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カムス村編
騎士団の来訪と驚愕
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~~~王国騎士 アル~~~
最近カリア山の魔物が活発だ。
加えて盗賊の件もある。近隣の村は避難していたり冒険者を雇ったりして対策をとっているが、それでも問題が残っている限り不安はぬぐえないだろう。
我々王国騎士小隊がこうしてこの近辺を巡回しているのも、そういった不安から少しでも国民を守るためだ。
ここまでもたびたび魔物と戦闘をしている。今日訪れた我々でさえこの頻度だ。ここに住んでいる方々は、もっと過酷な思いをしているだろう。
だが魔物は多くとも、盗賊の姿は一片たりとも確認できていない。ここまで存在を感じさせないと、もう国外に逃亡してしまった可能性も頭をよぎる。
まぁ現状を考えると、その場合は脅威がひとつ減ったと喜ぶべきだ。盗賊を捕まえることでなく、国民を守ることが第一なのだから。
「今日行く村はバラン殿という退役騎士が警護をしている。到着しだいその方に被害状況を聞こう。」
アルは同僚たちにそう伝える。
今日は以前、自分が単独で行った村へ行く。王都から近い村を順番に回り、最後はこの村だ。この村に1泊して、また今までの村を巡回しなおす。
しばらくして、アルたち騎士は目的地であったカムス村に到着した。
「・・・なんてことだ」
村に入ってすぐに、騎士の誰かが呆然とつぶやいた。
辺りに充満する人と魔物両方の血の臭い、悪意をもって荒らされている家屋、そして恐ろしい程の静寂。
犯人が何だとしても、自分たちが手遅れだったことが明白だった。
胸の内にふつふつと後悔が沸き上がる頃、村の奥から一人の男が出てきた。
仲間の一人が剣を抜こうとしたが、見覚えがあり剣を抜こうとした手を制する。
「キミは・・・」
現れたのは、以前村を訪れた時にバラン殿といた少年だ。
以前は無かった左目の眼帯と、悲しい雰囲気をまとってアルの前に現れたのだった。
~~~~~
「どうぞ。少し狭いかもしれませんが、お好きなところにかけてください。」
邂逅の後、ユウは騎士たちをゼレの家に招いた。
もちろん全員は家に入れなかったので、小隊の中で代表者を5名ほど選定してもらった。以前会ったアルも、代表者の中に混じっている。
ちなみに、村の入り口で待ち構えていたはずのユウが遅れて出てきたのには理由がある。
黒く染まった左目は少しインパクトが強いかと思い、ケガをした時用の眼帯を取りに行っていたのだ。
お茶の用意をしていると、ユウはまだ騎士たちが座っていないことに気づく。
「あれ?なにかありましたか?」
お茶を並べながら、ユウはアルたち騎士に聞いた。
すると5人の騎士たちは、自分に向かって深々と頭を下げた。
「この村を守ることができず・・・申し訳なかった!」
急な出来事に驚いていると、頭を下げながらアルがそう言った。
「・・・頭を上げてください。全て盗賊が悪いんです。皆さんは何も悪くない。」
そういって、ユウは騎士たちに頭を上げてもらった。
「さ、お茶が冷めちゃいます!疲れているでしょうし、座ってゆっくりしてください!」
ユウの対応に騎士たちは驚いていた。
「その、ユウくん・・・だったね。キミは我々になにか思うことは無いのか?」
全員が疑問であろうことを、アルが代表して質問してきた。
正直ユウが騎士たちに言ったことは本音だ。悪いのは盗賊たちだし、今なお迷惑をかけてくるのは魔物だ。
騎士たちのことは全く悪いと思っていない。
まぁ、もし騎士たちの態度が悪かったり、小綺麗な格好で現れたりしていたらまた話は違ったかもしれないが。
強化された目のおかげで、ユウにはアルたち騎士の状態が分かった。
疲労の度合いから見るに、おそらく休憩も最低限以下で巡回をしてきたのだろう。
そんな人達に向ける恨みつらみを、ユウは持ち合わせていなかった。
なにより・・・
「もし生き残ったのが僕じゃない誰かだったとしても、皆さんに文句なんて言わないと思って。」
アルからの質問に頷きながら、ユウはそう答えた。
「そうか・・・。やはり我々は、惜しい方々を守れなかったようだ。」
そう言って騎士たちは胸に手をあて、黙祷の姿勢をとった。
「・・・もー!2度目ですけど、お茶が冷めますから座ってください!」
数秒の黙祷を見守ったあとユウは再度騎士たちに座ることを促し、騎士たちもそれに従う。
そうして家に騎士たちが入って数分、やっと話をする体制が整ったのだった。
「では・・・早速だが質問させて欲しい。この村を襲った盗賊は、やはり国外に向けて逃げていったのかい?」
「それが・・・盗賊は全員倒して、死体も魔物が来ないように燃やしてしまいました。」
「・・・えぇっ!?」
会話はユウの困り顔と、騎士たちの驚愕でスタートした。
最近カリア山の魔物が活発だ。
加えて盗賊の件もある。近隣の村は避難していたり冒険者を雇ったりして対策をとっているが、それでも問題が残っている限り不安はぬぐえないだろう。
我々王国騎士小隊がこうしてこの近辺を巡回しているのも、そういった不安から少しでも国民を守るためだ。
ここまでもたびたび魔物と戦闘をしている。今日訪れた我々でさえこの頻度だ。ここに住んでいる方々は、もっと過酷な思いをしているだろう。
だが魔物は多くとも、盗賊の姿は一片たりとも確認できていない。ここまで存在を感じさせないと、もう国外に逃亡してしまった可能性も頭をよぎる。
まぁ現状を考えると、その場合は脅威がひとつ減ったと喜ぶべきだ。盗賊を捕まえることでなく、国民を守ることが第一なのだから。
「今日行く村はバラン殿という退役騎士が警護をしている。到着しだいその方に被害状況を聞こう。」
アルは同僚たちにそう伝える。
今日は以前、自分が単独で行った村へ行く。王都から近い村を順番に回り、最後はこの村だ。この村に1泊して、また今までの村を巡回しなおす。
しばらくして、アルたち騎士は目的地であったカムス村に到着した。
「・・・なんてことだ」
村に入ってすぐに、騎士の誰かが呆然とつぶやいた。
辺りに充満する人と魔物両方の血の臭い、悪意をもって荒らされている家屋、そして恐ろしい程の静寂。
犯人が何だとしても、自分たちが手遅れだったことが明白だった。
胸の内にふつふつと後悔が沸き上がる頃、村の奥から一人の男が出てきた。
仲間の一人が剣を抜こうとしたが、見覚えがあり剣を抜こうとした手を制する。
「キミは・・・」
現れたのは、以前村を訪れた時にバラン殿といた少年だ。
以前は無かった左目の眼帯と、悲しい雰囲気をまとってアルの前に現れたのだった。
~~~~~
「どうぞ。少し狭いかもしれませんが、お好きなところにかけてください。」
邂逅の後、ユウは騎士たちをゼレの家に招いた。
もちろん全員は家に入れなかったので、小隊の中で代表者を5名ほど選定してもらった。以前会ったアルも、代表者の中に混じっている。
ちなみに、村の入り口で待ち構えていたはずのユウが遅れて出てきたのには理由がある。
黒く染まった左目は少しインパクトが強いかと思い、ケガをした時用の眼帯を取りに行っていたのだ。
お茶の用意をしていると、ユウはまだ騎士たちが座っていないことに気づく。
「あれ?なにかありましたか?」
お茶を並べながら、ユウはアルたち騎士に聞いた。
すると5人の騎士たちは、自分に向かって深々と頭を下げた。
「この村を守ることができず・・・申し訳なかった!」
急な出来事に驚いていると、頭を下げながらアルがそう言った。
「・・・頭を上げてください。全て盗賊が悪いんです。皆さんは何も悪くない。」
そういって、ユウは騎士たちに頭を上げてもらった。
「さ、お茶が冷めちゃいます!疲れているでしょうし、座ってゆっくりしてください!」
ユウの対応に騎士たちは驚いていた。
「その、ユウくん・・・だったね。キミは我々になにか思うことは無いのか?」
全員が疑問であろうことを、アルが代表して質問してきた。
正直ユウが騎士たちに言ったことは本音だ。悪いのは盗賊たちだし、今なお迷惑をかけてくるのは魔物だ。
騎士たちのことは全く悪いと思っていない。
まぁ、もし騎士たちの態度が悪かったり、小綺麗な格好で現れたりしていたらまた話は違ったかもしれないが。
強化された目のおかげで、ユウにはアルたち騎士の状態が分かった。
疲労の度合いから見るに、おそらく休憩も最低限以下で巡回をしてきたのだろう。
そんな人達に向ける恨みつらみを、ユウは持ち合わせていなかった。
なにより・・・
「もし生き残ったのが僕じゃない誰かだったとしても、皆さんに文句なんて言わないと思って。」
アルからの質問に頷きながら、ユウはそう答えた。
「そうか・・・。やはり我々は、惜しい方々を守れなかったようだ。」
そう言って騎士たちは胸に手をあて、黙祷の姿勢をとった。
「・・・もー!2度目ですけど、お茶が冷めますから座ってください!」
数秒の黙祷を見守ったあとユウは再度騎士たちに座ることを促し、騎士たちもそれに従う。
そうして家に騎士たちが入って数分、やっと話をする体制が整ったのだった。
「では・・・早速だが質問させて欲しい。この村を襲った盗賊は、やはり国外に向けて逃げていったのかい?」
「それが・・・盗賊は全員倒して、死体も魔物が来ないように燃やしてしまいました。」
「・・・えぇっ!?」
会話はユウの困り顔と、騎士たちの驚愕でスタートした。
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