王宮侍女は穴に落ちる

斑猫

文字の大きさ
63 / 135

アニエス、ピンクとの遭遇

しおりを挟む
「それでモニカ・グラガンには逃げられた訳
だな。父親は獄中で不審死か。キナ臭いな」

湯浴みして新しい軍服に着替えたグレン様。
お館様からの報告を受ける。

砦に敵が侵入したのはモニカの仕業だった。
砦の門番がモニカの信奉者で帝国兵を
王都からの極秘の増援部隊と言われ、
信じて通したらしい。お馬鹿さん!

……ああ、大丈夫なの砦の守り。
でもモニカは変に押しの強い子だからなぁ。
自分の都合の良い方向に話しを持っていく
のが上手い。
あの子から嫌われている私は結構、ひどい
目に遇わされたっけ。

「砦の混乱に乗じて逃げたようです。あれは
転移魔法も使えますから……。
申し訳ありません。私の元婚約者が、間諜。
しかも、帝国と休戦したとの偽情報もあれ
が流したものでした。
領民の命を危険に晒すなどお詫びのしよう
がありません。
如何様な処分もお受けします」

頭を下げるお館様。
モニカとは幼い頃からの婚約者。
仲睦まじいと思っていたけれど、違った。
王命で婚約解消になったのが、
きっかけかと思ったら、かなり前から
こちらの情報を流していたみたい。
父親が間諜だったからかな。
でも、その父親も死んだし、彼女は何
を考えて行動しているのだろう。

「モニカ・グラガンに関してはこちらも
帝国の間諜と知っていて泳がせていた。
お前だけの責ではない。
それより砦の中に易々と敵を引き入れた
事の方が問題だろう。
簡単に騙され過ぎだ。
マックス、悪いが面倒をみてやってくれ」

「……また、ですか。もう辺境人の教育は
熊、三匹だけで懲り懲りなんですけどね」

「ま、そう言うな。マリオン、マークにも
手伝わせろ。プリシラも頼む」

「そうねぇ。どこまで意識が向上するかは
分からないけれど努力はするわ」

「さて、残るは……アルフォンス。あれは
どうすればいい?」

グレン様は窓の外に視線を移す。
窓の外の景色一面、ピンク色。
うねうね、にょろにょろ。
ピイちゃん達の群れだ。

今回の攻撃で沢山の魔物を食べた
ピイちゃん達。大増殖しました。
もう、この数は収納できません。
今回も魔物相手に大活躍しました。
火炙りの刑は可哀想。
最初の子達も焼かないで生かしてあげれば
良かった。

この子達は魔物は襲うけれど人は襲わない。
魔物が去った今はただピイ、ピイうるさい
だけの花の群れだ。


「実はすごい存在だと思うけど。何匹か
研究のために貰うよ。
魔物だけに反応し、自己増殖する。
改良によっては防衛結界の代わりにも
なり得ると思う。
今は番犬代わりにとりあえずこのまま放置
でいいよ。害はない。むしろ砦や、国軍の
陣営の護りにもなるだろう。
鳴き声の騒音に関しては俺が防音結界を
張るよ。アニエス、後で俺と引っ込め方を
練習しよう。
本当に君は面白いなぁ」

ピイちゃん達の首の皮が繋がりました。
てっきり焼却処分になるかと思いました。
良かった。
うーん。なんで出したのに引っ込められ
ないんだろう。
まあ、まだ練習もしていないから
今後に期待しよう。

私がグレン様の失踪現場に行くために
父様やラケット将軍、アルフォンス様、
小規模とはいえ、軍勢を組織して黒い森の
手前まで派兵した。
その隙を狙い砦に奇襲をかけられた。

私が『穴』に飛び込み消えた後、伝令鳥で
砦への奇襲攻撃を知り、急ぎ戻ったとの事。
大事に至らなくて本当に良かった。
ただ砦の兵にかなりの負傷者が出た。
治癒魔法が使える者が総動員され治療に
あたる。

砦の広場に負傷者が集められている。
私は治癒魔法が、得意ではないけれど
止血ぐらいはできるので、助手代わりに
アルフォンス様と治療にあたった。


「……アルフォンス様。なんか怪しい人が
いますけど、あれなんでしょうね?」

負傷者を治療する治癒魔法士の中に
スカーフで頬被りした怪しい動きをする
若い女性がいる。
いや、治療は真面目にしているけれど
アルフォンス様や私の前に来ると挙動不審。
なんだろうあれ?

「あれな?なんだろうな。怪しいにもほどが
あるよな。どうしようか」

やっぱり、アルフォンス様も不審に思って
いました。怪しいもんね。

……もしや、モニカの変装?
あの子も治癒魔法ができたはず。
──怪しい。確かめてみよう。

私はそっと、頬被りの女性の後に立ち、
無言でパッと彼女の被っていたスカーフを
剥がした。悲鳴が上がる。

「や~!何するのよぉ!!」

金髪に赤茶の瞳。嘘でしょう?
両手で今さら顔を隠す彼女。
もう遅い。
もう顔を見ちゃった。
彼女から剥がしたスカーフを握りしめ
呆然とする私。
あ、アルフォンス様も呆然としている。
なんで辺境に彼女がいるの。

「………なんでこんな所にいるのです?
マルクス伯爵令嬢。またアルフォンス様の
追っかけですか?命懸けですね」

残念ピンクことマルクス伯爵令嬢。
ピンクをこよなく愛するアルフォンス様の
追っかけ令嬢。
私はこの人に絡まれて過去二回、『穴』に
落ちている。
大変、縁起の悪いお嬢様だ。
最近姿を見ないのでお嫁にでも行ったかと
思えば、こんな所で遭遇する。

……第二騎士団の制服を来ている。
つまり、今は私と同じ服装。なんか嫌。
でも髪留めがピンクだわ。主張してるなぁ。


「……王太子様に、今は陛下だけれど。
あんたの『穴』落ちの責任をとらされ
たのよ。二度目だから見逃せないって!
私、治癒魔法が使えるから、辺境での
懲罰労働よ。
もう笑いたければ、笑いなさいよ!」

「え?あの後からずっと辺境で労働ですか?
それは罪が重過ぎませんか?
一度目はともかく、二度目は確かに絡まれ
ましたけど別に突き飛ばされた訳でもなく
私が勝手に『穴』に落ちたのに」

そう、バルコニーに大きな『穴』があって
落ちて白竜の所に飛ばされた。
でも、あれのお陰で白竜と話せたし、
グレン様が生贄にならずに済んだ。
まあ、私は死にかけたけれど。

辺境での懲罰労働。
王都の伯爵令嬢が……なんか気の毒。
しかも今の辺境は戦場だ。
お嬢様には辛かろう。

「戦時中だから今すぐには難しいかも知れ
ませんが、私から王都に戻れるように頼ん
でみましょうか?」

すぐに食い付いて来ると思ったけれど
彼女は首を横に振る。

「こんな負傷者が沢山出る状況で王都に
なんて帰れないわよ。
それに私、家を勘当されたから。
もう、平民。もう、辺境で骨を埋めるわ!」

「え?勘当!なんでまた」

「王太子様に直接処罰されたのよ。家の恥。
そりゃ勘当されるわよ。
もう、二度とアルフォンス様にお目にかかれ
ないと諦めていたけれど……。
神様ありがとうございます。また、会えた」

涙ぐむ残念ピンク。
この人本当にアルフォンス様が好きなんだ。
う~ん。頭は残念だけれど。
実はいい子?
でも、報われない恋だなぁ。
アルフォンス様にはアイリスさんがいる。

「あの……実はアルフォンス様には……」

う、言い出し難い。

「他に好きな人がいるんでしょ。知ってる。
アイリス様よね。仕方がないわ。
でも好きなの。遠くで見つめるだけでいい。
少しでも、お話しできたら幸せなの。
アイリス様は王女宮からあまり出て来ない。
アルフォンス様が可哀想。
第二王女様がアイリス様を手放さないのが
悪いのよ!許せない」

あ~。前に姫様の悪口を言ったのは、
そういう理由かぁ。
なんだ。実はいい子だわ。
不器用だなぁ。
うるさく付きまとうからアルフォンス様から
避けられていたものね。
なんか、不憫だ。

「姫様もアルフォンス様とアイリスさんの
ことは気にかけてます。
自分のせいだと気にしてますよ」

「……呪い早く解ければいいのに。解ければ
アルフォンス様が幸せになれるのに……」

──本当にそう。
あれ?バルコニーの『穴』は白竜の所に
繋がっているのかな?
それともやっぱりあの王都郊外の森の木?
青竜はあそこで何をしていたのだろう。
青い魔法陣……ロイシュタール様の目的は
なんだろう?

「案山子!ちょっと大丈夫?あんた顔色悪い
わよ。少し休んだら?」

……案山子ね?どうせ田舎者ですよ。
ふふ。もう、あだ名で定着してるんだなぁ。
案山子ね。ふふふ。
──休めって?確かに疲れたな。
なんか可笑しい。残念ピンクに労られる日が
くるなんて。ふふふ。

「マルクス伯爵令嬢、私の名前はアニエス
です。案山子ではありませんよ」

「はい、はいアニエス様。私はもう伯爵令嬢
じゃございません。ただのドーラよ」

「様はいりません。ではドーラ、私は疲れた
ので休ませてもらいますね。
私の代わりにアルフォンス様の助手を
お願いできますか?」

「え!?嘘でしょう!え?アルフォンス様と
一緒に働けるの?一生の記念にする!
ありがとう!案山子、じゃなくてアニエス」

笑顔の残念ピンクじゃなくて、ドーラは
ものすごく可愛いかった。
ごめんなさい。アイリスさん。

叶わない恋にほんの少しだけ、思い出を
下さい。

アルフォンス様にドーラを引き会わせる。
困惑顔のアルフォンス様。
でも、私より優秀な助手ですよ。
ほら、作業効率がさっきより上がった。


私は広場から少し離れた場所で、
一生懸命働くドーラを微笑ましく見ていた。
……疲れた。壁に寄りかかっていたが辛い。
ここ数日、寝てなかったから眠い。
その場に座り込む。
ああ、駄目。こんな所で寝たら駄目。
──でも、眠い。

私は、うとうとと眠りに落ちていった。














しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

カナリアというよりは鶸(ひわ)ですが? 蛇令息とカナリア(仮)令嬢

しろねこ。
恋愛
キャネリエ家にはカナリアと呼ばれる令嬢がいる。 その歌声は癒しと繁栄をもたらすと言われ、貴族だけではなく、王族や他国からの貴賓にも重宝されていた。 そんなカナリア令嬢と間違えられて(?)求婚されたフィリオーネは、全力で自分はカナリア令嬢ではないと否定する。 「カナリア令嬢は従妹のククルの事です。私は只の居候です」 両親を亡くし、キャネリエ家の離れに住んでいたフィリオーネは突然のプロポーズに戸惑った。 自分はカナリアのようにきれいに歌えないし、体も弱い引きこもり。どちらかというと鶸のような存在だ。 「間違えてなどいない。あなたこそカナリアだ」 フィリオーネに求婚しに来たのは王子の側近として名高い男性で、通称蛇令息。 蛇のようにしつこく、そして心が冷たいと噂されている彼は、フィリオーネをカナリア令嬢と呼び、執拗に口説きに来る。 自分はそんな器ではないし、見知らぬ男性の求婚に困惑するばかり。 (そもそも初めて会ったのに何故?) けれど蛇令息はフィリオーネの事を知っているようで……? ハピエン・ご都合主義・両片思いが大好きです。 お読みいただけると嬉しいです(/ω\)! カクヨムさん、小説家になろうさんでも投稿しています。

【完結】愛を知らない伯爵令嬢は執着激重王太子の愛を一身に受ける。

扇 レンナ
恋愛
スパダリ系執着王太子×愛を知らない純情令嬢――婚約破棄から始まる、極上の恋 伯爵令嬢テレジアは小さな頃から両親に《次期公爵閣下の婚約者》という価値しか見出してもらえなかった。 それでもその利用価値に縋っていたテレジアだが、努力も虚しく婚約破棄を突きつけられる。 途方に暮れるテレジアを助けたのは、留学中だったはずの王太子ラインヴァルト。彼は何故かテレジアに「好きだ」と告げて、熱烈に愛してくれる。 その真意が、テレジアにはわからなくて……。 *hotランキング 最高68位ありがとうございます♡ ▼掲載先→ベリーズカフェ、エブリスタ、アルファポリス

【完】麗しの桃は攫われる〜狼獣人の番は甘い溺愛に翻弄される〜

こころ ゆい
恋愛
※完結しました!皆様のおかげです!ありがとうございました! ※既に完結しておりますが、番外編②加筆しました!(2025/10/17)  狼獣人、リードネストの番(つがい)として隣国から攫われてきたモモネリア。  突然知らない場所に連れてこられた彼女は、ある事情で生きる気力も失っていた。  だが、リードネストの献身的な愛が、傷付いたモモネリアを包み込み、徐々に二人は心を通わせていく。  そんなとき、二人で訪れた旅先で小さなドワーフ、ローネルに出会う。  共に行くことになったローネルだが、何か秘密があるようで?  自分に向けられる、獣人の深い愛情に翻弄される番を描いた、とろ甘溺愛ラブストーリー。

番は君なんだと言われ王宮で溺愛されています

ゆきりん(安室 雪)
恋愛
私ミーシャ・ラクリマ男爵令嬢は、家の借金の為コッソリと王宮でメイドとして働いています。基本は王宮内のお掃除ですが、人手が必要な時には色々な所へ行きお手伝いします。そんな中私を番だと言う人が現れた。えっ、あなたって!? 貧乏令嬢が番と幸せになるまでのすれ違いを書いていきます。 愛の花第2弾です。前の話を読んでいなくても、単体のお話として読んで頂けます。

枯渇聖女は婚約破棄され結婚絶対無理ランキング1位の辺境伯に言い寄られる

はなまる
恋愛
 らすじ  フレイシアは10歳の頃母と一緒に魔物に遭遇。その時母はかなりの傷を負い亡くなりショックで喋れなくなtったがその時月の精霊の加護を受けて微力ながらも魔法が使えるようになった。  このニルス国では魔力を持っている人間はほとんどいなくて魔物討伐でけがを負った第二王子のジェリク殿下の怪我をほんの少し治せた事からジェリク殿下から聖女として王都に来るように誘われる。  フレイシアは戸惑いながらも淡い恋心を抱きジェリク殿下の申し出を受ける。  そして王都の聖教会で聖女として働くことになりジェリク殿下からも頼られ婚約者にもなってこの6年フレイシアはジェリク殿下の期待に応えようと必死だった。  だが、最近になってジェリクは治癒魔法が使えるカトリーナ公爵令嬢に気持ちを移してしまう。  その前からジェリク殿下の態度に不信感を抱いていたフレイシアは魔力をだんだん失くしていて、ついにジェリクから枯渇聖女と言われ婚約を破棄されおまけに群れ衣を着せられて王都から辺境に追放される事になった。  追放が決まり牢に入れられている間に月の精霊が現れフレイシアの魔力は回復し、翌日、辺境に向かう騎士3名と一緒に荷馬車に乗ってその途中で魔物に遭遇。フレイシアは想像を超える魔力を発揮する。  そんな力を持って辺境に‥    明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。少し間が開いてしまいましたがよろしくです。  まったくの空想の異世界のお話。誤字脱字などご不快な点は平にご容赦お願いします。最後までお付き合いいただけると嬉しいです。他のサイトにも投稿しています。

呪われた黒猫と蔑まれた私ですが、竜王様の番だったようです

シロツメクサ
恋愛
ここは竜人の王を頂点として、沢山の獣人が暮らす国。 厄災を運ぶ、不吉な黒猫─────そう言われ村で差別を受け続けていた黒猫の獣人である少女ノエルは、愛する両親を心の支えに日々を耐え抜いていた。けれど、ある日その両親も土砂崩れにより亡くなってしまう。 不吉な黒猫を産んだせいで両親が亡くなったのだと村の獣人に言われて絶望したノエルは、呼び寄せられた魔女によって力を封印され、本物の黒猫の姿にされてしまった。 けれど魔女とはぐれた先で出会ったのは、なんとこの国の頂点である竜王その人で─────…… 「やっと、やっと、見つけた────……俺の、……番……ッ!!」 えっ、今、ただの黒猫の姿ですよ!?というか、私不吉で危ないらしいからそんなに近寄らないでー!! 「……ノエルは、俺が竜だから、嫌なのかな。猫には恐ろしく感じるのかも。ノエルが望むなら、体中の鱗を剥いでもいいのに。それで一生人の姿でいたら、ノエルは俺にも自分から近付いてくれるかな。懐いて、あの可愛い声でご飯をねだってくれる?」 「……この周辺に、動物一匹でも、近づけるな。特に、絶対に、雄猫は駄目だ。もしもノエルが……番として他の雄を求めるようなことがあれば、俺は……俺は、今度こそ……ッ」 王様の傍に厄災を運ぶ不吉な黒猫がいたせいで、万が一にも何かあってはいけない!となんとか離れようとするヒロインと、そんなヒロインを死ぬほど探していた、何があっても逃さない金髪碧眼ヤンデレ竜王の、実は持っていた不思議な能力に気がついちゃったりするテンプレ恋愛ものです。世界観はゆるふわのガバガバでつっこみどころいっぱいなので何も考えずに読んでください。 ※ヒロインは大半は黒猫の姿で、その正体を知らないままヒーローはガチ恋しています(別に猫だから好きというわけではありません)。ヒーローは金髪碧眼で、竜人ですが本編のほとんどでは人の姿を取っています。ご注意ください。

「25歳OL、異世界で年上公爵の甘々保護対象に!? 〜女神ルミエール様の悪戯〜」

透子(とおるこ)
恋愛
25歳OL・佐神ミレイは、仕事も恋も完璧にこなす美人女子。しかし本当は、年上の男性に甘やかされたい願望を密かに抱いていた。 そんな彼女の前に現れたのは、気まぐれな女神ルミエール。理由も告げず、ミレイを異世界アルデリア王国の公爵家へ転移させる。そこには恐ろしく気難しいと評判の45歳独身公爵・アレクセイが待っていた。 最初は恐怖を覚えるミレイだったが、公爵の手厚い保護に触れ、次第に心を許す。やがて彼女は甘く溺愛される日々に――。 仕事も恋も頑張るOLが、異世界で年上公爵にゴロニャン♡ 甘くて胸キュンなラブストーリー、開幕! ---

【完結】元お飾り聖女はなぜか腹黒宰相様に溺愛されています!?

雨宮羽那
恋愛
 元社畜聖女×笑顔の腹黒宰相のラブストーリー。 ◇◇◇◇  名も無きお飾り聖女だった私は、過労で倒れたその日、思い出した。  自分が前世、疲れきった新卒社会人・花菱桔梗(はなびし ききょう)という日本人女性だったことに。    運良く婚約者の王子から婚約破棄を告げられたので、前世の教訓を活かし私は逃げることに決めました!  なのに、宰相閣下から求婚されて!? 何故か甘やかされているんですけど、何か裏があったりしますか!? ◇◇◇◇ お気に入り登録、エールありがとうございます♡ ※ざまぁはゆっくりじわじわと進行します。 ※「小説家になろう」「エブリスタ」様にも掲載しております(アルファポリス先行)。 ※この作品はフィクションです。特定の政治思想を肯定または否定するものではありません(_ _*))

処理中です...