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第二章
13 アンドリュー
しおりを挟む泣いているロナルークを見た次の日、いつもより早い時間に目が覚めた。…というかあまり寝れなかった。ロナルークが俺のことを好きで俺もロナルークに惚れて……ってことは両思いなんじゃ。なら恋人?結婚?というふうにあの後半ば放心状態で寮に帰った俺はベッドの上でも妄想が止まらなかったのだ。今でもまぶたの裏に笑顔で俺を見つめるロナルークが見える。
よし、告白しよう。そうすればロナルークと付き合え……
「いや、断られるでしょ。」
「え?」
今日もいつものように三人で朝食を食べていた。にこにこしていた俺に気づいたダリルが何かあったのかと聞いてきたので、ロナルークが泣いていたことは伏せつつロナルークはどうやら自分に好意を向けていて自分も好きになったと話をした。説明を終えた俺が今日どこかでロナルークに告白しようと思うと口にした途端、ダリルに否定されたのだ。……な、なぜだ?好き同士なんだから早く恋人になりたい。いちゃいちゃしたい。
「ロナルーク、お前と話すだけでも無理そうなのに、いきなり告白なんてしたらますます避けられるよ。」
「そ、そうなのか……。」
「そうそう。……だからさ、確実に逃がさないように接触を図るんだよ。例えば何か恩を売って、そのお礼に食事してもらうとかさ。そうやってちょっとずつ仲を深めて、ある程度親しげに会話できるようになったら告白してゴールインよ。」
「な、なるほど。」
ふむ…確かにそれなら断りずらいかもしれない。今までのようにすぐに拒否される可能性は無くなるだろう。少しもどかしいが恋愛経験豊富そうなダリルの言うことだ、従ってみるのが無難だ。ちょうど昨日拾ったペンダントもあることだし、ここから仲を深めていこう。
「えっと……よく分からないですけど頑張ってください。」
説明していく程、訳が分からなそうに頭を抱えたビクターはここでようやく声を出した。
「ありがとう、二人とも。絶対にロナルークと恋人になってみせるよ!」
2人のおかげでやる気に満ち溢れた俺は意気揚々と腕を高く上げ、教室へ向かった。
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