荒廃世界の生活

AKA

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第一話

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ある荒廃した都市に少年少女たちがいた。
「ねぇ、はる、そっちに食料あった?」
「う~ん、ないかな。そっちはあった?」
「どっちだと思う」
「あやがそういうこと言う時は、大抵ある時なんだよな。あと声が浮かれてるからな」
そう言うと、あやはうぐっ、というような顔をした。
「流石に鋭いね。正解はありました」
「おぉ、やったな。今日は少し豪勢にいけるな」
「そうだね、今日は豪勢だよ。それはなんとカップラーメンを見つけてしまったからね」
「えっ、嘘でしょ」
「嘘じゃないよ。ほらこれ見て」
「うわっ、ほんとだ。やったな、あや」
「ふっふっふっ、敬いなさい」
「ワーアヤサマ、サスガデス」
「しっかり言うってよ」
「まぁ、そんなことより家に戻るぞ」
「ちょっと、そんなことって、あっちょっと待って、待ってってば」
そう叫びながらあやは追ってくる。
俺たちは家に向かった。

家に着くと、俺は戦利品の整理を始めた。今日はいろいろなものを集めることができた。缶詰やあやが見つけてくれたカップラーメン、日用品なども少し手に入れることができた。
俺が整理している傍らであやはゴロゴロしている。
「ちょっとあや、少しくらいは手伝ってくれよ」
「今日の活躍者にそんなこと言っていいの」
「今日のって言うけどさ。昨日も一昨日も、俺が整理してるんだけど」
「まぁまぁ、細かいことを気にしちゃダメだよ」
「細かいことねぇ、俺ずっと探索から帰ってきたら整理をずっとしてるんだけどなぁ」
「あれっ、そうだっけ」
「そうだよ。整理して使いやすくしようって言ったのはあやなんだけどね」
「そんな昔の話オボエテナイナ」
「そうやって、すぐはぐらかす」
「実ははるが毎回整理してくれるからいいかなって思ってた。ごめん」
両手を合わせて白状してきた。
「もういいよ、今から手伝ってグチャグチャにされるのも困るから」
「それは失礼だよ」
「じゃあ、聞くけどものがどこに置いてあったりするか分かるのか」
「食料は戸棚のところであとは……」
「であとは?」
「分かりません」
「だよな。日用品とかが切れたら俺に真っ先に言うもんな」
「確かにそうかもね」
あやは目を逸らした。
「じゃあ、代わりに仕事をあげます。お湯を沸かしてくること」
「えぇ~、それくらいならはるがちゃちゃっとやってよ」
そう言って、床でだらけているあやに俺は強行手段を取る。それはこちょこちょだ。あやはこちょこちょがよく効く。
「そんなこと言う悪い子には罰を与えよう。それっ」
そして、俺はこちょこちょをした。あやは「やめて」と言いながら悶えている。
「わかった、わかったから、やるからやめてぇ」
「ほんとにやるんだな」
あやは息を整えて
「やるから、こちょこちょだけは勘弁して」
「それならいいだろう」
あやは立ち上がり、やかんに水を入れコンロで水を沸かし始めた。
「もうはるってば、あんな強引な手を使わなくてもいいのに」
「でもああでもしないとあやは行動しないだろう」
「ま、まぁそうだけどさ。それにしてもやりすぎだよ。次はやめてよ」
「それはあやが言うこと聞いてくれたらかな。また、こんな感じの時はこの手を使ってもいいかもね」
「もうはる~」
っと言って追いかけてくる。すかさず俺は逃げ回る。
そうしているとやかんの甲高い音が聞こえる。
「ほら、あや、お湯沸いてるよ。早くコンロ止めないと」
「分かってるよ。でも、その前にはるを捕まえてから」
そう言って飛びかかってくる。俺は覆い被さってくるあやを避け切れずに倒れ込んだ。
「ちょっと重いんだけど」
「はる、重いとはなによ。まったく」
そう言ってジタバタと暴れる。
「ちょっと待て、暴れるな」
「もう2度と、私のこと重いなんて言わないでよね」
「分かったから、早く退いてほしいんだけど」
「ほんとに分かったのか。あやしいなぁ」
「ほんとだって、早く退いてよ」
「ほんとだね」
「ほんとほんと、だから早く退いてほしいな」
「次、言ったらただじゃ置かないからね」
あやが退く。
ふう、助かった。あれ以上やられたら厳しかった。
そう思ってると、やかんから水が溢れ出す。俺とあやは慌てて火を消す。
「もうあやが早く止めないから溢れちゃったじゃん」
「えぇ、そう言うはるが早く捕まってくれればこんなことにはならなかったんだけどな」
「それを言うなら、あやこそ追いかけてこなかったら、こうはならなかったと思うんだけど」
「むぅ~」
「むぅ~」
とお互い睨み合う。
そして、お互いに笑いが出てしまった。
「これじゃあ、どっちもどっちじゃない」
「そうだな。俺も悪かったよ」
「こっちこそごめん」
「じゃあ、落ち着いたことだし、夕ご飯にでもするか」
「そうしよ、そうしよう。ちょうどお腹が減ってたんだよね」
「調子いいな。まったくもう、カップ麺何の味にする?」
「そうだねぁ。シーフード味にしようかな」
「おーけー、シーフードね。俺はどうしようかな。味噌味のカップ麺にするかな」
「へぇ~、味噌味まだあったんだ」
「あやは整理してないから、知らなかっただろうけど実は一つだけあったんだよなぁ」
「はるばっかずるい」
「あやが手伝いしてたら分かってたんだろうな」
あやがむっとした表情で
「じゃあ、私に一口頂戴」
「なんでだよ」
「一つしかないんでしょ。じゃあ、分けてもらうしかないじゃないか」
「まぁ、一つしかないから、そうはなるんだろうけど」
「じゃあ、決まりね。私のもあげるから、それでいいでしょう」
「分かったよ。今,カップ麺にお湯を注いで持ってくるよ」
「よろしくね、はる」
俺は台所に向かい、カップ麺を準備し、お湯を注ぐ。そして、それをあやが待っているテーブルの元へと持っていく。
「はいよ、持ってきたぞ」
「キタキタ、これあと何分」
「えと、あやのは3分だから。あと大体2分ぐらい待てばいいんじゃないかな」
「おぉ、それではるのは」
「あと3分くらいかな」
「おっ、結構長いね」
「まぁ、そうだね」
「私の方が早く食べられるってわけか」
何を誇っているんだ。
「そんなこと言ってると分けてやらないからな」
「ちょっとちょっと、それはないって」
「だってちょっと偉そうだったから」
「偉そうだったって何よ。まったくどこが偉そうなのかよくわからないな」
「えぇ、そうなの。わからないかそうかそうか」
「なんかちょっとイラッとする言い方だなぁ」
「珍しくはるがイラッとしてる?」
「いや全然そんなことないけど」
「うっそだぁ」
「嘘じゃないし、そうだもうそろそろ、2分経ったんじゃないかな」
「えっ、そう。じゃあ、もう食べようかな」
「うん、食べたら食べたら」
誤魔化された気がするけど、まぁいいか。
俺は蓋を開けて、食べようとすると、
「ちょっと、待って」
「なんだよ」
「私の分もらってないんだけど」
「あぁ、そんなことも言ってたな」
「だから、頂戴」
「そうは言うけどな、あやのカップ麺残ってるのか」
「多分、3分の1くらいはあるかな」
「そのくらいあるなら、いいか」
「じゃあ、早速もらうね」
「ちょっと待てって小皿持ってくるから」
と言っている俺の言葉も聞かずに、あやは箸を伸ばし、俺のカップ麺から麺を取って頬張った。
あやは口の中が空っぽになると
「えっ、こっちの方が早いじゃん。それに水の節約にもなるじゃん」
「確かにそうだけど、じゃあ、あやのももらうからな」
「私が言い出したことだしね。どうぞどうぞ」
あやは自分のカップ麺を差し出す。
俺は少し麺をもらって食べた。
「シーフードもやっぱおいしいな」
「だよねぇ~、でもこればっかり食べると飽きるけど」
「それは他のやつでも同じじゃないか」
「そうだけどさ、今あるカップ麺って何味が多い?」
「シーフードが断然多いね」
「やっぱり、回収してるときやたらにシーフードばっか多かったからね」
「案外、見てたんだな」
「一応ね。最初の頃に調子に乗って食べなきゃよかったなぁ」
「今更、言ってもね。あやが適当に食べちゃったから、しょうがないよ」
「ふ~ん、そう言うはるだって好きなやつばっか食べてたような」
「うっ、うるさいなぁ。そんなこと言うなら明日のお風呂の水汲みやってもらうからな」
「えっ、それは酷すぎでしょ」
「そうかな、前にあやがどこかに行っていない間、1人でやったことあるんだけど」
「えっと……その時はごめん、許してください」
「まぁ、いいだろう」
「そして、明日の手伝ってください」
「よかろう」
そんな会話をして耐え切れず二人で笑ってしまった。
「はるってば、よかろうってなに、おかしい」
「そっちだって、急に真剣な顔して謝ってきておかしかったって」
「そうかな」
「そうだって」
「まったくあの返し方予想がつかないよ。やっぱ、はるっておかしくて、おもしろい」
「それって、ほめてる?」
「ほめてるよ」
「ほめてるならいいけど。さて、食べ終わったし片付けるか」
「片付けよう」
カップ麺の容器を持って、汁を台所のバケツに捨て、容器をゴミ袋に捨てた。
「ねぇ、この後どうする?」
「どうするってなにもやることないから、寝るくらいだけど」
「えぇ、つまらないなぁ」
「でも、寝といた方がいいと思うけどな。明日はお風呂の水汲みなんだからどっと疲れるぞ」
「そうだね、おとなしく寝るか」
「そうそう、寝てなくて力でないとか言うのが目に見えるからな」
「あぁ、聞こえない。早く寝ましょう」
「そうだな。それじゃあ、電気消すよ」
「いいよ」
返事を聞き、電気を消して、布団に入った。
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