荒廃世界の生活

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第二話①

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すずめの鳴く声が聞こえ、目覚めた。
「朝か」
俺は洗面所に行き、水で顔を洗い、朝のご飯について考える。
昨日の夜はカップ麺だったし、朝もカップ麺はあれだよな。普通に缶詰をおかずにご飯を食べるか。
朝のメニューが決まり、俺は準備をする。まず、缶詰が入っている棚から缶詰を選ぶ。まぁ、無難にサバ缶あたりでいいか。次に湯煎でレトルトご飯を温める。そして、そこらへんで寝てるあやを叩き起こす。
「あや、早く起きろ」
「イタッ、なに」
「もう朝だから、いい加減起きろ」
「えぇ~、もっと寝てたい。あともう少しだけ、だから布団返して」
「あと少しって何分かな」
「えぇと、3時間くらい」
「無理だな」
「私の布団返して」
「そんなこと言ってないで、早く顔洗ってきたら」
「分かったよ、少しくらいいいと思うんだけどな」
「前にそんなこと言って、本当に何時間か眠ってたじゃん」
「あれ、そうだっけ」
「そうだよ。早く顔洗ってきたら」
「はいはい、洗ってくるよ」
「あっ、あと朝ごはんは缶詰と普通のご飯だから」
「なんの缶詰?」
「サバ缶かな」
「えぇ、サバ缶。もっと豪華なやつにしようよ」
「豪華なやつってなんだよ」
「ん~そうだなぁ。じゃあ一番美味しそうで、高そうなやつ」
「なんだ、そのめんどくさい要望は」
「豪華といえばこんな感じじゃない。知らないけど」
「知らないのかよ」
「じゃ、よろしくね」
面倒なことになってしまった。一番美味しそうはある程度大丈夫だろうけど、高そうはわからないな。
とりあえず、美味しそうな缶詰であればいいか。
何かないか探していると、ある缶詰に目がついた。これしかないと思ってそれを選んだ。
「ねぇ、はる、この冷たいのなんとかならない」
「お湯にするとめんどくさいくて手間だから、いやだ」
「冷たすぎてなかなかあらえないよ」
「そう言われてもなぁ。でも、目は冴えるだろ」
「それはそうだけど」
「じゃあ、これにて解決」
「解決してないけどな」
「まぁまぁ、ご飯にしようぜ」
「少しくらいお湯は考えててよ」
「アーカンガエテオク」
「絶対考えないやつでしょ。まったく」
「まぁ、とりあえず朝ごはんにしようか」
そう言い、俺はご飯を並べていく。
「それで缶詰はなににしたの」
「聞いて驚くなよ。要望を聞いて合ったやつがあったからそれを選んだよ。その名は牛肉の缶詰だ」
「おぉ、そんなのどこにあったの」
「探したらなんかあったんだよね。いやぁ、条件に合ったやつがあってよかった」
「なんかあったって、いつ見つけたんだろう」
「いつだろう、全然覚えてないなぁ」
「まぁ、いいか。美味しいもの食べられるなら」
「そういうことでいいでしょ」
「じゃあ、食べよう」
「一番にいただき」
そう言って一番に缶詰から肉を取って食べた。
「ちょっと、ずるい。抜け駆けするなんて、もう」
「めちゃめちゃ、おいしい」
「それは見た目から分かるよ」
「はやく食べてみ。めちゃめちゃおいしいぜ」
「全然、話を聞かないな。食べるから」
あやが食べるとすぐに
「ほっぺが落ちるほど、美味しいんだけど」
「だろう、他にも缶詰調べてみようかな」
「はる、頼んだよ」
「いや、あやはやらないのかよ」
「私は食べるのが専門だからね。そういう作業ははるの役割だよ」
「なんでだよ。手伝わなかったら、食べさせないからな」
「いつも食べる時は一緒だから大丈夫なんだよね」
「そんな風に考えてるんだ。じゃあ、一人でこっそり食べとくわ」
「なんで、じゃあ手伝うから、食べさせてよ」
「分かったって、手伝うなら食べさせてあげようじゃないか」
「上から目線なのが気になるけどしょうがないな」
「別に上から目線で言ってなかったと思うけど」
「そうかな」
そんな会話を繰り広げた。
「よし、食べ終わったな」
「まぁ、食べ終わったね」
「次はお風呂の水汲みだな」
「えぇ~、もうちょっとあとから始めてもいいんじゃないかな」
「そう言って始められない気がするんだけど気のせいかな」
「気のせいだよ」
「その調子は気のせいじゃないな。ほら、早く始めるぞ」
「ご飯食べたばかりじゃん。もうちょっと休ませてよ」
「じゃあ、片付けて準備するまでの間だけ休んでろよ」
「えっ、そう。やったぁ」
「じゃあ、片付けしてくるからな」
「あっ、うん、がんばってね」
あやのやつ、はなからこれを期待してたんじゃないだろうな。
まったく、仕方ないやつだな。
そうして片付けと準備を終えて、あやを呼びに行った
「おーい、あや、準備終わったぞ」
そう呼んでも、全然来ない。
さてはあやのやつ、このまま来ないつもりだな。そう思い、家の中に入り、呼びにいく。
「あや、水汲みに行かないなんて、そうはさせないからな。早く出てこい」
そう言って部屋を見てみると、そこには眠っているあやの姿があった。
「おい、起きろ。早く行かないと日が暮れるぞ」
「……」
「起きろって」
あやの体をゆすってみても、起きる気配がない。
「いい加減起きないと、こちょこちょするぞ」
「……」
「いいんだな。ほんとにやるから」
返事がないので、俺はこちょこちょをした。
「あひゃ、ちょっ、ちょっとやめて」
「行くまでやめないけど」
「行く、行くからやめて」
「ほんとに」
「ほんとに行くからやめて、やめてよ~」
「行くならやめよう」
あやは息が上がっている。
「じゃあ、早く来いよ」
「わ、分かったよ」
「外で待ってるな、ちゃんと来いよ」
「分かったよ」
そう言い外に出て、あやを待つ。
「まったく、少しくらい寝ててもいいと思うんだけどなぁ」
「あやの少しは、普通の少しじゃないからなぁ」
「普通だよ」
「それは嘘だな」
「もう、嘘扱いしないでよ」
「そんなことは置いといて、早く行くか」
「ちょっと待ってよ、置いていかないで」
そう言い河川に向かった。
「よし、着いたな。早速汲むぞ」
「気が乗らないなぁ」
「早く汲み終われば、その分だけ早く風呂に入れるから」
「えっ、ほんとに」
「ほんとだよ」
「じゃあ、頑張る」
なんだか、やる気になったようでよかった。
バケツに水を汲んだ。
「ねぇ、これいつもながら運ぶの大変そうなんだけど」
「いつもやってるなら、分かるだろ。大変そうじゃなくて大変なんだが」
「うへぇ~、やだな」
「そんなこと言ってらんないよ。これ何往復かするんだから」
「そういえばそうでした。私だけこれだけで終わりとかには」
「なるわけないだろ」
「ですよねー」
そんな感じで何往復かした。
「これってあとどのくらいすればいいの」
「風呂の水を見てみた感じこれで終わりだな」
「ほんと、じゃあこの水、頑張って運ばないと」
「がんばれがんばれ」
「はる、ちゃんと運んでよ」
「分かってるよ」
このあと会話しながら水を運んでいたが、途中で雨が降ってきた。
「うわっ、雨が降ってきた。早く運ぶぞ」
「早く運ぶって言っても、それができてたらもっと早く終わってると思うんだけど」
「それはそうだな」
俺は笑った」
「笑い事じゃないでしょ」
「このままだとずぶ濡れになるでしょ」
「それもいいんじゃないかなってなんか分からないけど思ってるんだ」
「雨に濡れて、ほんとにおかしくなった」
「なってねぇよ。なんか雨の濡れて運ぶなんてことなかったから、舞い上がってるのかもな」
「そう言われると、ちょっと楽しそうね」
「だろ。こうなれば競争だ」
「こんな時に競争!?」
「楽しそうって言ったじゃないか。だから、競争だ。負けた方は後から風呂に入るってことで、よーい、スタート!」
「ちょっ、ちょっと待って、そこのバカはる待て~」
こうして始まった競争は俺が勝った。
「よし、勝ったぜ」
そして、少し遅れてあやが来た。
「案外、時間かかったな」
「まったく、力の差を考えてくれないと」
「ごめんごめん、じゃあ、風呂にでも入るか」
「負けたから後からか」
「んっ、なに言ってんだ。あやも入るんだけど」
「えっ、あれは早く運ばせるためでもあるからな。あと楽しそうってのもあったけど」
「いやでも」
「まぁ、いいからいいから。早く風呂に水入れて、お湯沸かそうぜ」
「えっ、ちょっと」
そう言って俺は水を入れて、スイッチを押した。
「このままだと風邪引きそうだし服を脱ごうぜ」
俺は服を脱いだ。
「あや、どうしたんだ。早く脱がないと風邪引くぞ」
「そうだけど、ほんとに一緒に入るの?」
「なんか問題があるのか。少しせまくなるかもしれないけど、大丈夫だと思うぜ」
「こっちには問題があるの」
「なんの問題があるんだよ」
隙をついて俺は服を脱がせた。
「きゃっ」
「えっ、なんでそんな下着を……まさか、女子だったのか」
「そうだけど、なんか問題ある」
ギロっと睨みつけるような目で見てくる。
「いや、ええと、問題があるのは俺の方でした」
「そうでしょうね。そんなことより後ろ向いてて」
「わっ、分かった」
俺はまさか女子だとは思っていなかったから、驚いた。体が熱くなってきた。
そして、後ろからは物音がする。
物音がしなくなると、
「こっちを向いても、大丈夫」
そんなあやの声が聞こえ、振り向くとタオルを巻いた姿のあやがいた。
「えっ、タオル!?」
「とっ、当然でしょ」
「いや、一緒に入ることに驚いて」
「だって、はるがそう言ったんでしょ」
「そうだけどさ」
「まさか、脱がせといて、なしでしたみたいなのはなしだから。ここまでやったなら一緒に風呂に入るからね」
なにも言い返せない。
「分かったよ」
「じゃあ、早く脱がないとね」
そう言って俺の服を脱がせてきた。
「ちょっ、いきなり脱がせやがって」
「これでおあいこね」
「じゃあ、後ろを向いといてくれよ」
「そうね」
あやが後ろを向くのを確認して、下着を脱いでタオルを巻いた。
「多分、大丈夫だ」
「ほんとに大丈夫?」
「あぁ、大丈夫だ」
その言葉を聞いてあやは振り返る。
「まさか脱がせられるとは思わなかったわ」
「いや、男子っぽかったからさ。つい」
「ついじゃないんだけどね。突然、脱がせられた気持ち分かる」
「さっき、味わったから、分かります」
そんな修羅場みたいなところにお風呂が沸いた音がなった。
「風呂が沸いたな。入ろうぜ」
「そうね、そろそろ寒くなってきたし」
「先にどうぞ」
「当然の扱いね。さすがに察しがいいわね」
「いやぁ、危機察知だけは高いから」
「なんの危機が来てたのか分からないけど、回避したみたいね」
それからは、あやが先に体を洗って、湯船に浸かってとすべてが優先された。
「さっきはごめんな。知らなくて」
「まぁ、いいわよ。知らないと思ってたし」
「それなら教えてくれても」
「教えたらはるは遠慮するでしょ」
「少しはするかもな」
「だからよ。このまま楽しく過ごしたかったから、言わなかったの」
「そうだったのか」
「だから、これからも今までのように生活してよね」
「分かった」
「でも、お風呂の時は絶対に別々ね」
「も、もちろん」
「そろそろ、上がるわ」
「そうか」
「上がるなら、私がいなくなってから上がってよ」
「は、はい分かりました」
「よろしい」
あやは脱衣所の方へと歩いて行った。
俺も上がりたかったが、ここはあやがいなくなるまで待つことにした。
しばらく待っていると、脱衣所から出て行く音が聞こえた。
その音を聞いて、俺は風呂から上がって脱衣所に行き、着替えた。
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