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115.魔術学園都市7
しおりを挟む筆記の試験は問題なく終えられたと思う。たぶん大体出来たはず。筆記は重視されないとはいえ大事だ。実技の試験は実際に魔法を使ってみせるものと、試合形式のものがある。実技の方はちょっと自信がある。伊達に子供の時からテスラさんに鍛えられてないからね。
ユニはずっと俺について回っているが暇なのだろうか…。それとも監視されてる?まぁともかく、ユニがいてくれるお陰か誰にも絡まれていないので、そこは感謝している。
的に向かって自分のできる一番すごい魔法を撃てばいいらしい。評価されるのはコントロール、威力、その魔法に要する技術だそうだ。何を使おうか迷ったけど、初めて使えるようになった複合魔法を使っておこう。雷を撃つ…って的に落とせば良いのか?
「ねぇ、ユニ、魔法は手とか指とかから出したほうがいいの?」
「といいますと?」
「えっと…的に当たりさえすればいいんだよね?」
「もちろんです。」
「わかったよ、ありがとうユニ。行ってくるね」
「いえ、お役に立てたのならば大変光栄でございます。応援しております。行ってらっしゃいませ。」
みんなが集まってから番号が呼ばれた者が前に出て行うらしい。倍率が鬼畜レベルな一般試験を勝ち上がってきた実力者たちはどんな魔法を使うんだろう?楽しみだ。俺でさえ複合魔法を使えるんだから、きっと凄く複雑な魔法を使ってアピールするんだろうな。
「受験番号710番 ナルア前へ」
「え?あ、はい!」
まさかの最初に披露することになるとは思っていなかった。油断してたよ。ちなみに受験番号は710だ。日本の朝ごはんってイメージ。懐かしいなぁ…。なんてことを考えている場合ではないんだけど。
「それでは準備はいいか?」
「はい!」
自身の耳を塞ぐ。そして練り上げた魔力を使って、俺の撃てる最大級の雷魔法を的に落とす。ドガァーーーンとものすごい雷鳴が響き渡り、的はメラメラと燃え上がった。周りは静まりかえっている。あれ?
試験官を振り返って見れば、口も目も開ききっているような驚愕の表情である。
「あの…大丈夫ですか?」
「はっ!あ、ああ…なんだか夢でも見ていたようだ。すまない。………やはり事実か…君、本当に本当に君が魔法を使ったんだね?」
声をかけると、こちらに向き直り、不思議なことを言ったかと思えば、的やその他諸々が吹き飛んだ会場を一瞥して、顔を手で覆ってしまった。
「はい、私のテストなのに他の人が魔法を使っても意味ないでしょう?」
「まぁ…それはそうなんだが…そういう姑息な手を使っても受かろうとする人は跡を絶たないんだ。」
「なるほど…大変ですね。何か証拠が必要ならもう一度雷魔法を使ってみせましょう。よく見ていてくださいね!」
「ま、待ってくれ!やめてくれ!」
「でも…」
なんだか疑われている…?ならばもう一度使ったら納得してくれるかな?そう思ってもう一度使おうか?と提案してみれば必死に止められる。そんなやり取りをしていると、階段を降りてくる人影が二つ。
「私がしかと見届けたよ。ナルア君。流石だね。まさかここまでとは…テスラ様の推薦だけあって素晴らしい腕前だ。」
「ナルア様、こちら我が主人のフェルノ様でこざいます。」
さっきVIP席みたいなところから見ていたお偉いさんだ。学園長様であらせられましたか。若いなー。ちゃんと見ていてくれた人もいたようで一安心。ユニのご主人だもんね。きちんと挨拶しないと。
「初めまして、猫獣人のナルアです。ユニのおかげで色々助かりました。ありがとうございます、学園長様」
「そんなに畏まらなくていいんだよ。自然にしてくれればいい。」
「はい…えっと…それで魔法の実技はもういいんでしょうか?」
「ああ、お疲れ様。取り敢えず、試合形式の試験までの時間、私とお茶でもいかがかな?テスラ様の話など聞かせてくれると嬉しいんだが…どうかな?」
「ええと…でも…他の人も見ておかなくていいんですか?」
「あぁ、そもそも私が見るものでは無いからね。入学者の魔法は見たりするけどね。」
「でも…俺だけ特別扱いは良くないんじゃあ…」
「ふふっ面白い子だね。これだけ見せつけたら、流石に皆わかると思うよ。君が特別だってことが、ね。」
「……やり過ぎましたか?」
「いえ、大丈夫ですよ。むしろこれくらいの方が清々しい。もっとやってくれてもいいんですよ?最近は魔術学園の入学生もレベルが下がっていると思っていたところでね。梃入れには丁度いいでしょう。」
梃入れ…ねぇ。俺を利用してみんなを焚き付けたいってことかな。まぁいっか。テストさんの知り合いなんだもんね。少しくらい協力させてもらいましょう。
「じゃあ、ご相伴に預からせて貰います。」
「それはよかった。それじゃあユニ、準備を」
「かしこまりました。フェルノ様」
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