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しおりを挟む帰ってきたコクヨウとずっと放置してた家を整える。こんなになるまで放置していたことに内省しつつ、ピカピカに磨く。あー…疲れたぁ。
「ふふっお疲れ様、タカミ」
「ん、お前もお疲れ。」
「うん、お茶でも淹れようか?」
「頼んだ。」
「うん、了解」
コクヨウがやっと帰ってきて、ようやく欠けていたものが埋まった感じがする。こうして日常を過ごすだけでも幸せだと思える。同じ家の中にコクヨウがいる。その事実が心を満たす。
「お待たせ」
「ありがとな。」
「うん」
「ふぁぁ…うま…」
「ふふっ良かった」
「はぁ…なぁ…コクヨウ、お前これからどうすんだ?」
「どうって?」
「いや、どっか行ったりするのか?」
「ううん、もうどこも行かないよ、ずっとタカミと一緒にいる。」
「…ふーん…」
「…し、信じられないのはわかるけど…その反応は凹む…。」
「首輪でも着けて繋いどくか?」
「それで…タカミが安心できるならいいよ。」
「ははっ冗談だ。けどまぁ…結婚するか。」
「結婚!!したい!」
「ん、1年越しになっちまったから…少し汚れてっけど…これ…渡せてなかったからな。」
「!!指輪!嬉しい!!嵌めてはめて!!」
「おう。左手出せ」
「うん」
差し出された薬指にスッと指輪を通す。するりとコクヨウの手に収まった指輪はキラリと輝く。やっと渡すことが出来た。ようやく有るべき場所に渡った指輪に嬉しさが込み上げる。
「ふふっ!えへへ!どう?似合ってる?」
「ふっ…あー、まぁいいんじゃねぇか。」
「うれしいなぁ。ねぇねぇ!式は何時にする?」
「そりゃあ世話になった人たち呼びたいし…もうしばらく先だろうな。」
「んー…まぁそうだよね…。」
などと言っていた1ヶ月後、俺達は教会に居た。
コクヨウの友達、冒険者達、それに街の人達、遠くから駆けつけてくれた公爵様達が参列してくれた。そんな面々の前で俺達は誓いを述べる。
「病める時も健やかなるときも、富めるときも貧しきときも、共にあることを誓います。」
「病める時も健やかなるときも、富めるときも貧しきときも、共にあり愛する事を誓います。タカミ大好き!!」
「誓いのキスを」
「タカミ、いーい?」
「おう」
そっと触れるようにキスしたコクヨウの唇を逆に貪るように吸い付く。それに応えるように激しいキスに変わる。いいじゃねぇか。この方が俺達らしい。
「その辺にしてくださいね。…それでは指輪の交換を。」
「は?」
「えへへ!嬉しかったから僕も作ったんだ。サプライズ!」
「マジか…。」
「うん!左手出して」
「おう」
予想外のことに動揺して、少し震える手を差し出す。コクヨウの取り出した指輪は俺の指にピタリと嵌まる。売り物のように美しい指輪には真っ黒な石が付けられていた。コクヨウの色をしたそれに、コクヨウの思いを感じる。
「タカミも嵌めて!」
「おう…」
式前に外して司祭に預けていたらしい。司祭から指輪を渡される。コクヨウのものと比べてしまえば、出来の悪い代物だ。それでも長い時間をかけて作った指輪だ。思いを込めた指輪から俺の思いがコクヨウの中に流れ込めばいい。そうして俺のことばかり考えるようになればいいと…そう思う。
互いの指を飾る指輪が煌めく。俺達の愛の証。揃いではない筈なのにどこか似た雰囲気がする。沢山の祝福の言葉を貰って、沢山の笑顔に囲まれた式が終わった。
とても幸せな日だった。
急な案内だったのにこんなにも多くの人が来てくれて、そして俺達を祝ってくれた。それがこんなに嬉しいことだなんて、コクヨウと出会わなければ知ることは無かったんだろうな。
偶然コクヨウに出会って、こんなに幸せになった。俺はコクヨウを幸せにすると誓ったが、幸せにされていたのは俺の方。ずっとずっとそうだった。きっとこれからもそんな日々が続くんだろう。
俺達の穏やかで幸せな日々が。
____________
ここまで読んでいただきありがとうございました!_(._.)_
広告再生などで格別の応援下さった読者様には感謝の念がたえません。本当に嬉しく思っています。ありがとうございました。
色々中途半端で、離れてた間コクヨウ何してたの?等のエピソードを書いていませんが、このお話は一旦これにて終了といたします。気が向いたらまたその辺り書こうかな?あまり期待しないでお待ち下さい。m(_ _)m
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