黒豹拾いました

おーか

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この砂漠を歩き始めて2週間目に突入し、砂漠の中心部近くまで足を踏み入れる。この砂漠にいる脅威はリザードやサソリだけではなかったらしい。サンドワームや甲殻アリの巣があったのだ。

甲殻アリは蟻地獄を避けていれば襲われる心配は殆ど無いんだが、サンドワームは面倒な特性を持ち合わせている。コクヨウでも感知出来ない深くに潜っていて、獲物が自分の上の地面の振動を感知してくるのだ。

「っ!タカミ!下!」

「おう!」

下から襲ってくる僅かな音をコクヨウが聞きとって回避可能なうちに知らせてくれる。サンドワームって馬鹿みたいにデカいんだよな…。只管走って地面から襲い掛かってくる鋭い牙の口の上から逃げ出す。ミミズのように長い体に岩をも噛み砕く牙と酸性の液で攻撃してくる。加えてミミズのように長いがその表皮は刃が通りにくいし硬い。

「サンドワーム…」

「デケェな…コクヨウ、いけるか?俺が引きつける。」

「うん!でも危ないと思ったらしっかり逃げてね。」

「おう。問題ねぇ。」

距離を取って魔法で攻撃していく。ダメージはそれ程与えられていないが、敵の注意はしっかりとこっちに向いたらしい。上から降ってくる攻撃を避けていく。その間にコクヨウが攻撃をしていき、ダメージを与えてくれる。

それでも俺に注意を向けてくれているのは、俺が挑発スキルを用いているからだ。もうそろそろコクヨウが決定的なダメージを与えてくれるだろう。あと少しだな。

「コクヨウ!」

「うん!」

コクヨウが剣に魔力をまとう。その力に流石にコクヨウを無視出来なくなったらしい。サンドワームの意識が俺からコクヨウに向かう。それはコクヨウも分かっているから問題はない。その直後サンドワームはコクヨウがぶった斬って倒してくれた。

んだが、斬った場所が悪かったらしい。斬られた胴体から大量の酸液が降りかかろうとしている。勝てたことで油断してこちらに駆けてこようとするコクヨウを突き飛ばす。

「コクヨウ!」

「え?」

「っ!?タカミ!!」

「ぐあああ!!」

頭から酸液を被るのは回避出来たが、左半身は酸液に触れた部分から耐え難い痛みを感じる。溶かされるってすげぇ痛いのね!知りたくなかったわ…痛すぎ…意識飛ぶ…。コクヨウは…無事だな、良かった…。

「タカミっ…すぐ回復を…」

「ぐっ…」

「駄目…回復しても先に酸を取らないと…」

「ゔああああっ」

「ごめんっすぐ助けるからね…水魔法…洗浄…よし…次は回復」

「ふっ……ぐっ…」

「…なっ…おった…?良かった…良かった…タカミを失うところだった…ふっ…うぇ…」





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