9 / 39
そして、いま 私は1児の母なのです
しおりを挟む
◇ ◇ ◇
「手間をかけさせて悪いね。だいぶ前に車の事故で……たまに、左足に力が入らなくなるんだ」
直哉の言葉に思考が呼び戻された。
5年前のほんの僅かな期間、人生が交差しただけの2人。知らないことが多くて当たり前だ。
でも、事故に遭っていたなんて遥香は考えもしなかった。
『必ず連絡する』と言って去って行ったにも拘わらず、連絡が取れなくなったことを恨みこそすれ、彼の不幸を祈ったわけじゃない。
「……大変でしたね。何かお手伝いがございましたら、遠慮なくおっしゃってください」
直哉は、壁に手を付きゆっくりと立ち上がった。
リビングに移動し、何かを探すように窓の外に視線を移す。
そして、思い詰めた様子で口を開いた。
「今回、一か所だけ行きたい所があるんだけれど、階段が多そうなんだ。付き添いを頼めると助かる」
直哉の言葉を聞いて思わず息を飲む。
もしかして……。と、遥香は5年前の事が胸を過った。
でも、はじめましてと言われた手前、こちらから訊ねる訳にはいかない。
それに階段が多い場所なんていくらでもある。それなのに手が震えるほど動揺している。
もう、5年前と同じ失敗は侵さない。
遥香は、震える手をギュッと手を握りしめ自分自身に言い聞かせた。
「かしこまりました。後、お食事ですが、朝はお持ちいたします。昼食、夕食のご用意がございません。提携のホテルからお届けも出来ます。いかがいたしましょうか?」
「食事は都度相談でもいいかな?」
「ご希望の場所へのご案内は何時がよろしいでしょうか?」
「明日、朝食が済んでから午前中に出発したいんだが、いいかな?」
「はい、かしこまりました。では、何かございましたらご連絡ください。失礼します」
一礼して、直哉から遠ざかる。
木製の玄関ドアを閉めると足の力が抜け、涙が出そうになる。
(はー、きつい……。思っていたより、かなりきつい。
まさか、5年前の私との関係を無かった事にされているなんて……。)
直哉にとって触れたくないような出来事だったなんて、遥香は夢にも思わなった。
それでもこんな所で泣きたくなくて、歯を食いしばり石畳の道を足早に歩きだす。
空は青く晴れわたり、強い日差しが降り注いでいる。
それなのに手の震えが治まらずにいた。
空に向かって大きく息を吐き出し、涙をこらえた。
◇
自宅兼管理棟のひとつ先にある2階建てCR造の建物、その引き戸をガラガラと開けた。
『城間別邸』のオーナーの実家で、いまは、城間家の次男・陽太と祖母の登紀子が暮らしている。
祖母の登紀子を親しみを込めて、おばあと呼んでいる。
「遅くなってごめんね、面倒見てもらって助かっちゃった。おばあ、ありがとう」
「いいって、遥香ちゃん。シンちゃんもいい子だったよ」
おばあと向かい合わせで遊ぶ我が子・真哉が、にぱぁっと笑う。
「シンちゃん、いい子だったね。おまたせしてごめんね」
遥香は、不安な気持ちを上書きするように、ギュッと真哉を抱きしめていた。
「ママ、ぎゅって、くるしいよ」
「あはは、シンちゃんごめんね」
「うん、そっとならいっぱいギュッしていいよ」
横に居るおばあがその様子を見てニコニコしている。
「あらあら、シンちゃんは甘えん坊さんねー。だいぶ、元気になって明日は保育所に行けるさー」
「元気なんだけど微熱があると保育所預けられないし、宿のお客様の到着もあって、困っていたから、おばあに見てもらってホント助かっちゃった」
「いいよ。どうせ、庭いじりぐらいしかすること無いんだから、遠慮しないでいつでもおいで」
「ありがとう。シンちゃん帰るよ」
「ママ、ボクおりこうだったよ」
と舌たらずのかわいい声で、ぷにぷにの小さな手を伸ばす。
生まれた時に2400グラムしかなかった息子は、4歳3か月になった今、体重が15キロを超してずいぶん重たくなっている。
亡き父の親友だった城間和明の計らいで一棟貸しの高級別荘の管理人として働き始めて5年。途中トラブルもあって迷惑をかけた遥香だったが、父親代わりだからと未だに温かい目で見守り助けてくれる。和明には頭が上がらない。
同じ敷地内の別棟に住む、おばあと幼馴染の陽太の助けもあって、シングルマザーでもどうにか暮らしている。
「遥香ちゃん、帰るなんて言わないで夕飯も食べていきなよ。大勢で食べたほうがおいしいさー」
「ありがとう、助かる。夕飯の支度手伝うよ」
真哉の相手をしながら台所でおばあの手伝いをしていると、遥香は登紀子が自分の本当のおばあちゃんのように感じていた。
子育ての大先輩は、朗らかな笑顔を浮かべ、慣れた手つきで野菜を刻んでいる。
おばあがいなかったら、一人で子育てなんて出来なかったと遥香はつくづく思う。
暫くすると聞きなれた車のエンジン音が聞こえ、玄関先に停まった。
「陽太が帰ってきたみたい」
「ようちゃん、かえってきた。わーい。わーい」
城間陽太は、地元の信用金庫に勤める幼馴染。遥香の2コ下だけど、頼りになる姉弟的存在。
「ようちゃん、おかえりー」
「なんだ、シン来てたんだ」
陽太が真哉を見つけると目線を下げ頭を大きな手で撫でた。
真哉は嬉しそうに、にぱぁと笑っている。
「陽太、おつかれさま。おばあが夕飯ごちそうしてくれるっていうから、おじゃましているんだ。あ、ついでに帳簿チェックしてもらっていい?」
「今日、外回りで汗かいたから、シャワー浴びてくるよ。帳簿は夕飯の後でもいいだろ?」
「うん、疲れているのにごめんね」
大丈夫だよと言うように日焼けした顔でニカッと笑う陽太の笑顔は、子供の頃から変わらず安心する。
「ようちゃん、シンもシャワーするー」
「シャンプーしても泣かないならいいぞ」
陽太の後を真哉がついて回っていた。
普段、保育所に通う真哉。
同じ年ごろの友達には、お父さんがいるのに自分にはいないということをしっかり理解している。
こうして、陽太の後を付いて回る姿は見ていると、父親が恋しい年頃なんだろうなぁと、遥香は複雑な気持ちになってしまう。
そして、遥香の思考は真哉の父親である、柏木直哉と出会った5年前へ戻っていく。
柏木直哉と遥香は『城間別邸』に滞在中、何度も抱き合いキスをした。
直哉の視線がいつも遥香を追いかけ、必要としてくれているのが嬉しかった。
初めて結ばれてから滞在時間中は蜜月の日々を過ごした。
滞在最終日、彼から渡された名刺には、大手物流会社Kロジスティクスの副社長と役職名。
名刺の裏面には彼の自宅住所とプライベートの電話番号が書かれているのを見て、束の間の恋愛を楽しんだのではなく、これからも付き合いが続くのだとホッとしたものだった。
だから「近いうち、必ず迎えに来るよ」と言い残した直哉を遥香は信じて待っていた。
それが、まさかリップサービスだとは思わずに。
その上、5年前の出来事を無かったものにされたなんて……。
(はぁー。泣きそう。真哉の事は彼には、絶対に秘密にしなくちゃ。)
「手間をかけさせて悪いね。だいぶ前に車の事故で……たまに、左足に力が入らなくなるんだ」
直哉の言葉に思考が呼び戻された。
5年前のほんの僅かな期間、人生が交差しただけの2人。知らないことが多くて当たり前だ。
でも、事故に遭っていたなんて遥香は考えもしなかった。
『必ず連絡する』と言って去って行ったにも拘わらず、連絡が取れなくなったことを恨みこそすれ、彼の不幸を祈ったわけじゃない。
「……大変でしたね。何かお手伝いがございましたら、遠慮なくおっしゃってください」
直哉は、壁に手を付きゆっくりと立ち上がった。
リビングに移動し、何かを探すように窓の外に視線を移す。
そして、思い詰めた様子で口を開いた。
「今回、一か所だけ行きたい所があるんだけれど、階段が多そうなんだ。付き添いを頼めると助かる」
直哉の言葉を聞いて思わず息を飲む。
もしかして……。と、遥香は5年前の事が胸を過った。
でも、はじめましてと言われた手前、こちらから訊ねる訳にはいかない。
それに階段が多い場所なんていくらでもある。それなのに手が震えるほど動揺している。
もう、5年前と同じ失敗は侵さない。
遥香は、震える手をギュッと手を握りしめ自分自身に言い聞かせた。
「かしこまりました。後、お食事ですが、朝はお持ちいたします。昼食、夕食のご用意がございません。提携のホテルからお届けも出来ます。いかがいたしましょうか?」
「食事は都度相談でもいいかな?」
「ご希望の場所へのご案内は何時がよろしいでしょうか?」
「明日、朝食が済んでから午前中に出発したいんだが、いいかな?」
「はい、かしこまりました。では、何かございましたらご連絡ください。失礼します」
一礼して、直哉から遠ざかる。
木製の玄関ドアを閉めると足の力が抜け、涙が出そうになる。
(はー、きつい……。思っていたより、かなりきつい。
まさか、5年前の私との関係を無かった事にされているなんて……。)
直哉にとって触れたくないような出来事だったなんて、遥香は夢にも思わなった。
それでもこんな所で泣きたくなくて、歯を食いしばり石畳の道を足早に歩きだす。
空は青く晴れわたり、強い日差しが降り注いでいる。
それなのに手の震えが治まらずにいた。
空に向かって大きく息を吐き出し、涙をこらえた。
◇
自宅兼管理棟のひとつ先にある2階建てCR造の建物、その引き戸をガラガラと開けた。
『城間別邸』のオーナーの実家で、いまは、城間家の次男・陽太と祖母の登紀子が暮らしている。
祖母の登紀子を親しみを込めて、おばあと呼んでいる。
「遅くなってごめんね、面倒見てもらって助かっちゃった。おばあ、ありがとう」
「いいって、遥香ちゃん。シンちゃんもいい子だったよ」
おばあと向かい合わせで遊ぶ我が子・真哉が、にぱぁっと笑う。
「シンちゃん、いい子だったね。おまたせしてごめんね」
遥香は、不安な気持ちを上書きするように、ギュッと真哉を抱きしめていた。
「ママ、ぎゅって、くるしいよ」
「あはは、シンちゃんごめんね」
「うん、そっとならいっぱいギュッしていいよ」
横に居るおばあがその様子を見てニコニコしている。
「あらあら、シンちゃんは甘えん坊さんねー。だいぶ、元気になって明日は保育所に行けるさー」
「元気なんだけど微熱があると保育所預けられないし、宿のお客様の到着もあって、困っていたから、おばあに見てもらってホント助かっちゃった」
「いいよ。どうせ、庭いじりぐらいしかすること無いんだから、遠慮しないでいつでもおいで」
「ありがとう。シンちゃん帰るよ」
「ママ、ボクおりこうだったよ」
と舌たらずのかわいい声で、ぷにぷにの小さな手を伸ばす。
生まれた時に2400グラムしかなかった息子は、4歳3か月になった今、体重が15キロを超してずいぶん重たくなっている。
亡き父の親友だった城間和明の計らいで一棟貸しの高級別荘の管理人として働き始めて5年。途中トラブルもあって迷惑をかけた遥香だったが、父親代わりだからと未だに温かい目で見守り助けてくれる。和明には頭が上がらない。
同じ敷地内の別棟に住む、おばあと幼馴染の陽太の助けもあって、シングルマザーでもどうにか暮らしている。
「遥香ちゃん、帰るなんて言わないで夕飯も食べていきなよ。大勢で食べたほうがおいしいさー」
「ありがとう、助かる。夕飯の支度手伝うよ」
真哉の相手をしながら台所でおばあの手伝いをしていると、遥香は登紀子が自分の本当のおばあちゃんのように感じていた。
子育ての大先輩は、朗らかな笑顔を浮かべ、慣れた手つきで野菜を刻んでいる。
おばあがいなかったら、一人で子育てなんて出来なかったと遥香はつくづく思う。
暫くすると聞きなれた車のエンジン音が聞こえ、玄関先に停まった。
「陽太が帰ってきたみたい」
「ようちゃん、かえってきた。わーい。わーい」
城間陽太は、地元の信用金庫に勤める幼馴染。遥香の2コ下だけど、頼りになる姉弟的存在。
「ようちゃん、おかえりー」
「なんだ、シン来てたんだ」
陽太が真哉を見つけると目線を下げ頭を大きな手で撫でた。
真哉は嬉しそうに、にぱぁと笑っている。
「陽太、おつかれさま。おばあが夕飯ごちそうしてくれるっていうから、おじゃましているんだ。あ、ついでに帳簿チェックしてもらっていい?」
「今日、外回りで汗かいたから、シャワー浴びてくるよ。帳簿は夕飯の後でもいいだろ?」
「うん、疲れているのにごめんね」
大丈夫だよと言うように日焼けした顔でニカッと笑う陽太の笑顔は、子供の頃から変わらず安心する。
「ようちゃん、シンもシャワーするー」
「シャンプーしても泣かないならいいぞ」
陽太の後を真哉がついて回っていた。
普段、保育所に通う真哉。
同じ年ごろの友達には、お父さんがいるのに自分にはいないということをしっかり理解している。
こうして、陽太の後を付いて回る姿は見ていると、父親が恋しい年頃なんだろうなぁと、遥香は複雑な気持ちになってしまう。
そして、遥香の思考は真哉の父親である、柏木直哉と出会った5年前へ戻っていく。
柏木直哉と遥香は『城間別邸』に滞在中、何度も抱き合いキスをした。
直哉の視線がいつも遥香を追いかけ、必要としてくれているのが嬉しかった。
初めて結ばれてから滞在時間中は蜜月の日々を過ごした。
滞在最終日、彼から渡された名刺には、大手物流会社Kロジスティクスの副社長と役職名。
名刺の裏面には彼の自宅住所とプライベートの電話番号が書かれているのを見て、束の間の恋愛を楽しんだのではなく、これからも付き合いが続くのだとホッとしたものだった。
だから「近いうち、必ず迎えに来るよ」と言い残した直哉を遥香は信じて待っていた。
それが、まさかリップサービスだとは思わずに。
その上、5年前の出来事を無かったものにされたなんて……。
(はぁー。泣きそう。真哉の事は彼には、絶対に秘密にしなくちゃ。)
1
あなたにおすすめの小説
あなたがいなくなった後 〜シングルマザーになった途端、義弟から愛され始めました〜
瀬崎由美
恋愛
石橋優香は夫大輝との子供を出産したばかりの二十七歳の専業主婦。三歳歳上の大輝とは大学時代のサークルの先輩後輩で、卒業後に再会したのがキッカケで付き合い始めて結婚した。
まだ生後一か月の息子を手探りで育てて、寝不足の日々。朝、いつもと同じように仕事へと送り出した夫は職場での事故で帰らぬ人となる。乳児を抱えシングルマザーとなってしまった優香のことを支えてくれたのは、夫の弟である宏樹だった。二歳年上で公認会計士である宏樹は優香に変わって葬儀やその他を取り仕切ってくれ、事あるごとに家の様子を見にきて、二人のことを気に掛けてくれていた。
息子の為にと自立を考えた優香は、働きに出ることを考える。それを知った宏樹は自分の経営する会計事務所に勤めることを勧めてくれる。陽太が保育園に入れることができる月齢になって義弟のオフィスで働き始めてしばらく、宏樹の不在時に彼の元カノだと名乗る女性が訪れて来、宏樹へと復縁を迫ってくる。宏樹から断られて逆切れした元カノによって、彼が優香のことをずっと想い続けていたことを暴露されてしまう。
あっさりと認めた宏樹は、「今は兄貴の代役でもいい」そういって、優香の傍にいたいと願った。
夫とは真逆のタイプの宏樹だったが、優しく支えてくれるところは同じで……
夫のことを想い続けるも、義弟のことも完全には拒絶することができない優香。
【完結】新皇帝の後宮に献上された姫は、皇帝の寵愛を望まない
ユユ
恋愛
周辺諸国19国を統べるエテルネル帝国の皇帝が崩御し、若い皇子が即位した2年前から従属国が次々と姫や公女、もしくは美女を献上している。
既に帝国の令嬢数人と従属国から18人が後宮で住んでいる。
未だ献上していなかったプロプル王国では、王女である私が仕方なく献上されることになった。
後宮の余った人気のない部屋に押し込まれ、選択を迫られた。
欲の無い王女と、女達の醜い争いに辟易した新皇帝の噛み合わない新生活が始まった。
* 作り話です
* そんなに長くしない予定です
優しい雨が降る夜は
葉月 まい
恋愛
浮世離れした地味子 × 外資系ITコンサルのエリートイケメン
無自覚にモテる地味子に
余裕もなく翻弄されるイケメン
二人の恋は一筋縄ではいかなくて……
雨降る夜に心に届いた
優しい恋の物語
⟡☾·̩͙⋆☔┈┈┈ 登場人物 ┈┈┈ ☔⋆·̩͙☽⟡
風間 美月(24歳)……コミュニティセンター勤務・地味でお堅い性格
雨宮 優吾(28歳)……外資系ITコンサルティング会社勤務のエリートイケメン
貴方の✕✕、やめます
戒月冷音
恋愛
私は貴方の傍に居る為、沢山努力した。
貴方が家に帰ってこなくても、私は帰ってきた時の為、色々準備した。
・・・・・・・・
しかし、ある事をきっかけに全てが必要なくなった。
それなら私は…
32歳、恋愛未経験の私に彼氏ができました。お相手は次期社長で完璧王子なのに、なぜか可愛い。
さくしゃ
恋愛
32歳、恋愛未経験の私に彼氏ができました。お相手は次期社長で完璧王子なのに、なぜか可愛い。
「甘酒って甘くないんだ!」
ピュアで、
「さ、さお…ふしゅうう」
私の名前を呼ぼうとして呼べなくて。
だけど、
「し、しゅ…ふしゅうう」
それは私も同じで。
不器用な2人による優しい恋愛物語。
果たして私たちは
「さ…ふしゅぅぅ」
下の名前で呼び合えるのでしょうか?
15年目のホンネ ~今も愛していると言えますか?~
深冬 芽以
恋愛
交際2年、結婚15年の柚葉《ゆずは》と和輝《かずき》。
2人の子供に恵まれて、どこにでもある普通の家族の普通の毎日を過ごしていた。
愚痴は言い切れないほどあるけれど、それなりに幸せ……のはずだった。
「その時計、気に入ってるのね」
「ああ、初ボーナスで買ったから思い出深くて」
『お揃いで』ね?
夫は知らない。
私が知っていることを。
結婚指輪はしないのに、その時計はつけるのね?
私の名前は呼ばないのに、あの女の名前は呼ぶのね?
今も私を好きですか?
後悔していませんか?
私は今もあなたが好きです。
だから、ずっと、後悔しているの……。
妻になり、強くなった。
母になり、逞しくなった。
だけど、傷つかないわけじゃない。
愛されないと吹っ切れたら騎士の旦那様が豹変しました
蜂蜜あやね
恋愛
隣国オデッセアから嫁いできたマリーは次期公爵レオンの妻となる。初夜は真っ暗闇の中で。
そしてその初夜以降レオンはマリーを1年半もの長い間抱くこともしなかった。
どんなに求めても無視され続ける日々についにマリーの糸はプツリと切れる。
離縁するならレオンの方から、私の方からは離縁は絶対にしない。負けたくない!
夫を諦めて吹っ切れた妻と妻のもう一つの姿に惹かれていく夫の遠回り恋愛(結婚)ストーリー
※本作には、性的行為やそれに準ずる描写、ならびに一部に性加害的・非合意的と受け取れる表現が含まれます。苦手な方はご注意ください。
※ムーンライトノベルズでも投稿している同一作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる