので暫くは10階層まででの活動だろうな。
それにしても…コクヨウは小遣いをやってもいらないと突き返し、貯金するか、自分のために使えと小言を言う。2週間経っても友達の話も聞かない。学校が終われば真っ直ぐに帰宅してくるし…
俺はどうすりゃいいんだ…?コクヨウが好きでそうしているのに友達を作ることを強制するのもなぁ…。
「なぁコクヨウ、お前遊びに行ったりしないのか?友達とかは…」
「遊びに?タカミ、僕と出かけてくれるの?」
「は?俺とじゃなくてだな…」
「タカミとじゃないなら行かない」
そこまではっきり言われると最早清々しい。それに俺を好いてくれるコクヨウが可愛い。最近はコクヨウと出かけたり出来てなかったしな。
「そ、そうか…まぁ、じゃあ今度遊びに行くか。久し振りに」
「うん!楽しみ!」
「おう。どこ行きたい?」
「んー…あ、丘に行きたい。今花がきれいなんだって!二人っきりでゆっくりピクニックしよ?」
「お!いいな。んじゃあ弁当作るか」
「うん!」
コクヨウも嬉しそうだし、まぁいいか。
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