歪な戦士の異世界転生録 〜授かった【変換】スキルが尖り過ぎてて異常な性能を得る〜

チャド丸

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真の勇者編

病弱ないとこ

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ズバッ!ザシュッ!
ユウとパルファはナイフを受け取った日にディガイアを出発した。
1日野営を挟み、王都へは今日到着するだろう。
そんな2人は今、ホブゴブリンの群れを相手に立ち回っていた。

勇者パルファは、【純白】スキルがレベルアップしたことにより、全体的な戦闘能力が向上した。
さらにハイドとの戦いで見せた光る姿になることによって、更なる能力向上に加えて味方にバフ、相手にデバフをかけられる。

一方、ユウも素で強度AAの超強力な冒険者だ。
発光状態のパルファと同じレベルの速さに、化け物じみた怪力、さらに圧倒的視力による反射や戦闘感覚。
それだけでも脅威なのだが、今のユウは2日前ののユウよりも戦闘スタイルの幅が大きく広がっていた。

新調したナイフにより打撃と斬撃、さらには投げ技や絞め技を、ノーモーションで展開できるようになったのだ。
ホブゴブリンたちが喧嘩を売る相手を間違えたと気づくのは、すぐの事だった。

~~~~~

「あれから初戦闘だけど、使い心地はどうかしら?」
ホブゴブリンの死体を処理しながら、パルファがユウに聞く。
「見てのとおり、いい感じだよ。どんな動きにも合うからね」
ユウも上機嫌でそう言う。

「それならよかったわ。あと気になるのは、使ってみて分かると言っていた効果ね」
処理が終わったパルファが、立ち上がって言う。
そう。肝心の【自由】という効果について、まだ把握出来ていないのだ。

こんな業物を作成したゲノムのことだ。効果はあるのは間違いない。それでも、未だにユウはその効果を実感できずにいた。
「・・・まぁ、そのうち分かるさ。行こう」
考え込んでも仕方ない。そうしてユウとパルファは王都への帰路を再び歩み始めた。

しばらく進むと、ユウの目に1台の馬車が映った。
そして魔物と交戦中らしい。護衛らしき兵達が、魔物と戦っていた。
見た感じおそらく問題ないだろうが、もちろんユウ達は助けに入る。

ユウは先行して魔物たちに突っ込み、圧倒的な膂力を持ってして魔物を切り伏せ叩き潰す。
パルファも少し遅れて登場し、魔物を数体倒したところで何かに気づいた。
「えっ!?まさか・・・」

そう言ってパルファは剣をしまい、馬車へと近づいていく。
(ん?どうしたんだろう)
ユウはそれを横目で見つつ、残りの魔物たちを片付ける。ユウの強さを目の前に安心したのか、護衛の兵士たちも武器をしまってパルファに声をかけていた。

「パルファ様!お久しぶりです!」
「やはりパルファ様でしたな。ということは彼の者がパートナーの・・・」
「おぉ、勇者様に相応しき強さと勇猛さを持っておられる」
そうして兵士たちがパルファやユウに対する言葉を述べていると、馬車の扉が開き1人の女性が降りてきた。

細身で弱々しく、病弱そうなその女性はパルファと同じ綺麗な黒髪をしている。
いやむしろ黒髪だけでなく、どことなくパルファに顔立ちも似ている。
その女性に対してパルファは驚きつつ声をかけた。

「やっぱり!メリィじゃない!どうしたのこんなところで」
「ゴホッゴホッ・・・久しぶり、パルファ」
後に知る勇者の双子の兄、アランの娘メリィとの出会いだった。

~~~~~

2人は・・・いや3人は今、馬車に揺られている。
どうやら助けた馬車は、偶然パルファのいとこのものだったらしく、一緒に乗っていくことを提案されたのだ。
(しかしまさか、ジィファさんに双子のお兄さんがいたなんて・・・)

ジィファさんと双子の兄アランさんは、今のパルファとユウのように一緒に行動をしていたらしい。
双子の兄弟でありパートナー。さらにどちらも勇者の血筋で強力なユニークスキル持ち。
2人のパーティ【希望の光】は、歴代最強と噂されていたそうだ。

そのアランさんの娘が、今目の前でパルファとお喋りをしているメリィだ。
生まれつき身体が弱く遠出ができないため、アランさんが持つ領土から出たことがないそうだ。
だからパルファは、さきほどメリィがいたことにとても驚いたらしい。

だが歳を重ねて、最近ついに遠出できるくらいに身体の調子が良くなったそうだ。
もうすぐ王国の建国記念式典があるため、それに参加すべく王都へと向かっていたらしい。
(それにしても、やっぱり似ているなぁ)

母親こそ違うものの、パルファとメリィは結構似ている。鼻の高さや目の大きさなど。
違うとしたら、今までの生活の差による肉付きや表情だろうか、
パルファは健康的な肉付きで表情も凛としているが、メリィは触ったら壊れてしまいそうなほど華奢で、困り眉など弱気な雰囲気を感じさせる顔立ちをしている。

2人の顔を見ていると、パルファがそれに気づいて慌てた。
「あっ・・・ごめんなさい、放ったらかしにしていたわね」
そう言って、パルファはユウの方に手をやり隣のメリィに向かって話す。
「彼はユウ、私のパートナーとして行動して貰っているの。こっちはメリィ、聞いていたと思うけど、私のいとこよ」

「初めまして、ユウです。よろしくお願いします」
「メリィです・・・あの、よろしく、お願いします」
出会ってから数分が経ち、ようやくの自己紹介を済ませたのだった。
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