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しおりを挟む宿で店主と話していたのをしっかり聞かれていたらしく、先に食べ終えて出ていった冒険者達によって、俺達が恋人同士だという事はあっという間に街中に広まっていた。そして行く先行く先で揶揄われることになった。
恥ずかしいが、仕方がない事だな。田舎では色恋とか、そういうことくらいしか話のネタが無いからな。まぁ一種の娯楽ということだ。そういった話はみんな大好きだからな。…これから行く予定の肉屋、八百屋、魚屋でも勿論もう既に聞いているだろうなぁ…。
「…コクヨウ、買い物やっぱりお前だけで行かないか?」
「え?んー…タカミと離れたくないから却下で。行くよー」
「…わかった…」
コクヨウが駄目だというのなら仕方が無い。まぁ、今後もどのみち顔を合わせるのなら早めに会ってしまった方がいい。コクヨウもいてくれるしな。
それにしても賑やかだな。そろそろ収穫祭の時期だからか、みんな浮かれているんだな。祭りのための準備も進んでるみたいで、所々飾りつけされている。見かけない人もいるから祭り目当てに他から人が流れ込んでいるらしいな。
周りを見ながら歩いていると、コクヨウがサクくんを見つけたらしい。流石目がいいな。
「あ!サク!!」
「っ!?コクヨウじゃねぇか!!遅い!もっと早く顔出せよ!」
「あはは!ごめんごめん。荷物になるし買い物は最後が良かったから。それで、ヒロとレオは?」
「多分店で仕事してるわ。もう少しで時間取れるからちょい待ってて!」
「了解。取り敢えず買い物してる。行こタカミ」
「おう…」
「あ…そういえば、タカミに余計なこと言ったみたいだね?」
ヒッ……こっわ…怖いわコクヨウ!!こんな街中で威圧するとか馬鹿が…。袖を引いて咎めると直ぐに圧は引っ込んだので、一瞬のことではあったが周りが静寂に包まれた。
「へ?あ…そ、それは…だな…」
「ふふっいいよ、今回は許してあげる。僕のこと思ってくれたみたいだし。けど、次は無いからね。タカミ傷付けるような事言ったら許さないよ。」
「お、おう…その…タカミさん…ごめんなさい…でした…」
サクくん震えて可哀想に…何も悪いことしてないのにな。真正面からSランク冒険者の威圧受けたらそりゃそうなるよな。本気の威圧ではないが、友達に威圧なんてされる事なんて無いぞ…?俺の自由にさせる教育が悪かったのか?
「い、いやいや、あの時は…俺が悪かったし…言ってくれて助かったっていうか……あり、がとな…サク」
「はい!」
「もー…タカミは優しいんだから…。サクは早く仕事行ってきなよ。」
「お、おう、そうだな。またあとで!コクヨウ」
「うん、あとでね!」
…俺に甘すぎるな、コクヨウは。でも友達に会えて嬉しそうだった。やはりサクくん達のことはちゃんと好きなんだろうな。それぞれの店を回って、挨拶もしつつ買い物を終えた。
コクヨウは三人と会うようなので、お邪魔な俺は退散しようとしたのだが…今はコクヨウの膝の上に座らされている。……どうしてこうなった…?
「ふふっ逃げないようにちゃんと捕まえておかなきゃね。」
「相変わらずだな…コクヨウは。まぁ、元気そうでよかったよ。」
「だな!Sランクとかマジですげぇよ!」
「そうそう!暫くはここに居るのか?」
「まぁ、そうしようかと思ってるよ。でも直ぐに旅に出るかも。」
「そっか。まぁたまには顔出せよ、親友」
「ふふっうん、今でもみんながくれた解体ナイフ使ってるよ。」
「まじか!良かった良かった!」
「三人にお土産もあるからあとで渡すね。」
「え?ここでくれねぇの?」
「ここで渡してもいいけど、重いよ?大丈夫?」
「え?そんなに?何かわかんねぇけど…じゃあ後でいいや。取り敢えず今までの冒険談でも聞かせてくれよ!」
「うん、いいよ。」
四人が楽しそうに語り合うのを無我の境地で聞いていた。息子の膝の上に乗って、息子の友達にその姿晒してるとか考えたら羞恥で俺の感情が死ぬ…。そんな気がする。
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