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【合縁奇縁 3】
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居住まいを正した健一は慶太に向い、おもむろに話しだした。
「私はこれまでの考えの過ちを認め、この先は家族を大切にしていこうと思っている。自分にとって、唯一無二の存在に出会えることは、本当に幸運な事だ。慶太にとって沙羅さんは、喜びを分かち合い、苦しい時には支え合える存在なんだな」
健一の隣で、咲子が微笑を浮かべうなづいた。
目の前に居るのは、傲慢だったTAKARAグループ会長では無く、慶太の父親・高良健一として、ここに居るのだと思った。
今度は慶太が畳に手を付き、頭を下げる。
「父さん、結婚の快諾ありがとうございます。まだまだ未熟な私ですが、これから沙羅さんと一緒に温かい家庭を築いていきたいと思っています」
その言葉を聞いて、健一は嬉しそうに目を細めた。
「ああ、お前なら私と違い、良い家庭が築けるだろう」
「はい、沙羅さんと美幸ちゃんと信頼で結ばれた家庭にします」
家族とは、一番近くにあるからこそ、何よりも大切にしなければならないもの。家族の絆は信頼に寄って結ばれている。
場の雰囲気が和み。一息ついたところで、美幸がコソッと沙羅に耳打ちする。
「ねえ、お母さん、お兄さんと結婚するのOKもらえたんだよね。紀美子さんに知らせてもいいの?」
「うん、後で電話しましょうね」
そこで、健一の声が聞こえてくる。
「ところで、沙羅さんの苗字が……私の記憶が正しければ、佐藤だったと思ったんだが、藤井と名乗っていたのは?」
興信所の調査報告書では、佐藤沙羅との記載だったのを健一は疑問に思ったのだ。
「あっ、実は、母方の従妹叔母から養子縁組のお話を頂きまして、年明け直ぐに手続きをしました。それで、藤井姓を名乗っています」
「父さんも知っている投資家の藤井紀美子さんだよ」
「あの藤井さんか。彼女は人柄も素晴らしいし、こちらとしても良い縁を結べて光栄だ」
偶然の出会いが、思わぬところで繋がっている事もある。
その時は気づかずに、やり過ごしてしまっても、人の縁は奇なり、不思議な縁で繋がっているものだ。
【番外編・合縁奇縁 終わり】
次頁は、この後の咲子さん
「私はこれまでの考えの過ちを認め、この先は家族を大切にしていこうと思っている。自分にとって、唯一無二の存在に出会えることは、本当に幸運な事だ。慶太にとって沙羅さんは、喜びを分かち合い、苦しい時には支え合える存在なんだな」
健一の隣で、咲子が微笑を浮かべうなづいた。
目の前に居るのは、傲慢だったTAKARAグループ会長では無く、慶太の父親・高良健一として、ここに居るのだと思った。
今度は慶太が畳に手を付き、頭を下げる。
「父さん、結婚の快諾ありがとうございます。まだまだ未熟な私ですが、これから沙羅さんと一緒に温かい家庭を築いていきたいと思っています」
その言葉を聞いて、健一は嬉しそうに目を細めた。
「ああ、お前なら私と違い、良い家庭が築けるだろう」
「はい、沙羅さんと美幸ちゃんと信頼で結ばれた家庭にします」
家族とは、一番近くにあるからこそ、何よりも大切にしなければならないもの。家族の絆は信頼に寄って結ばれている。
場の雰囲気が和み。一息ついたところで、美幸がコソッと沙羅に耳打ちする。
「ねえ、お母さん、お兄さんと結婚するのOKもらえたんだよね。紀美子さんに知らせてもいいの?」
「うん、後で電話しましょうね」
そこで、健一の声が聞こえてくる。
「ところで、沙羅さんの苗字が……私の記憶が正しければ、佐藤だったと思ったんだが、藤井と名乗っていたのは?」
興信所の調査報告書では、佐藤沙羅との記載だったのを健一は疑問に思ったのだ。
「あっ、実は、母方の従妹叔母から養子縁組のお話を頂きまして、年明け直ぐに手続きをしました。それで、藤井姓を名乗っています」
「父さんも知っている投資家の藤井紀美子さんだよ」
「あの藤井さんか。彼女は人柄も素晴らしいし、こちらとしても良い縁を結べて光栄だ」
偶然の出会いが、思わぬところで繋がっている事もある。
その時は気づかずに、やり過ごしてしまっても、人の縁は奇なり、不思議な縁で繋がっているものだ。
【番外編・合縁奇縁 終わり】
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