【完結】東京・金沢 恋慕情 ~サレ妻は御曹司に愛されて~

安里海

文字の大きさ
28 / 123

聞こえるのは、蝉の鳴き声と衣擦れの音(R18)

しおりを挟む
 お風呂上りのせいか、これから起こる事への緊張からか、やたらと喉が渇く。
 沙羅は、ミニバーにある冷蔵庫からミネラルウォーターのペットボトルを取り出し、グラスに注いだ。

 そのグラスとスマホを持って、さっきまで慶太が座っていた掘りごたつの座椅子に腰をおろす。グラスに口をつけ、喉を潤しながら、窓から見える深い緑の景色を堪能する。

「はー、お水が美味しい」

 スマホの写真アプリをたちあげて、美術館で撮ってもらった写真を眺めた。

 画面の中には、スイミングプールの青い背景の中で、学生の頃のように寄り添い微笑んでいるふたり。

「ふふっ、良く撮れている」

 自然と笑みがこぼれる。
 そのままスマホを構えて、いつの日か、今日の気持ちを思い出せるようにと、窓から見える景色を写真に収めた。
 ついでに豪華な部屋を撮ろうとモードを切り替え、シャッターに指を掛ける。
 すると、浴衣姿の慶太がフレームインして、驚いた沙羅はそのままシャッターを押した。

「わっ、びっくりした。お風呂早かったね」

「そう?」

「あっ、お水飲む?」

「もらおうかな」

 沙羅は立ちあがり、冷蔵庫から新しいミネラルウォーターを取り出して、グラスを用意する。

「ありがとう。そのままでいいよ」 

 慶太がペットボトルを受け取り、ボトルキャップを外すと、直接口をつけ、ゴクゴクと飲み下す。
 アダムの林檎と別名のある、男らしい喉仏が上下する。

 ただお水を飲んでいるだけなのに、悩ましい色気が漂う。
 慶太の色気にあてられた沙羅の体温はあがり始め、赤く染まった頬を隠すようにうつむいた。
 そんな沙羅を慶太は後ろから抱きしめる。

「沙羅……」

 切なげに囁かれ、慶太の広い胸に枝垂もたれた沙羅は、甘い息を吐き出した。
 すると、慶太の指に顎先を捉えられ唇が重なる。
 お互いの熱を確かめ合うように、何度も短いキスを繰り返して、その心地よさに蕩けていく。


 恋の熱に侵されて、唇を重ね続けた。
   沙羅の息は上がり始め、やがて呼吸が荒くなる。
 呼吸と共に上下する浴衣の合わせを縫うように、慶太は手を忍び込ませた。
   
   まろみのある胸の先端に節の指が触れ、沙羅はピクッと体を震わせた。
   瞬間、節のある指が離れようと動く。けれど、浴衣の上から慶太の手を押し留め、熱の籠もった瞳を向ける。

「お願い、止めないで……」

「後悔しない?」

「今、止めたら後悔しそう」

   儚げに微笑んだ唇に唇が重なった。上唇を喰まれ、口づけが深くなる。慶太の舌が紗羅の舌を追いかけ、絡め囚われる。
    静かな部屋にクチュクチュとリップ音が鳴り響き、 ねっとりとした刺激に体の芯に熱が溜まり、体の一番深い所で火が灯り出す。 
   浴衣の合わせは乱され、慶太の熱い手のひらが胸を包み込み、やわやわと甘い刺激を与えられる。
   
   それに反応して先端の果実は硬く実り、節のある指が動きに合わせるように、指の合間で白い乳房が形を変え、まるで別の生き物のようにうごめいていた。

   沙羅は自分に触れている慶太のことだけを考えようと、濡れた瞳で見つめる。
   切れ長の綺麗な目、スッと通った鼻梁、そして、自分を惑わせる唇。
   その唇が、官能を引き出すように沙羅の首筋を伝う。
   体に溜まった熱を逃がすように、吐息が漏れる。

   薄く開いた目の端に映る、畳の上に敷かれた布団が、酷くいやらしく感じられた。

   布団に組敷かれ、下から慶太を見上げる。
   そして、ねだるように慶太へ手を伸ばした。沙羅の細い指先が耳朶から喉仏を這い、浴衣に差し込み素肌に触れる。慶太から伝わる鼓動を確かめるように厚みのある胸板へ手を当てた。

   世間とは切り離されたこの場所で、束の間の幸せを味わい女に戻る。
   
   聞こえるのは、蝉の鳴き声と衣擦れの音。
 
「慶太……」

「沙羅、たくさんキスをしよう」

 唇の端にそっとキスを落とされた。沙羅は追い求めるように顔を動かし、慶太の下唇を甘噛みをする。そして、触れるか触れないかの距離で囁いた。

「たくさん……して」

「ん、」

 唇がついばまれ、頬へ耳元へ徐々に場所を変えて、首筋にもキスをくり返す。
 くすぐったさと、気持ち良さが入り交じり、身をよじる。
 胸元にもキスが降りてきて、やがて、柔らかな胸のふくらみにも唇の感触を感じた。
 硬くなった胸の先端の果実に慶太の唇がそっと触れた。舌先でねぶり沙羅の反応を伺う。
 上目遣いで、自分を見つめる切れ長の瞳。その熱に焼かれ、沙羅の背中にゾクリと電気が走り、粟肌がたつ。

「あぁ……」
 
    約束の出来ない関係を切なく想いながら、失くしてしまった幸せを埋めるように、慶太の優しさに甘えている。

 慶太の髪に指を梳き入れ、胸に抱き寄せた。

 ガラス窓の向こうは、まだ明るい太陽が輝き、緑の木々が生い茂り芽吹いている。そして、蝉時雨が降り注ぐ。 
 
 肌は、しっとりと汗をかき始めている。
 胸の果実が慶太の熱い唇に包まれ甘噛みされる。その与えられる絶妙な刺激にたまらない気持ちになる。

「はっ……あっ、あぁん」

 小さく喘ぎ、もどかしさで内ももをすり合わせた。
 沙羅は自分でもはしたなく思うほど、慶太を欲しがっている。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

会社のイケメン先輩がなぜか夜な夜な私のアパートにやって来る件について(※付き合っていません)

久留茶
恋愛
地味で陰キャでぽっちゃり体型の小森菜乃(24)は、会社の飲み会で女子一番人気のイケメン社員・五十嵐大和(26)を、ひょんなことから自分のアパートに泊めることに。 しかし五十嵐は表の顔とは別に、腹黒でひと癖もふた癖もある男だった。 「お前は俺の恋愛対象外。ヤル気も全く起きない安全地帯」 ――酷い言葉に、菜乃は呆然。二度と関わるまいと決める。 なのに、それを境に彼は夜な夜な菜乃のもとへ現れるようになり……? 溺愛×性格に難ありの執着男子 × 冴えない自分から変身する健気ヒロイン。 王道と刺激が詰まったオフィスラブコメディ! *全28話完結 *辛口で過激な発言あり。苦手な方はご注意ください。 *他誌にも掲載中です。

【完結済】25億で極道に売られた女。姐になります!

satomi
恋愛
昼夜問わずに働く18才の主人公南ユキ。 働けども働けどもその収入は両親に搾取されるだけ…。睡眠時間だって2時間程度しかないのに、それでもまだ働き口を増やせと言う両親。 早朝のバイトで頭は朦朧としていたけれど、そんな時にうちにやってきたのは白虎商事CEOの白川大雄さん。ポーンっと25億で私を買っていった。 そんな大雄さん、白虎商事のCEOとは別に白虎組組長の顔を持っていて、私に『姐』になれとのこと。 大丈夫なのかなぁ?

極上御曹司と甘い一夜を過ごしたら、可愛い王子ごと溺愛されています

羽村 美海
恋愛
旧題:甘い一夜からの一途な再会愛〜御曹司はショコラティエールを可愛い王子ごとチョコよりも甘く溺愛する〜 .。.:*・゚+.。.:*・゚+.。.:*・゚+.。.:*・゚ エタニティブックス様にて刊行していただきました。お読みいただいた皆さんのおかげです。ありがとうございます🌸🌷.* 翔視点の番外編「可愛い王子様の休日」公開中です。 .。.:*・゚+.。.:*・゚+.。.:*・゚+.。.:*・゚ 二十二歳のショコラティエール・彩芽は自分に自信が持てず、恋愛未経験な奥手女子。ところがある日、かつて最悪な出会いをした王子様のようなイケメン・駿との再会から、甘い一夜を共にする。これは一夜限りの魔法――そう自分に言い聞かせていたのに、駿への想いを諦めた矢先、彼の子どもを授かったことに気づく。三年後、シングルマザーとなった彩芽は彼への想いを封印し、子育てと仕事に忙しくも充実した日々を送っていた。ところが再び目の前に現れた駿から熱烈求愛されて……!? 恋を知らない奥手女子と一途な御曹司の運命の再会ロマンス! .。.:*・゚+.。.:*・゚+.。.:*・゚+.。.:*・゚

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

地味系秘書と氷の副社長は今日も仲良くバトルしてます!

楓乃めーぷる
恋愛
 見た目はどこにでもいそうな地味系女子の小鳥風音(おどりかざね)が、ようやく就職した会社で何故か社長秘書に大抜擢されてしまう。  秘書検定も持っていない自分がどうしてそんなことに……。  呼び出された社長室では、明るいイケメンチャラ男な御曹司の社長と、ニコリともしない銀縁眼鏡の副社長が風音を待ち構えていた――  地味系女子が色々巻き込まれながら、イケメンと美形とぶつかって仲良くなっていく王道ラブコメなお話になっていく予定です。  ちょっとだけ三角関係もあるかも? ・表紙はかんたん表紙メーカーで作成しています。 ・毎日11時に投稿予定です。 ・勢いで書いてます。誤字脱字等チェックしてますが、不備があるかもしれません。 ・公開済のお話も加筆訂正する場合があります。

包んで、重ねて ~歳の差夫婦の極甘新婚生活~

吉沢 月見
恋愛
ひたすら妻を溺愛する夫は50歳の仕事人間の服飾デザイナー、新妻は23歳元モデル。 結婚をして、毎日一緒にいるから、君を愛して君に愛されることが本当に嬉しい。 何もできない妻に料理を教え、君からは愛を教わる。

腹黒上司が実は激甘だった件について。

あさの紅茶
恋愛
私の上司、坪内さん。 彼はヤバいです。 サラサラヘアに甘いマスクで笑った顔はまさに王子様。 まわりからキャーキャー言われてるけど、仕事中の彼は腹黒悪魔だよ。 本当に厳しいんだから。 ことごとく女子を振って泣かせてきたくせに、ここにきて何故か私のことを好きだと言う。 マジで? 意味不明なんだけど。 めっちゃ意地悪なのに、かいま見える優しさにいつしか胸がぎゅっとなってしまうようになった。 素直に甘えたいとさえ思った。 だけど、私はその想いに応えられないよ。 どうしたらいいかわからない…。 ********** この作品は、他のサイトにも掲載しています。

一夜限りのお相手は

栗原さとみ
恋愛
私は大学3年の倉持ひより。サークルにも属さず、いたって地味にキャンパスライフを送っている。大学の図書館で一人読書をしたり、好きな写真のスタジオでバイトをして過ごす毎日だ。ある日、アニメサークルに入っている友達の亜美に頼みごとを懇願されて、私はそれを引き受けてしまう。その事がきっかけで思いがけない人と思わぬ展開に……。『その人』は、私が尊敬する写真家で憧れの人だった。R5.1月

処理中です...