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第4の異世界ーはるか遠くの銀河で戦う少年
第97話 謎のナイト
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ナイトの服装をしたその女は片手を腰に当てて、ニヤついた表情で俺を見ていた。
「やあ、ごくろうさん。あなたも任務かな?」
「まあね」
クラスはサンパーかサミオンか。
わからないが、上位クラスの雰囲気がある女だ。
「あんた、ハバン・ニー・ローマンドだろう?」
「そうだけど、会ったこと無いよね?」
「ああ。けれどあんたの噂は聞いているよ。デズター・デルガモットを倒したとか、ペイナーを説得してヨトゥナの分裂を防いだとか、ね」
女は値踏みするような視線で俺をじろじろと見回す。
「……妙な格好をした奴だ」」
「俺もそう思うよ」
はははと苦笑いをして肩をすくめる。
「優男という感じだな。あまり強そうには見えない」
「そうかい? これでもそれなりに剣や肉体の鍛錬はしているんだけどね」
「ふん」
鼻を鳴らした女はギロリと俺を睨み上げる。
「ひとつ言っておく。ナイトの強さに剣術や肉体の鍛錬などほとんど無意味だ。ここの強さですべてが決まる」
と、女は俺の胸を指差す。
「ここを強くできる大きな理由があるナイトほど無敵だ。鍛錬でどんなに剣術の腕を磨いたところで、最強には届かない」
「ああ、俺もそう思うよ」
そんなことは重々に承知していた。
「けれど俺は最強になるつもりはない。強く正しい心を持った誰かが最強であればいいさ」
「……つまらない男だ」
そう言うと赤い髪の女は振り返って背を向け、
「失望した。楽しくはならなそうだ」
「どういう意味だ?」
しかし女は問いに答えず、俺の前から去って行った。
妙な女だ。
そういえば名前を聞いていなかったが、まあいいかと俺はツクナたちのいる場所へと戻ることにした。
戻るとペイナーに集まっていた民衆は解散しており、3人だけが待っていた。
「遅かったの」
「ちょっと人と話しててね」
「なんじゃ? 好みの女でも見つけて声をかけておったのか?」
「俺はそんなに軟派じゃないよっと」
抱き上げたツクナをふたたび首のうしろへと担ぐ。
「集まっていた人たちは解散したんだな」
「ああ。仕事中だからって言って解散してもらったよ。普段は察してくれているのかさっきのように集まって来ることはないんだけど、こういうイベントごとの最中だと盛り上がった雰囲気に押されてみんな集まって来ちゃうんだよね。いやーまいったまいった。人気者はつらいよ」
そうは言いつつもペイナーの表情は嬉しそうであった。
「うん。まあ、人気者は期待を裏切らないようにしないとな」
「もちろんさ。皆の安全は私が守る」
「うん」
やや横柄ではあるが、彼女もまたヨトゥナのナイトであり、弱い者を守りたいという正義は持っているようだ。
『まもなくメインホールにて、ロキシニアス連合首脳らによる登壇イベントが行われます。ご興味のある方はぜひお越しください』
と、どこからか声が聞こえて俺は周囲に首を巡らす。
「あれ? 誰の声だろう?」
声の主が見当たらないので俺は不思議に思う。
「イベントスタッフの放送だよ。そろそろ会場のメインホールでロキシニアス連合の首脳たちが登壇して漫画について来場者と語り合うイベントがあるからね」
「ホウソウ?」
「この場合の放送とは遠く離れた場所から広く多くの人間に音声で情報を伝えることじゃ」
「へーそんなことできるんだ」
便利なものがあるんだなと驚嘆する。
「ははは、ハバン君は変な冗談を言うなぁ。今どきそんことも知らない人間なんているわけないじゃないか」
「そ、そうね。ははは……」
「ああ、会場のメインホールで行われるロキシニアス連合の首脳たちの登壇イベントだけど、そっちのほうはサミオンが20人で護衛しているから心配する必要は無い。まあ一応、気にはしておいてくれ」
「わかった。じゃあ俺たちもそろそろ見回りを再開するか……」
そう思ったとき、遠くから大きな衝撃音が聞こえる。
「やあ、ごくろうさん。あなたも任務かな?」
「まあね」
クラスはサンパーかサミオンか。
わからないが、上位クラスの雰囲気がある女だ。
「あんた、ハバン・ニー・ローマンドだろう?」
「そうだけど、会ったこと無いよね?」
「ああ。けれどあんたの噂は聞いているよ。デズター・デルガモットを倒したとか、ペイナーを説得してヨトゥナの分裂を防いだとか、ね」
女は値踏みするような視線で俺をじろじろと見回す。
「……妙な格好をした奴だ」」
「俺もそう思うよ」
はははと苦笑いをして肩をすくめる。
「優男という感じだな。あまり強そうには見えない」
「そうかい? これでもそれなりに剣や肉体の鍛錬はしているんだけどね」
「ふん」
鼻を鳴らした女はギロリと俺を睨み上げる。
「ひとつ言っておく。ナイトの強さに剣術や肉体の鍛錬などほとんど無意味だ。ここの強さですべてが決まる」
と、女は俺の胸を指差す。
「ここを強くできる大きな理由があるナイトほど無敵だ。鍛錬でどんなに剣術の腕を磨いたところで、最強には届かない」
「ああ、俺もそう思うよ」
そんなことは重々に承知していた。
「けれど俺は最強になるつもりはない。強く正しい心を持った誰かが最強であればいいさ」
「……つまらない男だ」
そう言うと赤い髪の女は振り返って背を向け、
「失望した。楽しくはならなそうだ」
「どういう意味だ?」
しかし女は問いに答えず、俺の前から去って行った。
妙な女だ。
そういえば名前を聞いていなかったが、まあいいかと俺はツクナたちのいる場所へと戻ることにした。
戻るとペイナーに集まっていた民衆は解散しており、3人だけが待っていた。
「遅かったの」
「ちょっと人と話しててね」
「なんじゃ? 好みの女でも見つけて声をかけておったのか?」
「俺はそんなに軟派じゃないよっと」
抱き上げたツクナをふたたび首のうしろへと担ぐ。
「集まっていた人たちは解散したんだな」
「ああ。仕事中だからって言って解散してもらったよ。普段は察してくれているのかさっきのように集まって来ることはないんだけど、こういうイベントごとの最中だと盛り上がった雰囲気に押されてみんな集まって来ちゃうんだよね。いやーまいったまいった。人気者はつらいよ」
そうは言いつつもペイナーの表情は嬉しそうであった。
「うん。まあ、人気者は期待を裏切らないようにしないとな」
「もちろんさ。皆の安全は私が守る」
「うん」
やや横柄ではあるが、彼女もまたヨトゥナのナイトであり、弱い者を守りたいという正義は持っているようだ。
『まもなくメインホールにて、ロキシニアス連合首脳らによる登壇イベントが行われます。ご興味のある方はぜひお越しください』
と、どこからか声が聞こえて俺は周囲に首を巡らす。
「あれ? 誰の声だろう?」
声の主が見当たらないので俺は不思議に思う。
「イベントスタッフの放送だよ。そろそろ会場のメインホールでロキシニアス連合の首脳たちが登壇して漫画について来場者と語り合うイベントがあるからね」
「ホウソウ?」
「この場合の放送とは遠く離れた場所から広く多くの人間に音声で情報を伝えることじゃ」
「へーそんなことできるんだ」
便利なものがあるんだなと驚嘆する。
「ははは、ハバン君は変な冗談を言うなぁ。今どきそんことも知らない人間なんているわけないじゃないか」
「そ、そうね。ははは……」
「ああ、会場のメインホールで行われるロキシニアス連合の首脳たちの登壇イベントだけど、そっちのほうはサミオンが20人で護衛しているから心配する必要は無い。まあ一応、気にはしておいてくれ」
「わかった。じゃあ俺たちもそろそろ見回りを再開するか……」
そう思ったとき、遠くから大きな衝撃音が聞こえる。
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