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しおりを挟む「月に黒い窓が見えたら、気を付けなければならない。吸血鬼がやってくるから」
このウワサ話を聞いたのは、サークルの飲み会でのこと。隣に座ったりっちゃんが、友達に聞いたんだ、と教えてくれた。
「吸血鬼?」
「そう。血を吸われちゃうかも」
私の吸血鬼に対するイメージなんて、出会い頭に血を吸われて、十字架とニンニクに弱くて、黒いマントを翻して逃げてゆく、そんなものだった。
「黒い窓ってなんだろうね?」
「さあ……? 月の兎の寝床かな?」
「りっちゃん、月に兎はいないんだよ」
飲み過ぎなのか、赤ら顔のりっちゃんはそのままテーブルに突っ伏して眠ってしまった。このままでは狼達の餌食になってしまうので、私はタクシーで彼女をアパートまで送り、そこからてくてくと自宅まで歩くことにした。たったの一駅だし、人気もある。問題はない。
──問題はない、筈だった。
今宵は満月。見上げた月はいつもより大きくて、赤かった。月が赤くなる理由は、以前理工学部の友達に教えてもらったことがある。ナントカカントカってちゃんと理由があったが、まともに覚えてはいなかった。
自宅の三階建アパートが見えてきた。入口の蛍光灯が切れかけているのか、チカチカと点滅をしている。体に纏わりつくむわりとした空気が不快で、ぱたぱたと服の首元に風を送り込んだ。
「え~ん……」
ふ、と顔を上げると、一本手前の路地から幼子の泣き声が聴こえた。近くの戸建ての子供の声かなとも思ったが、屋内から外に漏れたような声の響き方ではなかったように思えた。
「え~ん……え~ん……ぐすっ……」
間違いなく屋外で泣いている。まさか虐待かと、背筋が寒くなる。サンダルをぱたぱたと打ち鳴らし、私は路地へと駆け寄った。
(……なにあれ。巨大なネコ? それとも……オバケ?)
黒い塊が、丸まって泣いている。まじまじと見つめると、とても幼子には見えない風貌であった。黒毛の身を丸めてはいるが、猫にしては大きすぎる。おまけに金の毛が混じり、さながらバケモノでも見つけてしまったような緊張感に襲われる。
「捕まえたっ」
「──っ!!」
視界に飛び込んできたのは、幼子でも猫でもなかった。幼いどころか、私よりも遥かに背が高い金髪の美しい女性が、首に腕を回し、私の胸に飛び込むように抱きついてきたのだ。黒い毛皮とタイトなドレスを身に纏い、こんな路地には不似合いな佇まいだ。
「ゔっ……な……!」
「美味しそうなニオイ!」
「泣いてたのは……あなた……?」
「うんっ!」
視線を上へ持ち上げると、赤い満月が私たちを見下ろしている。自分の目を疑ったのだが、満月の──時計で言えば3の位置に、黒い両開きの窓がこちらに向かって開いていた。
「黒い窓の噂……!」
「窓?」
「つ……月の、窓」
「アレ、私の寝床」
「うそぉ……」
兎ではなく、まさか金髪美女の寝床だったとは。美女が月からやってくるだなんて、聞いたことがなかった。
──ぐ~っ……。
真っ暗な路地にこだまするのは、腹の虫。お酒は飲まず、食べ物だけを詰め込んだ私は満腹状態なので、これは美女の腹の虫だ。
「え~ん、お腹空いた……」
「あの、もしかしてお腹空いて泣いてたんです?」
「うん……」
「何か食べ物持ってきます」
「お家に連れてってくれないと、ここであなたのこと食べちゃうよ?」
「なんですと?」
長い睫毛のくっついた冷ややかな目元を綻ばせ、ニコっと微笑んだ彼女の口から覗くのは、ぎらりと輝く犬歯。ちろちろと舌を出しながら私の首筋をぺろりと舐める。
「ひっ……噛み殺される……!」
「ハァ……あなた本当にいい匂いがする」
「居酒屋帰りですから……唐揚げとか焼き鳥とか食べたし……」
「そうじゃないよぅ」
またしてもぐぅ、と美女の腹の虫が騒ぐ。ぐったりと動かぬ美女を引き剥がそうと躍起になるが、思いの外彼女は力が強く、引き剥がすことができないのだ。真っ黒なロングドレスの裾が、ひらりひらりとはためくだけで、彼女は私に貼り付いて離れない。
「仕方ない……ラーメン、食べます?」
「ラーメン? 塩味なら食べるけど」
「どうだったかな……確かめないと、覚えてなくて」
戸棚にしまい込んでいる、セールで買い込んだカップラーメンは、果たして塩味だっただろうか。わからないことだらけで危険極まりないのは百も承知だが、脅されてしまっては美女を家に連れ帰るしか選択肢がないようで、仕方無しに自宅へと足を向けた。
カンカンと外階段を上がって行くが、本当に邪魔な美女だ……歩きにくいったらない。やっとのことで二階の自宅に辿り着き、解錠。扉を閉め、施錠。靴を脱ぎ、二人揃って転げ込むように廊下に倒れ込んだ。
「そうそう、わたくし、吸血鬼なんだぁ」
「へ!?」
起き上がろうと、肘をついたところで、唐突に美女が告白をした。そういえば、月の窓からやってくるのは吸血鬼、という噂であった。彼女本人が吸血鬼と名乗らないものだから、安心してしまっていた自分の愚かさに呆れてしまった。
「ぐすっ……わたくし、本当に、本当にお腹が空いてるの。少しでいいから、血を分けてほしいの」
「少しって……どのくらい? 100ccくらいですか?」
「うーん、500ccは飲みたいかなあ」
「死んじゃう! 私貧血持ちだから死んじゃう!」
──かぷり、と。抵抗虚しく首筋に触れる牙。仰向けの私の体に、覆いかぶさる飢えた吸血鬼。
「う……あっ……あぁっ……」
「少しだけ、少しだけ。大丈夫、500ccじゃ死なないよ」
「ご……50ccで……!」
「えぇ~……」
「と……とりあえず50ccで」
「むりっ! 500!」
歯が突き立てられているというのに、痛みはない。痛みはないのだが、これは──この感覚は……。
(か……快感なの……?)
ふわふわと心地の良い感覚に、持ち上がりかけていた頭が、がくりと崩れ落ちる。彼女との接触の衝撃で乾いた口は、ぱくぱくと何度も空気を喰んだ。美女に横抱きにされ、たどり着いたベッドにゆるりと降ろされ、またしても私に覆いかぶさる美女。
「足りないんだけど、これ以上飲んだらあなた死んじゃいそうね」
「せ……せめて鉄分サプリメントを」
「どーれ?」
「あれ」
「わかんない~」
人差し指の差す先にある、白いパウチなど視界に入らないのか、吸血鬼美女は私の首筋をぺろぺろと名残惜しそうに舐め続けた。
「あなた、本当に美味しい」
「喜んでいいのかわからないんですけど」
「名前教えて? 美味しい子は、ちゃんと覚えておくのよ」
「まあや、です」
「マーヤ?」
「違う、まあや」
「マァヤ」
「あなたは?」
「わたくしはジュリス」
じゅるじゅると牙の穴をしつこく舐め、吸い続けるジュリスの唾液が私の首筋を濡らす。くらくらと目眩がするのは貧血のせいか、はたまた彼女に魅せられたせいか。
「マァヤ、血が駄目なら体液でもいい」
「たい……えき?」
「そう。血の成分が多い体液。人間の女の子なら、えーっと、愛液っていうのかな」
「あい……? 愛液!?」
「そ。愛液の主成分は血漿だから。血漿のほうが、わたくしにはご馳走なの」
だめ?と首を傾げるこの美女は、顔立ちと体つきこそ大人の女性そのものだが、この幼さの残る態度や言動は狙っているのか、それとも本性なのか。どちらにしても、魅せられていることに変わりはなかった。
「男の子だったらね、交わってしまえば搾り取れるんだけど」
「言い方怖い……」
「女の子はね、ズッ──ってして、ぐちょぐちょってして、ちゅうちゅうしないと駄目なのよ。長い間ずーっとそうしてきたから」
「長い間って……あなたおいくつですか!?」
「んんっと、四百歳くらい。ねえ、いいでしょ?」
ちゅ、ちゅ、と頬に押し当てられる唇、それにほっそりとした指は私の腹を這い、胸に触れる。判断力が徐々に奪われてゆく、彼女の魅力。
(これ……吸血鬼の特性かなにか……?)
「ねえ、マァヤ、いいでしょ、だめ?」
「まだ洗ってないし汚いよ……」
「大丈夫大丈夫!」
「私……何年もしてないから、濡れるかどうかわかんないし」
「大丈夫大丈夫! ぐっちょぐちょにしてあげるよ」
「ちょっ……!」
ス──とズボンと下着が引き下ろされ、そこで初めて自分の下半身が濡れていることに気が付く。伸びてきた細い舌が、私の秘部をちろちろと舐め回す。
「んっ! マァヤ! すご~い! すっごく美味しい! これはレアな味だよ! もっと飲みたくなっちゃう……」
潤んだ赤い瞳が、あてられたように恍惚に歪む。ジュリスは興奮でもして息が上がっているのか、ハァハァと生温かい吐息が、私の秘部を刺激する。
「ハァッ……指入れて、弄くるよ。もっと出してね?」
「あッあッあッ……ちょっと……!」
断りもなしに、彼女の指が一本二本と膣に挿し込まれる。くるくると掻き回したかと思えば、激しく抜き挿しされ、ひたひたと愛液が滴る。
「あ……ぁ゙……ぁ゙……」
「もう一回ちゅうちゅうする」
「ああぁッ!」
「はぁ~……もう一回……」
「えっ、あッ……あああッ! あッ!」
「マァヤ……濡れないかもって心配してたけど、めちゃくちゃ濡れてるから問題ないね!」
ぐい、と両足を押し広げられ、抑え込まれる両腿。開いた股の先には、夢中で私を吸い続けるジュリスの姿。目が合うとウインクが飛んできた。この吸血鬼、余裕綽々である。
「ああッ! あッ! あんッ! 激し……あ、うッ……!」
「激しいと、いっぱい出てくるでしょ?」
「それ、は、あッ! ああッ!」
「マァヤ、もしかしてまだ出るのかな」
「や……やだ、ちょっと待って! 待って! あああああッ! あッ! あッ! イ……ク、イクッ……!!」
びくん、と跳ね上がる下肢。浮遊感にぐったりとしているというのに、ジュリスはお構いなしに溢れたものを吸い上げてゆく。
「あぅ……う、う……ハァッ……あ……美味しかった……!」
蕩けるようなジュリスの顔に、思わずどきりと胸が跳ねる。吸い尽くした彼女もまた、頬を赤らめ顔を歪ませる。
「ふふ、おそろいだね」
「どういう……こと?」
「自分で考えてみて? あーあ、わたくしもびっしょびしょ……」
黒いドレスの裾を捲り上げ、するすると下ろされたショーツとジュリスの身体との間には、つつつ、と透明の糸が滴る。幼子のようにつるりとしたそこには陰毛がなく、大事な部分まで全てが丸見えで……自分以外の女性の……こんな部分を見たのは初めてのことで、不思議と全身がどくどくと熱くなってゆく。
「マァヤ、シャワー使ってもいい?」
「いいけど……待って、ちょっといい?」
「へぁっ!?」
惹きつけられ、堪らず吸い付いてしまった。尻餅をついたジュリスのドレスをぐいと押し上げて足を広げ、自分の下半身を重ねて絡ませる。
「マ……ァヤ? どうしたの?」
「ジュリス……さんは、女の子とセックスしたことある?」
「……そういえばないかも。忘れているだけかもしれないけど」
「してみる? 私も、大した知識はないんだけど」
「えっ……あ……マァヤ?」
互いの足が交差するように密着すると、陰核同士がぴたりと触れ合った。腰を揺すると、二つの貝がねっとりと絡まり合う。
「ま゙っ……ま゙っで、マ゙ァヤ、き……きもちい゙い゙ッ、これ……!」
「うん……ほんとに……」
「ゔッゔッゔッあッあッあッ!」
突き上げた顎先しか見えないせいで、ジュリスの表情を見つめることができないのが歯痒い。彼女のほうが背も高いので、どう足掻いても拝めないのだ。
「胸とか……触っても……?」
「胸は……だめだよっ!」
「わ、ジュリス可愛い顔してる」
抵抗しようと顎を引き、私を弱々しく睨んだジュリスの、ドレスの胸元をするりと引き下げる。露わになった乳輪を舌先でくるりと舐め、乳首を優しく喰んだ。
「そこ……だめなの……!」
「駄目なの?」
「だッ……め……あッあッうぁッ……きもちいいからだめなのおッ……!」
「待って、可愛すぎる……」
遂には涙目になるジュリスの、形の良い唇をそっと塞ぐ。女の子の──吸血鬼だけれど──の唇を吸うのは初めてのことだったが、ふわふわと柔らかく、涙の味がした。下肢は交わったまま、指先で両胸を弄くり回すと、ジュリスの泣き声が次第に大きくなっていった。
「ん~~ッ! んっ! んぁッ!!」
「えっ、まさかイったの?」
ひいひいと泣き続けるジュリスは、何も答えてはくれぬようで。その代わり、かくかくと震える下肢が全てをものがたっているようであった。
「マァヤ、なんでっ、わたくしがっ、食べるのにっ、こんなのっ、吸血鬼の恥っ! 末代までの恥っ!」
「すみません……美味しそうで、つい好奇心が勝ってしまって」
「責任っ、取ってよ!」
「せ……責任?」
乱れた姿の吸血鬼は、つらつらと涙を流し、頬を膨らませながらシーツを握りしめる。年上だと言うのに、なんと可愛らしい仕草だろうか。
「とりあえず、わたくし、しばらくここに住まわせてもらうっ。月が赤くならないと帰れないし、今日は帰る気もないし!」
「帰る気ないの……?」
「あとあとっ! 時々塩ラーメンを献上すること! 勿論、マァヤの血も……身体もね」
「わたし、塩ラーメンと同等なの……?」
「守れないなら噛み殺しちゃうかも」
「噛み殺されるのは嫌だよ」
腹の膨れた吸血鬼は、涙を拭うと犬歯を剥き出しにしてにんまりと笑う。ころころと表情の変わるこの吸血鬼に暫く依存されるのも……悪くないかもしれない。
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