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戦争勃発
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「なに!? アレンが誘拐されただと!」
「はい。恐らく魔王様の元息子の仕業でしょう」
ゴブくんは頭を下げながら魔王にそう口にした。
ゴブはゴブなりに的確な判断をしたつもりだ。
あそこでゴブくんが無理矢理にでもアレンを助けようとしたところで無下に自分の命を扱うだけ。それはアレンが絶対に喜ばないことである。
ならば、すぐにでも魔王に伝えるべき。そう考えたのだ。
魔王はそのゴブくんの言葉を聞いて一瞬で表情を変える。
「…………ちッ! サルバディの企みか」
「いかがなさいますか?」
「俺が一人で出向いてさっさ助けてくる! クソっ! よりによってなんでアレンなんだ!」
魔王はいつになく雰囲気に殺気を漂わせている。
それはアレンの父としての雰囲気ではない。残虐の魔王としての雰囲気だった。
その一歩動いただけでも自分の命が刈り取られるような空気にゴブくんは冷や汗を流す。
それは魔王も同じようで心の内で炎々と燃やしている憤りと、
「もし、魔獣たちにバレたりでもしたら世界が――」
バタッ!
「……………………今どこからか音しかなったか?」
「はい…………僕も聞こえました」
魔王の言葉を遮るように何かがぶつかったような音が鳴った。
二人はゆっくりと音が鳴った後方へと振り向く。
すると、
「……………………あ」
「「…………あ」」
そこには窓にべったりとへばりついた紫電鳥がいた。
紫電鳥の息で窓は白く曇っている。
その様子にお互い、口を開けてしまった。
その紫電鳥はまるでこの会話を聞こうとしているようで…………
「…………ラーク様ぁ!」
「「待て待て待てぇ!」」
逃げるように飛び去って行く紫電鳥を二人は大声を出しながら追いかけようとする。
しかし、あんな小さな小窓から出られるわけもない。
入ることが出来て鳥が一体分の小さな窓なのだから。
二人は窓の前までたどり着き、その場で呆然としてしまう。
そして、二人は顔を見合わせてゆっくりと暗黙の頷きをした。
((うん。終わったね))
二人はゆっくりと自室へ現実を逃避するように帰ったのだった。
********************
ランドロフはアレンを抱えたまま少し複雑の心境で帰ってきた。
「お帰りなさい。ランドロフ。最後のディルガイナの観光はどうだった?」
「ほんとに期待ハズレでしたね。ほぼ魔王軍は二段階者。それに比べ僕たちに味方してくれている魔獣軍は全員三段階者。舐めてるのかって話ですよ」
ランドロフは苦笑いしながら右手で抱えている魔族をサルバディの目の前に置く。
その子供を見て、当然サルバディは目を見開いた。
「拾ってきたんですよ…………まぁ万が一が何かあったとしても竜神族の変わりの人質として使いましょう」
「こんな一般人を人質にして意味があるのかしら? あの魔王でも流石に一般人をそこまで熱心に助けに来るとは思えないのだけれど」
サルバディは気を失っているジーっとアレンを見ている。
流石にあの睡眠薬を使ったため、後一日は目が覚めることが…………
「あ、おはようございます」
「「…………ん? んんんんん!?」」
二人はアレンを見て、急に顔をひきつらせた。
それはそうだろう。一日たったにもかかわらず、準魔王級のドラはぐっすり寝ているのに、なぜ子供が起きれるというのだ。
「あの…………ここはどこでしょうか?」
床に座って、両手を拘束されているアレンは少しだけ怯えるような目をして二人に聞く。
サルバディは未だに現状を理解していないようなのでランドロフが口を開いた。
「ま、魔王城だ。それよりお前はなんで意識が――」
「へぇ! 魔王城にこんなところあったんですか? 初めて見る場所です!」
すると、アレンはランドロフの声を遮るように言いながら急に目を輝かせた。
その表情には何故か安心感が含まれている。
その表情に動揺しているランドロフと交代するようにサルバディが座っていた玉座から立ち上がった。
そして…………
「【誘惑《テンプラー】!」
「…………あ」
サルバディは少し隠されていた自分の漆黒の肌を露出させる。
その様子を見れば、一瞬でその女性におちてしまうほどの美貌だった。
母でなければランドロフもすぐにおちていただろう。
アレンもその様子を見て素っ頓狂な声を出す。
(一瞬、睡眠薬から逃れたため驚いたが、母上のこの魔法を食らって正常を保っていられる者などいるはずもない)
ランドロフの先ほどまで固くなっていた表情から少し安堵が垣間見えた。
そして、その術者のサルバディも当然、余裕の笑みを浮かべている。
「…………あ、おトイレ借りていいですか? 我慢してたの忘れてました」
「あ、どうぞ…………そこを右に曲がったところです…………」
「ありがとうございます!」
アレンは元気よく頭を下げてトイレに向かって走っていった。
そして、その様子を呆然と見ているランドロフの頭をサルバディは良い音をたてて引っ叩く。
「なんで普通にトイレの場所教えてるの!? ってかなんで私の魔法が通じてないのかしら!?」
「……………………僕に言われても知りませんよ!? 多分たまたまだよ…………うん。すぐ戻ってくるはず…………うん…………そのはず…………」
ディルガイナにいる魔王が現実逃避をしている中、同時刻に魔王の元息子であるランドロフも現実逃避をしようとしていた。
やはり血の繋がりはあるのだろう。
「はい。恐らく魔王様の元息子の仕業でしょう」
ゴブくんは頭を下げながら魔王にそう口にした。
ゴブはゴブなりに的確な判断をしたつもりだ。
あそこでゴブくんが無理矢理にでもアレンを助けようとしたところで無下に自分の命を扱うだけ。それはアレンが絶対に喜ばないことである。
ならば、すぐにでも魔王に伝えるべき。そう考えたのだ。
魔王はそのゴブくんの言葉を聞いて一瞬で表情を変える。
「…………ちッ! サルバディの企みか」
「いかがなさいますか?」
「俺が一人で出向いてさっさ助けてくる! クソっ! よりによってなんでアレンなんだ!」
魔王はいつになく雰囲気に殺気を漂わせている。
それはアレンの父としての雰囲気ではない。残虐の魔王としての雰囲気だった。
その一歩動いただけでも自分の命が刈り取られるような空気にゴブくんは冷や汗を流す。
それは魔王も同じようで心の内で炎々と燃やしている憤りと、
「もし、魔獣たちにバレたりでもしたら世界が――」
バタッ!
「……………………今どこからか音しかなったか?」
「はい…………僕も聞こえました」
魔王の言葉を遮るように何かがぶつかったような音が鳴った。
二人はゆっくりと音が鳴った後方へと振り向く。
すると、
「……………………あ」
「「…………あ」」
そこには窓にべったりとへばりついた紫電鳥がいた。
紫電鳥の息で窓は白く曇っている。
その様子にお互い、口を開けてしまった。
その紫電鳥はまるでこの会話を聞こうとしているようで…………
「…………ラーク様ぁ!」
「「待て待て待てぇ!」」
逃げるように飛び去って行く紫電鳥を二人は大声を出しながら追いかけようとする。
しかし、あんな小さな小窓から出られるわけもない。
入ることが出来て鳥が一体分の小さな窓なのだから。
二人は窓の前までたどり着き、その場で呆然としてしまう。
そして、二人は顔を見合わせてゆっくりと暗黙の頷きをした。
((うん。終わったね))
二人はゆっくりと自室へ現実を逃避するように帰ったのだった。
********************
ランドロフはアレンを抱えたまま少し複雑の心境で帰ってきた。
「お帰りなさい。ランドロフ。最後のディルガイナの観光はどうだった?」
「ほんとに期待ハズレでしたね。ほぼ魔王軍は二段階者。それに比べ僕たちに味方してくれている魔獣軍は全員三段階者。舐めてるのかって話ですよ」
ランドロフは苦笑いしながら右手で抱えている魔族をサルバディの目の前に置く。
その子供を見て、当然サルバディは目を見開いた。
「拾ってきたんですよ…………まぁ万が一が何かあったとしても竜神族の変わりの人質として使いましょう」
「こんな一般人を人質にして意味があるのかしら? あの魔王でも流石に一般人をそこまで熱心に助けに来るとは思えないのだけれど」
サルバディは気を失っているジーっとアレンを見ている。
流石にあの睡眠薬を使ったため、後一日は目が覚めることが…………
「あ、おはようございます」
「「…………ん? んんんんん!?」」
二人はアレンを見て、急に顔をひきつらせた。
それはそうだろう。一日たったにもかかわらず、準魔王級のドラはぐっすり寝ているのに、なぜ子供が起きれるというのだ。
「あの…………ここはどこでしょうか?」
床に座って、両手を拘束されているアレンは少しだけ怯えるような目をして二人に聞く。
サルバディは未だに現状を理解していないようなのでランドロフが口を開いた。
「ま、魔王城だ。それよりお前はなんで意識が――」
「へぇ! 魔王城にこんなところあったんですか? 初めて見る場所です!」
すると、アレンはランドロフの声を遮るように言いながら急に目を輝かせた。
その表情には何故か安心感が含まれている。
その表情に動揺しているランドロフと交代するようにサルバディが座っていた玉座から立ち上がった。
そして…………
「【誘惑《テンプラー】!」
「…………あ」
サルバディは少し隠されていた自分の漆黒の肌を露出させる。
その様子を見れば、一瞬でその女性におちてしまうほどの美貌だった。
母でなければランドロフもすぐにおちていただろう。
アレンもその様子を見て素っ頓狂な声を出す。
(一瞬、睡眠薬から逃れたため驚いたが、母上のこの魔法を食らって正常を保っていられる者などいるはずもない)
ランドロフの先ほどまで固くなっていた表情から少し安堵が垣間見えた。
そして、その術者のサルバディも当然、余裕の笑みを浮かべている。
「…………あ、おトイレ借りていいですか? 我慢してたの忘れてました」
「あ、どうぞ…………そこを右に曲がったところです…………」
「ありがとうございます!」
アレンは元気よく頭を下げてトイレに向かって走っていった。
そして、その様子を呆然と見ているランドロフの頭をサルバディは良い音をたてて引っ叩く。
「なんで普通にトイレの場所教えてるの!? ってかなんで私の魔法が通じてないのかしら!?」
「……………………僕に言われても知りませんよ!? 多分たまたまだよ…………うん。すぐ戻ってくるはず…………うん…………そのはず…………」
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