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アニエス、兄達と再会す
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「アニエス?!何で泣いているのかな?」
オーウェン様が慌てて席を立ち、私の方へ
やって来る。
ああ、私また泣いてる。
でも、でも、でも。私、たぶん人じゃない。
人じゃない。魔物なのかな?
家族やグレン様に嫌われたくない。
嫌われたくない。
でも……家族にはもう嫌われているのかも。
会うのが怖い。
だって七年も会っていない。
「あ、ああ。しまった。途中でびっくり顔が
面白くてつい、話し過ぎたね?グレン様から
『一度に話すと泣く』と言われていたのに。
ごめんよ。アニエス。
まだ話は沢山あるけど今日はもうやめよう。
うん、明日兄弟達に会えるからその時に
詳しく話そう。
何か、甘い物でも食べようか?
マリーナを呼ぼうかな?
頼むから泣き止もうかな?」
慌てふためくオーウェン様。
びっくり顔が面白いって何?
まだ、話が沢山あるんだ……。
今度は、何が出て来るの……。
やだ、もう勘弁して欲しい。
わんわん泣いた。
焦ったオーウェン様がお義母様を呼ぶ。
お義母様がわしわし頭を撫でてくれても私は
泣き止まなかった。
ザルツコードのお屋敷から、馬車を出して
もらい王宮に戻る。
昨日は結局、王女宮に帰らなかったから
姫様達が心配しているだろう。
馬車の中、まだ涙の止まらない私。
「そんなに泣くと干からびちゃうよ?」
ザルツコードの五男、マックス義兄様が
付き添ってくれている。
オーウェン様似のお顔。
ザルツコード五兄弟はお顔が一緒。
瞳の色が少しずつ違うので、見分けがつく
けれど、本当に父親であるオーウェン様に
そっくりだ。
マックス義兄様はそれが嫌らしい。
『鏡を見ると悪魔が映る。まわりにも悪魔顔
の兄弟がゴロゴロ家にいてイヤ。何で欠片も
母上に似ていないんだろうね僕達は。
兄上のところのチビ達も三人とも父上似の
悪魔顔。もはや呪いだよね』
と、とても嫌そうに語っていた事がある。
人の善さそうな良いお顔なのに呪いって……。
「何がそんなに悲しいのかな?お義兄様に
話してごらんアニエス」
本を片手に優しく聞いてくれるマックス
義兄様。言ってもいいのかな?
ザルツコードの家の人だ。大丈夫だよね。
「……実家の兄達に会うのが怖いんです」
「何で?アイツら君に会えるのをものすごく
喜んでいたのに。怖いってどうしてかな?」
「え?マックス義兄様、うちの兄達を知って
いるんですか?」
「父上の命令で僕が密偵見習いとしてしごき
まくったから。
アイツら脳ミソまで筋肉だね。
もう馬鹿としか言いようがない。
人が善過ぎて、人並みの警戒心を持たせる
までが大変だったよ。
アニエス……似てるよね?」
……密偵見習いって何?
兄達は一体、何をやらされてるの。
そして、今。遠回しに馬鹿って言われた気が
するのは気のせいでしょうか。
「それで、何で会うのが怖いの?」
「……う、」
言葉の変わりに涙が溢れる。
上手く話せない。
「……ああ、もう面倒臭いな。さっさと
会わせた方が早いな」
マックス義兄様は青い伝令鳥を三羽、
馬車から外に飛ばす。
「間に人が入ると気持ちが上手く伝わらな
い事もあるからね。
アニエス、何を悩んでいるのか知らないけ
ど、アイツらも僕達も君が可愛い。
せっかく縁があって僕の妹に
なってくれたんだ。
絶対に僕が守ってあげる。心配いらないよ」
マックス義兄様の優しい言葉に涙が止まら
ない。ザルツコードの家はみんな優しい。
ありがとうございます。
私、養女になれて本当に良かった。
王宮に到着してマックス義兄様のエスコート
で馬車を降りる。
すると熊のような大きな騎士が三人ドスドス
と走り寄って来る。
黒、濃紺、赤の騎士。
第一、第二、第三騎士団の制服だ。
「「「アニエス!やっと会えた!!」」」
七年ぶりに会う兄達だった。
揉みくちゃにされる。
え?なんでいるの。会うのは明日だって
言っていたのに。
ああ、マックス義兄様が飛ばした伝令鳥か。
兄達を呼んだんだ。
マックス義兄様をみると苦笑している。
「ほら、大喜びだったろう?
お前ら、アニエスが潰れる。加減しろ。
まったく、子リスの兄達は熊だもんな。
面白いねえ。似ているのは髪の色だけだ」
おいおい泣く兄達に潰されそう。
兄達の熊っぷりが上がっている。
相変わらずむさい。
──懐かしい。
エリック兄さん、マリック兄さん、
セドリック兄さん。
頬に頬をスリスリされる。
髭がヤスリのよう。痛いから止めて。
順番に脇に手を入れ持ち上げられ、
ぶんぶん振り回される。
七年ぶり、感動の再会のはずなのに
目が回りそう。
でも、会いたかったよぅ。
さっきとは違う涙が溢れた。
私、嫌われていないみたい。
──泣きながら私は笑った。
オーウェン様が慌てて席を立ち、私の方へ
やって来る。
ああ、私また泣いてる。
でも、でも、でも。私、たぶん人じゃない。
人じゃない。魔物なのかな?
家族やグレン様に嫌われたくない。
嫌われたくない。
でも……家族にはもう嫌われているのかも。
会うのが怖い。
だって七年も会っていない。
「あ、ああ。しまった。途中でびっくり顔が
面白くてつい、話し過ぎたね?グレン様から
『一度に話すと泣く』と言われていたのに。
ごめんよ。アニエス。
まだ話は沢山あるけど今日はもうやめよう。
うん、明日兄弟達に会えるからその時に
詳しく話そう。
何か、甘い物でも食べようか?
マリーナを呼ぼうかな?
頼むから泣き止もうかな?」
慌てふためくオーウェン様。
びっくり顔が面白いって何?
まだ、話が沢山あるんだ……。
今度は、何が出て来るの……。
やだ、もう勘弁して欲しい。
わんわん泣いた。
焦ったオーウェン様がお義母様を呼ぶ。
お義母様がわしわし頭を撫でてくれても私は
泣き止まなかった。
ザルツコードのお屋敷から、馬車を出して
もらい王宮に戻る。
昨日は結局、王女宮に帰らなかったから
姫様達が心配しているだろう。
馬車の中、まだ涙の止まらない私。
「そんなに泣くと干からびちゃうよ?」
ザルツコードの五男、マックス義兄様が
付き添ってくれている。
オーウェン様似のお顔。
ザルツコード五兄弟はお顔が一緒。
瞳の色が少しずつ違うので、見分けがつく
けれど、本当に父親であるオーウェン様に
そっくりだ。
マックス義兄様はそれが嫌らしい。
『鏡を見ると悪魔が映る。まわりにも悪魔顔
の兄弟がゴロゴロ家にいてイヤ。何で欠片も
母上に似ていないんだろうね僕達は。
兄上のところのチビ達も三人とも父上似の
悪魔顔。もはや呪いだよね』
と、とても嫌そうに語っていた事がある。
人の善さそうな良いお顔なのに呪いって……。
「何がそんなに悲しいのかな?お義兄様に
話してごらんアニエス」
本を片手に優しく聞いてくれるマックス
義兄様。言ってもいいのかな?
ザルツコードの家の人だ。大丈夫だよね。
「……実家の兄達に会うのが怖いんです」
「何で?アイツら君に会えるのをものすごく
喜んでいたのに。怖いってどうしてかな?」
「え?マックス義兄様、うちの兄達を知って
いるんですか?」
「父上の命令で僕が密偵見習いとしてしごき
まくったから。
アイツら脳ミソまで筋肉だね。
もう馬鹿としか言いようがない。
人が善過ぎて、人並みの警戒心を持たせる
までが大変だったよ。
アニエス……似てるよね?」
……密偵見習いって何?
兄達は一体、何をやらされてるの。
そして、今。遠回しに馬鹿って言われた気が
するのは気のせいでしょうか。
「それで、何で会うのが怖いの?」
「……う、」
言葉の変わりに涙が溢れる。
上手く話せない。
「……ああ、もう面倒臭いな。さっさと
会わせた方が早いな」
マックス義兄様は青い伝令鳥を三羽、
馬車から外に飛ばす。
「間に人が入ると気持ちが上手く伝わらな
い事もあるからね。
アニエス、何を悩んでいるのか知らないけ
ど、アイツらも僕達も君が可愛い。
せっかく縁があって僕の妹に
なってくれたんだ。
絶対に僕が守ってあげる。心配いらないよ」
マックス義兄様の優しい言葉に涙が止まら
ない。ザルツコードの家はみんな優しい。
ありがとうございます。
私、養女になれて本当に良かった。
王宮に到着してマックス義兄様のエスコート
で馬車を降りる。
すると熊のような大きな騎士が三人ドスドス
と走り寄って来る。
黒、濃紺、赤の騎士。
第一、第二、第三騎士団の制服だ。
「「「アニエス!やっと会えた!!」」」
七年ぶりに会う兄達だった。
揉みくちゃにされる。
え?なんでいるの。会うのは明日だって
言っていたのに。
ああ、マックス義兄様が飛ばした伝令鳥か。
兄達を呼んだんだ。
マックス義兄様をみると苦笑している。
「ほら、大喜びだったろう?
お前ら、アニエスが潰れる。加減しろ。
まったく、子リスの兄達は熊だもんな。
面白いねえ。似ているのは髪の色だけだ」
おいおい泣く兄達に潰されそう。
兄達の熊っぷりが上がっている。
相変わらずむさい。
──懐かしい。
エリック兄さん、マリック兄さん、
セドリック兄さん。
頬に頬をスリスリされる。
髭がヤスリのよう。痛いから止めて。
順番に脇に手を入れ持ち上げられ、
ぶんぶん振り回される。
七年ぶり、感動の再会のはずなのに
目が回りそう。
でも、会いたかったよぅ。
さっきとは違う涙が溢れた。
私、嫌われていないみたい。
──泣きながら私は笑った。
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