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グレン、振り回される
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圧縮されるような息苦しさを感じる。
アニエスはこれのせいで気を失うのか?
『穴』に落ちるたびに、気を失うとぼや
いていたな。いやそもそも
そんなに『穴』に落ちるなよ。
そんな事を考えている間に黒竜の巣穴に
到着した。
「お、今日は小僧だけかぁ?チビすけは
どうししたんだよ。今日はあいつの好きな
菓子があるのになぁ」
今日ものんびりと地面に敷いた敷物の上で
クッションにもたれ、くつろぐ黒竜。
ポリポリと焼き菓子を食べている。
なんだろうな?
黒竜の呑気な顔を見て、ホッとするのは。
「アニエスが帝国に拉致された」
「は?なんだと。なんでそんな事に。
くそ帝国め。いつか滅ぼしてやる」
おや、黒竜様がお怒りだ。
黒竜が帝国に悪感情を持っているのは
仕方がないか。
以前、黒竜は帝国の奴らに追いかけ回され
剣で刺された。
幼いアルマを咥えて暴れ回る
黒竜を思い出す。
アルマは魔力を黒竜に喰われ魔力枯渇。
アルマを助けようとした
アルフォンス、アイリスも負傷。
三人共に黒竜の血を浴びて死にかけた。
未だに傷痕が残っている。
あの怒りに満ちた黒い巨大な竜。
こうして人の姿でくつろぐ黒竜からは想像
もつかない。
「それで俺に何か聞きたい事があって
来たんだな?答えられるものなら何でも
教えてやる。早くチビすけを助けろ。小僧」
話の分かる人外だな。
こいつは本当にアニエスが可愛いのだろう。
「北辺境はあんたの縄張りだよな。
あんたの縄張りで新しく『穴』を作れるか?
モニカ・グラガンがアニエスを誘い出し、
『穴』を使って帝国に拉致した。
モニカには『穴』を作れる力はないと
あんたは言っていただろう。どういう事
だと思う?」
「モニカは金竜の血をひいてはいるが
そんな力はない。あれは人だよ。赤竜だ。
赤竜が『穴』を繋げたんだろう」
「また、赤竜か。
魔物はモニカの受け継ぐ金竜の力で操られ
ている。じゃあ、赤竜は何で帝国に従って
いるんだ?」
「それは…うん。まあ」
黒竜が言い淀む。
ま、推測はついているのだがな。
確める手段がなぁ。
アニエスの友人である黒竜で試す訳にも
いかないしな。
そういえば、黒竜は以前刺された剣を
どうやって抜いたんだ?
真偽のほどは確かではないが、あれは一度
刺さると抜く事が出来ないと聞いている。
俺に言うか言うまいか悩んでいた黒竜が
ぴくりとする。
天井を睨んでいる。
「……おかしい。客が来る」
「客?まさかまた、アニエスか?」
「いや、違う。小僧……キレるなよ?」
「なんだ?俺がキレるような客って」
「来れば分かるよ。あいつも間が悪いなぁ」
すぐに天井から人が降ってきた。
青い長い髪の容姿のいい男。金色の瞳。
黒いローブ姿。なんだ、こいつ。
「え?先客がいる。誰だこいつ」
青い髪の男が俺を指差す。
何となく腹立たしい。
「久し振りに押し掛けてきて、挨拶もなし。
俺の客に無礼を働く。死にたいのか青竜」
むすっとした表情で青い髪の男に言う黒竜。
今、青竜と言ったな。
「嫌だな友達だろう?まだ怒っているのか。
久し振りに会うんだ機嫌を直せよクロ」
「もう、友達じゃない」
「金のおチビちゃんの事、悪かったよ。
勝手に鱗を食わせて。この通り謝るから!
お前に頼みがあるんだよ。
クロ、頼むから話を聞いてくれ」
黒竜に両手を合わせ拝み倒す青い髪の男。
青竜と言ったな。確かに聞いたぞ。
こいつがアニエスを襲った奴か。
こいつ。竜、だよな。
なら、お試しと報復の一挙両得の
チャンスだ。
「黒竜、一応聞く。
こいつ殺してもいいか?」
「あ~うん。まあ、死なない程度にして?
これでも友達だから」
頬をポリポリかきながら、
ポツリと黒竜が言う。
友達じゃないとさっき言ったろう?
黒竜、人が善いな。
黒竜に免じて命は取らないでやろう。
俺は空間収納から剣を取り出し、
青竜の胸めがけ思い切り突き刺す。
この剣をしまうためだけの空間収納。
剣を買った時のオマケだ。
手に入れて十数年、使う日が来るとは正直、
思わなかった。
「ぐああ~!!な、なんだお前、いきなり
何をするんだ!しかも……この剣?!」
「うわ~!!こ、小僧!何でお前、そんな
もん持っているんだよ!ボコってもいいけど
それは不味い!よせ!」
青竜は血を吐きながら胸に刺さった剣を
抜こうともがく。
黒竜は慌てふためき、俺を止めにかかる。
「剣の一本や二本じゃ、お前ら死なない
だろう。何せ赤竜には三本刺さっていた」
青竜の腹に蹴りを入れ倒す。
もう一本剣を取り出し青竜に突き刺す。
「ぎやあ~!!止せやめろ!」
「やめろ?アニエスを襲った奴をただで
済ますと思うか?ああ?」
青竜の頭を踏みつけ、ゆっくりと三本目の剣
を取り出す。
「うわ~止せ小僧!謝れアオ!こいつは
アニエスの番だ!死にたくなかったら
死ぬ気で謝れ!小僧、いや、グレン。
俺からも謝る。頼むからもう止せ!」
必死な様子の黒竜に手を止める。
振りかざした剣はそのまま。
青竜を見下ろす。
黒竜が止めなければ、このまま殺したい。
アニエスは怯えていた。
アルフォンスは、毎日うなされていたと
言っていた。
何より、あの肌に俺以外の男が触れた。
言い様のない怒りが湧いてくる。
やはり、殺すかこいつ。
「げ!こいつが番!?すまなかった!
覚醒して欲しかっただけなんだ。本気で
襲った訳じゃない!ごめんなさい!!」
ガタガタ震える青竜。
プルプル首を振る黒竜。
「……覚醒とは?」
「とりあえず、それをしまえ。
お前、何で竜殺しの剣なんて持ち歩いて
いるんだよ。どこで手に入れたんだ」
額の汗を拭いながら黒竜が言う。
「黒竜が帝国の奴らに襲われた時にいた
武器商人の男に売り付けられた。
かれこれ二十年近く前の話だな」
「え?あの時のあいつか?何でそんな奴から
物を買うんだよ!大体、二十年近く前って
お前いくつの時の話だよ!」
せっかく汗を拭ったのに、またダラダラと
大汗をかく黒竜。
「七、いや、八歳だったかな?あの男、
帝国に黒竜の捕獲に失敗したからと料金を
踏み倒されたらしくてな?
愚痴りながら俺の所に竜殺しの剣を売り
付けに来たんだ。面白いから買った。
何が役に立つか分からんな。
あれもおかしな男だ。便利だから未だに
付き合いがあるぞ」
「まだ、子供じゃないか。面白いって
お前なぁ。あんな金のためなら何でもやる
奴と付き合うなよ!」
「金さえ払えば信用できる。使い勝手が
いいだろう?」
「人って、怖いわ。理解出来ない」
両手で顔を覆う黒竜。
大げさだな。
常に他より高い金さえ払えば裏切らない。
分かりやすい相手だろう。
「嘘だろう。赤竜を助けたかったのに
俺まで刺されちゃったよ。どうしようクロ」
情けない声を出す青竜。
ダラダラと汗をかきながら、
俺の顔を伺う黒竜。
心配するな。そんなに酷い事はしない。
たぶんな。
「とりあえず働いてもらおうか。青竜?」
竜殺しの剣。帝国で作られる魔道具。
二本刺せば竜を使役できる。
三本で完全な支配権を持ち。
四本で竜を消滅させる。
眉唾物だと思っていたが、そうでは
ないらしい。
赤竜には三本の竜殺しの剣が刺さっていた。
赤竜は完全に帝国に支配されているな。
黒竜もあの時に逃げきっていなければ
帝国に支配されていたはずだ。
黒竜が青い顔で俺に尋ねる。
「何をさせる気だ?」
「穴掘り職人だな。帝国まで『穴』を掘って
もらおうか」
「チビすけを助けに行くのか……」
『……穴?なんだそれは。それにチビちゃん
を助けにって、どういう事だ?」
「道の事だ。人は『穴』と呼んでいるらしい
アニエス、帝国に拉致されたんだ」
「帝国に!それは不味いな」
黒竜と青竜が話しをしていると青竜に刺った
剣が金色に光る。
光が消えると剣と刺し傷が消える。
その変わり青竜の首に黒い刺青が。
それを見た青竜が絶望的な顔になる。
剣による支配の完了。もうこれで青竜は
俺に逆らう事はできない。
「三本目を刺されたくなかったら余計な
事をするなよ?」
「わざわざ繋がなくてもすでに何本か
道がある。チビちゃんを助けにいくなら
早いほうがいいだろう。お前に通行権を
付けるよ」
「協力的だな?」
「剣からの支配を消すのに、彼女の力が
必要なんだよ。以前、覚醒した彼女が
クロに刺さった剣を消しているんだ」
成る程、黒竜の剣はアニエスが消したのか。
どれだけ利用価値が高いんだ。
頭の痛い。
「覚醒とは?」
「竜化だよ。アニエスは青竜、赤竜の婚姻鱗
を食わされた時に竜化したんだ。
急激な変化に堪えられずに死にかけた。
あの時、一度きりだけどな。とても綺麗な
……金竜だったよ」
黒竜が辛そうな顔で言う。
「成る程。アニエスの救出について利害が
一致する訳だな?では案内してもらおうか」
「町にある。クロ、町に出る道はあるか?」
「あるよ。俺も行く」
俺と竜二匹。黒竜の巣穴から町へ
町から帝国に飛ぶ。
先に潜入しているマリオンと繋ぎをとった。
「グレン様?いつ、帝国へ」
「たった今だ。何か動きはあるか?」
「大騒ぎになっています。おそらくですが、
アニエスは自力で脱出しましたね。
捜索隊が躍起になって市中を探し回って
ますよ」
………あいつは何でじっとしていないんだ。
どこにいる?
指輪で探すが、まだ白亜宮にいるはずだ。
「白亜宮からは出ていないな」
「分かるのか?その指輪か?」
黒竜が指輪に興味を示す。
好奇心旺盛な奴だな。
黒竜に指輪を見せて機能を説明してやる。
「へえ、人の道具も便利なものだな。あれ?
動いてるな。チビすけ、移動している」
黒竜に言われ指輪を見るとゆっくりだが
確かに移動している。
とりあえず無事だな。
しばらく、指輪で位置を確認していると
黒い森に出た。
「黒い森に出たな。黒い森に繋がる『穴』は
あるか?」
黒竜、青竜に確認する。
「あるにはあるが、アルトリア領の方にしか
ないな。ここからなら、ここの方が近い」
「成る程な。仕方ない。お前ら俺に掴まれ」
「「え?何で?」」
黒竜と青竜が声を揃える。
「転移する」
「え?お前、転移魔法使えるのか。
赤竜がいるからここも結構飛び辛いぞ」
「アルトリアの王都よりはマシだ」
竜二匹を連れて黒い森へと飛ぶ。
月明かりの森。
この森を抜ければアルトリアの北辺境だ。
だが、黒い森は広大だ。
かなりの距離がある。
森の中央にアルトリアとの国境線がある。
歩きで森を抜けてアルトリアに行くには
数日はかかる。
それに黒い森は魔物の森だ。
何が出るか分からない。
しかも夜。
アニエスの身が心配だ。
「よく、俺達を連れてここまで飛んだなぁ。
お前ってハイスペックだな。人が濃いのに」
呆れたように黒竜が言う。
指輪を確認するまでもない。
──甘い匂い。アニエスの匂いがする。
すぐ近くにいる。
走り出す俺に竜達が慌てて追ってくる。
泉が見える。
もうすぐ会える!
そう、思った瞬間。指輪が反応した。
立ち止まる俺。
「何だ?どうした」
青竜が俺に尋ねる。
どうしたもこうしたもない。
まただ。
あいつはまた『穴』に落ちた。
恐る恐る指輪を確認する。
位置情報は……。
俺はため息をつくと竜達に尋ねる。
「アルトリア王都に繋がる『穴』はあるか?」
「「は?」」
「アニエスがまた『穴』に落ちた。王都だ」
竜達が辺りを確認すると泉の側に『穴』が
あると言う。
「赤竜の道だな。剣を刺された後に作られ
たものだ。俺達には通行権がない」
「何であいつは落ちるんだ……」
膝から崩れる俺。
「ほら、赤竜の婚姻鱗を食ってるからさ」
すまなそうな顔で青竜が言う。
「気を落とすなよ。とりあえず戻ろう。
俺の巣穴から王都の側まで繋がる道がある。
それを使おう」
黒竜が俺の肩を叩く。
「王都郊外の森には王宮に繋がる道がある」
青竜の言葉に俺は顔を上げる。
「あの、一際高い木か?」
「あの木の辺りは白竜の作った道が沢山交差
して存在しているんだ。空間が特別弱い。
だから繋ぎやすいんだよ」
アニエスと初めて出会った場所。
あの木にぶら下がるアニエスを思い出す。
俺は首を振ると竜達を連れて帝国にある
青竜の『穴』まで転移した。
そこから北辺境の町へ。そこから黒竜の
巣穴へと戻る。
振り出しに戻ったな。
何しに帝国まで行ったんだ俺達は……。
アニエスめ。
無事なんだろうな?
無事じゃなかったら、ただでは置かない。
「ほら、そんな怖い顔するなよ。すぐに
会えるさ。行くぞ」
黒竜に励まされ王都近くの『穴』まで飛ぶ。
やはり森の中だ。少し歩くとあの木まで来た。
「王宮まで飛ぶけど、不法侵入で捕まら
ないか?俺達、怪しいだろう?」
怪しい自覚はあるのか。
確かに怪しい。特に青竜の青い髪は目立つ。
「俺が一緒にいるから、大丈夫だろう」
もうじき夜が明ける。
一刻も早くアニエスの無事を確認したい。
青竜が地面に跪く。
両手を地面につけると青い魔法陣が浮き出る。
「よし、円の中に入れ」
青竜に従い魔法陣の円に入ると一瞬で
移動した。
朝靄の庭。女神像の庭だ。
王女宮の庭と完全に溝が出来て分断されて
いる。
こんな事になっていたのか。
話には聞いていたが自分の目で見ると
また違う。
黒竜がなんとも言えない表情でしゃがみ
込んで地面を撫でている。
この地下には白竜が封印されている。
「こんな形でここに来る事になるとはな」
ポツリと呟く黒竜。
白竜の解放も急がないとな。
誰かの犠牲の上に成り立つ平和など
反吐がでる。
指輪を確認する。
あそこか。
朝靄の中、俺達は歩き出した。
アニエスはこれのせいで気を失うのか?
『穴』に落ちるたびに、気を失うとぼや
いていたな。いやそもそも
そんなに『穴』に落ちるなよ。
そんな事を考えている間に黒竜の巣穴に
到着した。
「お、今日は小僧だけかぁ?チビすけは
どうししたんだよ。今日はあいつの好きな
菓子があるのになぁ」
今日ものんびりと地面に敷いた敷物の上で
クッションにもたれ、くつろぐ黒竜。
ポリポリと焼き菓子を食べている。
なんだろうな?
黒竜の呑気な顔を見て、ホッとするのは。
「アニエスが帝国に拉致された」
「は?なんだと。なんでそんな事に。
くそ帝国め。いつか滅ぼしてやる」
おや、黒竜様がお怒りだ。
黒竜が帝国に悪感情を持っているのは
仕方がないか。
以前、黒竜は帝国の奴らに追いかけ回され
剣で刺された。
幼いアルマを咥えて暴れ回る
黒竜を思い出す。
アルマは魔力を黒竜に喰われ魔力枯渇。
アルマを助けようとした
アルフォンス、アイリスも負傷。
三人共に黒竜の血を浴びて死にかけた。
未だに傷痕が残っている。
あの怒りに満ちた黒い巨大な竜。
こうして人の姿でくつろぐ黒竜からは想像
もつかない。
「それで俺に何か聞きたい事があって
来たんだな?答えられるものなら何でも
教えてやる。早くチビすけを助けろ。小僧」
話の分かる人外だな。
こいつは本当にアニエスが可愛いのだろう。
「北辺境はあんたの縄張りだよな。
あんたの縄張りで新しく『穴』を作れるか?
モニカ・グラガンがアニエスを誘い出し、
『穴』を使って帝国に拉致した。
モニカには『穴』を作れる力はないと
あんたは言っていただろう。どういう事
だと思う?」
「モニカは金竜の血をひいてはいるが
そんな力はない。あれは人だよ。赤竜だ。
赤竜が『穴』を繋げたんだろう」
「また、赤竜か。
魔物はモニカの受け継ぐ金竜の力で操られ
ている。じゃあ、赤竜は何で帝国に従って
いるんだ?」
「それは…うん。まあ」
黒竜が言い淀む。
ま、推測はついているのだがな。
確める手段がなぁ。
アニエスの友人である黒竜で試す訳にも
いかないしな。
そういえば、黒竜は以前刺された剣を
どうやって抜いたんだ?
真偽のほどは確かではないが、あれは一度
刺さると抜く事が出来ないと聞いている。
俺に言うか言うまいか悩んでいた黒竜が
ぴくりとする。
天井を睨んでいる。
「……おかしい。客が来る」
「客?まさかまた、アニエスか?」
「いや、違う。小僧……キレるなよ?」
「なんだ?俺がキレるような客って」
「来れば分かるよ。あいつも間が悪いなぁ」
すぐに天井から人が降ってきた。
青い長い髪の容姿のいい男。金色の瞳。
黒いローブ姿。なんだ、こいつ。
「え?先客がいる。誰だこいつ」
青い髪の男が俺を指差す。
何となく腹立たしい。
「久し振りに押し掛けてきて、挨拶もなし。
俺の客に無礼を働く。死にたいのか青竜」
むすっとした表情で青い髪の男に言う黒竜。
今、青竜と言ったな。
「嫌だな友達だろう?まだ怒っているのか。
久し振りに会うんだ機嫌を直せよクロ」
「もう、友達じゃない」
「金のおチビちゃんの事、悪かったよ。
勝手に鱗を食わせて。この通り謝るから!
お前に頼みがあるんだよ。
クロ、頼むから話を聞いてくれ」
黒竜に両手を合わせ拝み倒す青い髪の男。
青竜と言ったな。確かに聞いたぞ。
こいつがアニエスを襲った奴か。
こいつ。竜、だよな。
なら、お試しと報復の一挙両得の
チャンスだ。
「黒竜、一応聞く。
こいつ殺してもいいか?」
「あ~うん。まあ、死なない程度にして?
これでも友達だから」
頬をポリポリかきながら、
ポツリと黒竜が言う。
友達じゃないとさっき言ったろう?
黒竜、人が善いな。
黒竜に免じて命は取らないでやろう。
俺は空間収納から剣を取り出し、
青竜の胸めがけ思い切り突き刺す。
この剣をしまうためだけの空間収納。
剣を買った時のオマケだ。
手に入れて十数年、使う日が来るとは正直、
思わなかった。
「ぐああ~!!な、なんだお前、いきなり
何をするんだ!しかも……この剣?!」
「うわ~!!こ、小僧!何でお前、そんな
もん持っているんだよ!ボコってもいいけど
それは不味い!よせ!」
青竜は血を吐きながら胸に刺さった剣を
抜こうともがく。
黒竜は慌てふためき、俺を止めにかかる。
「剣の一本や二本じゃ、お前ら死なない
だろう。何せ赤竜には三本刺さっていた」
青竜の腹に蹴りを入れ倒す。
もう一本剣を取り出し青竜に突き刺す。
「ぎやあ~!!止せやめろ!」
「やめろ?アニエスを襲った奴をただで
済ますと思うか?ああ?」
青竜の頭を踏みつけ、ゆっくりと三本目の剣
を取り出す。
「うわ~止せ小僧!謝れアオ!こいつは
アニエスの番だ!死にたくなかったら
死ぬ気で謝れ!小僧、いや、グレン。
俺からも謝る。頼むからもう止せ!」
必死な様子の黒竜に手を止める。
振りかざした剣はそのまま。
青竜を見下ろす。
黒竜が止めなければ、このまま殺したい。
アニエスは怯えていた。
アルフォンスは、毎日うなされていたと
言っていた。
何より、あの肌に俺以外の男が触れた。
言い様のない怒りが湧いてくる。
やはり、殺すかこいつ。
「げ!こいつが番!?すまなかった!
覚醒して欲しかっただけなんだ。本気で
襲った訳じゃない!ごめんなさい!!」
ガタガタ震える青竜。
プルプル首を振る黒竜。
「……覚醒とは?」
「とりあえず、それをしまえ。
お前、何で竜殺しの剣なんて持ち歩いて
いるんだよ。どこで手に入れたんだ」
額の汗を拭いながら黒竜が言う。
「黒竜が帝国の奴らに襲われた時にいた
武器商人の男に売り付けられた。
かれこれ二十年近く前の話だな」
「え?あの時のあいつか?何でそんな奴から
物を買うんだよ!大体、二十年近く前って
お前いくつの時の話だよ!」
せっかく汗を拭ったのに、またダラダラと
大汗をかく黒竜。
「七、いや、八歳だったかな?あの男、
帝国に黒竜の捕獲に失敗したからと料金を
踏み倒されたらしくてな?
愚痴りながら俺の所に竜殺しの剣を売り
付けに来たんだ。面白いから買った。
何が役に立つか分からんな。
あれもおかしな男だ。便利だから未だに
付き合いがあるぞ」
「まだ、子供じゃないか。面白いって
お前なぁ。あんな金のためなら何でもやる
奴と付き合うなよ!」
「金さえ払えば信用できる。使い勝手が
いいだろう?」
「人って、怖いわ。理解出来ない」
両手で顔を覆う黒竜。
大げさだな。
常に他より高い金さえ払えば裏切らない。
分かりやすい相手だろう。
「嘘だろう。赤竜を助けたかったのに
俺まで刺されちゃったよ。どうしようクロ」
情けない声を出す青竜。
ダラダラと汗をかきながら、
俺の顔を伺う黒竜。
心配するな。そんなに酷い事はしない。
たぶんな。
「とりあえず働いてもらおうか。青竜?」
竜殺しの剣。帝国で作られる魔道具。
二本刺せば竜を使役できる。
三本で完全な支配権を持ち。
四本で竜を消滅させる。
眉唾物だと思っていたが、そうでは
ないらしい。
赤竜には三本の竜殺しの剣が刺さっていた。
赤竜は完全に帝国に支配されているな。
黒竜もあの時に逃げきっていなければ
帝国に支配されていたはずだ。
黒竜が青い顔で俺に尋ねる。
「何をさせる気だ?」
「穴掘り職人だな。帝国まで『穴』を掘って
もらおうか」
「チビすけを助けに行くのか……」
『……穴?なんだそれは。それにチビちゃん
を助けにって、どういう事だ?」
「道の事だ。人は『穴』と呼んでいるらしい
アニエス、帝国に拉致されたんだ」
「帝国に!それは不味いな」
黒竜と青竜が話しをしていると青竜に刺った
剣が金色に光る。
光が消えると剣と刺し傷が消える。
その変わり青竜の首に黒い刺青が。
それを見た青竜が絶望的な顔になる。
剣による支配の完了。もうこれで青竜は
俺に逆らう事はできない。
「三本目を刺されたくなかったら余計な
事をするなよ?」
「わざわざ繋がなくてもすでに何本か
道がある。チビちゃんを助けにいくなら
早いほうがいいだろう。お前に通行権を
付けるよ」
「協力的だな?」
「剣からの支配を消すのに、彼女の力が
必要なんだよ。以前、覚醒した彼女が
クロに刺さった剣を消しているんだ」
成る程、黒竜の剣はアニエスが消したのか。
どれだけ利用価値が高いんだ。
頭の痛い。
「覚醒とは?」
「竜化だよ。アニエスは青竜、赤竜の婚姻鱗
を食わされた時に竜化したんだ。
急激な変化に堪えられずに死にかけた。
あの時、一度きりだけどな。とても綺麗な
……金竜だったよ」
黒竜が辛そうな顔で言う。
「成る程。アニエスの救出について利害が
一致する訳だな?では案内してもらおうか」
「町にある。クロ、町に出る道はあるか?」
「あるよ。俺も行く」
俺と竜二匹。黒竜の巣穴から町へ
町から帝国に飛ぶ。
先に潜入しているマリオンと繋ぎをとった。
「グレン様?いつ、帝国へ」
「たった今だ。何か動きはあるか?」
「大騒ぎになっています。おそらくですが、
アニエスは自力で脱出しましたね。
捜索隊が躍起になって市中を探し回って
ますよ」
………あいつは何でじっとしていないんだ。
どこにいる?
指輪で探すが、まだ白亜宮にいるはずだ。
「白亜宮からは出ていないな」
「分かるのか?その指輪か?」
黒竜が指輪に興味を示す。
好奇心旺盛な奴だな。
黒竜に指輪を見せて機能を説明してやる。
「へえ、人の道具も便利なものだな。あれ?
動いてるな。チビすけ、移動している」
黒竜に言われ指輪を見るとゆっくりだが
確かに移動している。
とりあえず無事だな。
しばらく、指輪で位置を確認していると
黒い森に出た。
「黒い森に出たな。黒い森に繋がる『穴』は
あるか?」
黒竜、青竜に確認する。
「あるにはあるが、アルトリア領の方にしか
ないな。ここからなら、ここの方が近い」
「成る程な。仕方ない。お前ら俺に掴まれ」
「「え?何で?」」
黒竜と青竜が声を揃える。
「転移する」
「え?お前、転移魔法使えるのか。
赤竜がいるからここも結構飛び辛いぞ」
「アルトリアの王都よりはマシだ」
竜二匹を連れて黒い森へと飛ぶ。
月明かりの森。
この森を抜ければアルトリアの北辺境だ。
だが、黒い森は広大だ。
かなりの距離がある。
森の中央にアルトリアとの国境線がある。
歩きで森を抜けてアルトリアに行くには
数日はかかる。
それに黒い森は魔物の森だ。
何が出るか分からない。
しかも夜。
アニエスの身が心配だ。
「よく、俺達を連れてここまで飛んだなぁ。
お前ってハイスペックだな。人が濃いのに」
呆れたように黒竜が言う。
指輪を確認するまでもない。
──甘い匂い。アニエスの匂いがする。
すぐ近くにいる。
走り出す俺に竜達が慌てて追ってくる。
泉が見える。
もうすぐ会える!
そう、思った瞬間。指輪が反応した。
立ち止まる俺。
「何だ?どうした」
青竜が俺に尋ねる。
どうしたもこうしたもない。
まただ。
あいつはまた『穴』に落ちた。
恐る恐る指輪を確認する。
位置情報は……。
俺はため息をつくと竜達に尋ねる。
「アルトリア王都に繋がる『穴』はあるか?」
「「は?」」
「アニエスがまた『穴』に落ちた。王都だ」
竜達が辺りを確認すると泉の側に『穴』が
あると言う。
「赤竜の道だな。剣を刺された後に作られ
たものだ。俺達には通行権がない」
「何であいつは落ちるんだ……」
膝から崩れる俺。
「ほら、赤竜の婚姻鱗を食ってるからさ」
すまなそうな顔で青竜が言う。
「気を落とすなよ。とりあえず戻ろう。
俺の巣穴から王都の側まで繋がる道がある。
それを使おう」
黒竜が俺の肩を叩く。
「王都郊外の森には王宮に繋がる道がある」
青竜の言葉に俺は顔を上げる。
「あの、一際高い木か?」
「あの木の辺りは白竜の作った道が沢山交差
して存在しているんだ。空間が特別弱い。
だから繋ぎやすいんだよ」
アニエスと初めて出会った場所。
あの木にぶら下がるアニエスを思い出す。
俺は首を振ると竜達を連れて帝国にある
青竜の『穴』まで転移した。
そこから北辺境の町へ。そこから黒竜の
巣穴へと戻る。
振り出しに戻ったな。
何しに帝国まで行ったんだ俺達は……。
アニエスめ。
無事なんだろうな?
無事じゃなかったら、ただでは置かない。
「ほら、そんな怖い顔するなよ。すぐに
会えるさ。行くぞ」
黒竜に励まされ王都近くの『穴』まで飛ぶ。
やはり森の中だ。少し歩くとあの木まで来た。
「王宮まで飛ぶけど、不法侵入で捕まら
ないか?俺達、怪しいだろう?」
怪しい自覚はあるのか。
確かに怪しい。特に青竜の青い髪は目立つ。
「俺が一緒にいるから、大丈夫だろう」
もうじき夜が明ける。
一刻も早くアニエスの無事を確認したい。
青竜が地面に跪く。
両手を地面につけると青い魔法陣が浮き出る。
「よし、円の中に入れ」
青竜に従い魔法陣の円に入ると一瞬で
移動した。
朝靄の庭。女神像の庭だ。
王女宮の庭と完全に溝が出来て分断されて
いる。
こんな事になっていたのか。
話には聞いていたが自分の目で見ると
また違う。
黒竜がなんとも言えない表情でしゃがみ
込んで地面を撫でている。
この地下には白竜が封印されている。
「こんな形でここに来る事になるとはな」
ポツリと呟く黒竜。
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誰かの犠牲の上に成り立つ平和など
反吐がでる。
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