転生したら猫獣人になってました

おーか

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99.小学校最高学年編15

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テスラさんが飲み物を買いにいってくれている間に、肉串食べていいって言われたけど、一緒に食べたくて、待っている。すると、近づいてくる人影。テスラさんが戻ってきたんだと顔を上げる。

…ヨルク?なんで街に?

「ナルア、一人か?」

「ううん、人と一緒だよ。ヨルクは?ひとり?」

「いや、護衛がいるが。座っても?」

「ええと…遠慮してほしいかなぁ…今日は俺デートだから」

「なっ!?デートだと!?相手は!!」

「飲み物買いにいってくれているけど」

「そうじゃない!!誰なんだ?」

よかった!テスラさんが戻ってきてくれた。ヨルクが俺の腕を取ろうとしたのをテスラさんがヨルクの手を払って阻止する。それでようやくヨルクがテスラさんに気がつく。

「ナルアに触れないでくれるか。」

「っ!?」

触れられるまでまったく気が付かなかった…俺だって鍛えてきたし、魔物とも戦うために気配察知も特訓している。なのにもかかわらず、まったく俺に悟らせることなく、ここまで近づかれた。コイツ何者だ?ナルアとも親しいようだ…。くそっ!俺のほうがナルアの側にいたのに…横から掻っ攫われるのか?

「あ!コイルさん!おかえり」

「ああ、ただいま。食べずに待っていてくれたのか?」

「うん!一緒に食べたくて」

「うぅ…俺そっちのけで話すんじゃない!!誰なんだ貴様は!」

「…ナルア、食べていいぞ。」

「ん、いただきます!」

「…さて、質問に答えてやってもいいが…」

ふむ、二人ともバチバチだな。俺は間に入らないほうが良さそう。なのでテスラさんにおまかせしよう。ヨルクもすごい顔してテスラさん睨んでるけど…ヨルクまだ諦めてなかったのかな?国には俺がβだって報告入ってるはずだから、Ωじゃないって思ってるはずだけど。

まぁいいや。お肉いただきます!

「モグモグ…美味しい!コイルさんも食べて?」

「ああ、ありがとう」

「それで誰なんだ?」

「コイルさんだよ。俺の好きな人」

「す、好きな!?…だと…」

「うん、俺コイルさんのこと大好きなんだ」

ヨルクといったか。ナルアに懸想しているらしいな。撃退してやろうと思ったが、ナルア本人に撃沈させられていた。悔しそうにこちらを睨んでくるが、無視しておく。
それよりも小さな口で、必死に肉を頬張るナルアが可愛らしい。本当に美味しそうに食べる。が、もういいらしいな。ナルアから肉串を受け取って、私も食べてみる。ナルアの作るものには敵わないが美味いな。

「…なぁ、ナルア…!そのコイルとやらよりも俺のほうがお前を幸せにしてやれる!!そんな冴えないやつよりも俺を選べよ!」

「それは聞き捨てならないね。コイルさんのこと悪く言ったら許さないから。」「ナルアを幸せにするのは私だ。それは譲れない。」 

しつこく食い下がる…が、ナルアは取り付く島もない態度を貫いている。ナルアは芯の強い子だ。家族や親しい人間を悪く言われるのも大嫌いだ。そんなナルアの前で、私の批判をしようものなら如何なるのか、考えればわかっただろうに。

彼もまた冷静ではないんだろう。見たところナルアやリオネルと同年代に見える。まだまだ子供だ。失恋したとなれば、冷静でいられないというものだ。

「……悪い…」

「…もういい。行こうコイルさん」

「ナルア、いいのか?」

腕を取られて、ニッコリと笑ったナルアは取り敢えず、今起こったことは考えないようにするつもりらしい。

「うん、食べ終わったし。今日は楽しく過ごしたいもん!ね?お願いコイルさん」

「わかった。では行こうか。」

「うん!あ、手繋いでいい?」

「もちろんだ」




楽しげに去っていく二人に希望を打ち砕かれながら、地面を見つめる。今日街に来ていたのは本当に偶々で、ナルアを見つけてしまったのもまた偶然だった。しかし会えたのは運命だと浮かれ、つい追いかけてしまった。誰かといるなんて考えもしなかった。

ポタポタと涙がこぼれ落ちる。もうナルアに嫌われてしまったかもしれない。ついつい、嫌なことを言ってしまった。負けたくなくて…取られたくなくて…。

「うあぁ…ふっ……うっ…」

「ヨルク様…大丈夫ですか?」

「………だい…じょ…ぶだ。…」

「……帰りますよ」

「……エル…俺…ナルアに嫌われた……」

「はいはい、ナルアはそんなことで嫌ったりしませんよ。ちゃんと謝れば許してくれますから。」

「……そうか?……本当に…ホントのホントに許してくれるか?」

「…さぁ?わかりません」

「うぅ……」

「帰りますよ。目立ってます。」

「わかった…」







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