4 / 51
第一章「赤毛の魔導師 カラナ」
1-3:追跡
しおりを挟む
「侵入者の痕跡を見つけたって?」
「例の魔導師かどうかは分かりませんが、何者かが侵入した形跡があります」
手がかりは意外にも、その日の内に見つかった。
部下の報告を受けたカラナは、村の近くにある丘、その中腹にある地下水道への入り口にやって来ていた。
近くの川から村へ水を引くための人工の下水道で、入口は普段、鉄格子に南京錠がかけられている。
その南京錠は激しく変形し、地面に落ちていた。
カラナは錠を取り上げる。強力な熱で変形させた様だ。
次いで空を見上げる。
時刻は、もうすぐ日が沈むころ。
カラナの頭上は星空となっており、森の向こうに日が沈みかけ、空がオレンジ色に輝いている。その逆方角の地平線に見えるきらびやかな輝きは、首都テユヴェローズの街明かりだ。
いまから下水道に入り込み、捜索を行えば深夜にまで及ぶだろう。
彼女を囲む部下たちの表情は疲れている。
『ゴーレム』との戦闘からまだ一日、しかもずっと任務中だ。村に居るリリオも未だ不眠不休でケガ人の治療中である。
「中にはあたしが入るわ。申し訳ないけど……ベロニカ、それとアマリス。
ふたりは残って入口を見張って。他の者は村に戻って待機よ」
「かしこまりました、隊長!」
部下に軽く敬礼を返し、カラナは下水道の入口を覗き込んだ。
石造りの階段が、真っ暗な地下へと続いている。
ポケットから照明灯を取り出し強めに振る。
中の薬品が交わり、短い時間であるが光を発する代物だ。
魔法で"照明球"を造っても良いが、敵が内部に潜んでいた場合、明るすぎて先に気付かれる恐れが高い。
湿気でぬめった足元に気を配りながら、慎重に階段を降りて行く。
二十メートルくらい進んだだろうか。階段が終わり、広い下水道に出た。
足元にはまとまった量の水が流れる水路があり、その両端に人が移動する通路がある。天井は大人ひとりがゆっくりと立ち上がれる高さがあった。
向かって左に照明を向ける。続いて右に。
どちらもこの照明灯の明るさでは照らしきれない長さの通路が続いている様だ。
「水の流れからすると水源は左の方ね」
まずはそちらへ進む。これと言って特徴のない通路をひたすら歩く。時間にして数分ほどで、侵入防止用の柵に突き当たった。
鋼鉄製の柵には、変化が見られない。
「……と言う事は、この先には言っていない」
きびすを返し、歩いてきた通路を照らす。
反対側は村の下水に通じるが、そこは村のど真ん中だ。
まだ中に身を隠しているならば、逃げ場を塞いだことなる。
元来た場所まで戻り、階段の上の入口に声をかける。
「ベロニカ、アマリス。誰も通らなかったわよね?」
「はい隊長。誰も通りませんでした」
ベロニカの返答が暗闇から帰って来た。
「よーし。早々にケリがつきそうじゃない」
笑みを浮かべてカラナは村の方へと前進する。反対側と違いこちらは右へ左へと通路がくねる。
「!」
かなり進んだところで、カラナは行く先の暗闇に何かの気配を感じ取る。凝視するとわずかな光が闇の中を行き来きしていた。
声を抑えて”マギコード”を詠唱し、右手のひらに、照明球を発生させる。
照明灯とは比較にならない明るさで下水道が照らし出される!
水路の行く手、十メートルほど先に人影があった!
驚いた様にこちらを振り向く、黒いローブの端正な顔立ちの女。
『ハイゴーレム』だ!
「来るなッ!」
『ハイゴーレム』の鋭い牽制が通路に響き、同時に彼女の放った"光弾"が連続でこちらに撃ち込まれる!
「ちょっ……! こんな狭いところで!?」
弾けば崩落を招く!
手を塞ぐ光球をかき消し、代わって"魔法障壁"を描き上げる!
すんでのところで"光弾"を受け止め消滅させるが、拡散された熱が水路の水分を一気に蒸発させ、視界を白い煙が覆ってしまった。
勢いよく駆ける足音が遠ざかって行く。
「まったくもう……!」
次第に煙は晴れていったが、照明灯は水の中に落としてどこかに流れてしまい、"照明球"も"魔法障壁"と引き換えに消してしまった。辺りは一面の闇である。
もう一度、"照明球"を造り直し通路の奥へ向ける。
だが、既に、視界の外へ逃げられてしまった後だった。
「いいえ、逃がさないわよ」
この先は行き止まりだ。いずれは必ず追い詰めることが出来る。
カラナも奥へと走った。
曲がりくねる通路を数回も曲がると、やや開けた空間に出る。
どうやら村の貯水槽まで進んだらしい。中央に底の深い水たまりがあり、その周囲をぐるりと囲む通路の一角に、こちらに背を向けて立つ『ハイゴーレム』の姿が見える。
"彼女"はどうやら、もうひとりのお尋ね者と対峙している様子だ。
『ハイゴーレム』を挟んで奥に、例の黒ずくめの魔導師が立ちはだかっている。
「あらあら、これは一石二鳥ね!」
『ハイゴーレム』の肩越しにカラナは、黒ずくめの魔導師に声をかけた。
「そこの魔導師さん? こいつをとっ捕まえるのを手伝ってもらえないかしら?
……ついでに、あんたの正体も知りたいんだけれど?」
「……たい」
黒ずくめから反応があった。が、遠い事と顔をマスクで覆っているせいで、良く聞き取れない。
「ん……? 何て言った?」
「……痛い……」
確かにそう聞こえた。ケガをしているのか?
昨日の戦闘で負傷していても不思議はないが……。
それよりも、この黒ずくめの声は……!?
カラナの思考を遮る様に、唐突に『ハイゴーレム』が動く!
杖を振りかざし、その先端に組み上げた"光弾"を一直線に黒ずくめに飛ばす!
「バカね」
腰に手を当てて、カラナは見守った。
こんな単調な攻撃、あの黒ずくめの実力ならかわすのは造作もない。
……筈だったが、予想を裏切り、黒ずくめはまったく避ける動作もしない!
直撃弾を浴びて爆風と共に吹き飛ばされてしまった!
「ぎゃあッ!」
大きな悲鳴を上げ水路の水に叩きつけられる!
手にしていた錫杖が床に転がり、大きな反響音を木霊させた。
「ちょっと……!?」
意識を失ったか、水面にぷかぷか浮かぶ黒ずくめに、『ハイゴーレム』が跳躍し追撃を仕掛ける!
「なんで!? 昨日はあんなに圧倒してたのに……!」
戸惑いながらも、カラナは照明の光球を頭上高く飛ばし両手を開けた。ここであの黒ずくめを失う訳には行かない。
左手に組み上げた“光鞭”を『ハイゴーレム』の背中目掛けて放つ!
鋭い孤を描いた鞭のきっさきが狙いを捕え、爆発を起こす!
「きゃあああッ!」
甲高い悲鳴を上げて、『ハイゴーレム』が水の中にしぶきを上げて墜落した。
普通の『ゴーレム』ならばここで終わりだ。しかしこいつは『ハイゴーレム』。しかも回復魔法を操る。
案の定、水から這い上がった『ハイゴーレム』はヤケドした背中に淡い光を当てて回復を図っている。
「させるかッ!」
間合いを詰める!
抵抗の仕草を見せた『ハイゴーレム』!
しかし、片手が回復に塞がっている状態で、攻撃を防ぐ手段は持ち合わせていなかった様だ。
膝蹴りがまともに"彼女"のみぞおちに決まる!
「かは……ッ!」
か細い息を吐いて、『ハイゴーレム』はカラナの両腕の中に崩れ落ちた。
意識を失った、と言うか機能停止した"彼女"を床に寝かせる。
"彼女"には使い道がある。ここで破壊してしまう訳には行かない。
「さて……と。お次は……」
空中に放っておいた"照明球"を手元に手繰り寄せ、水面を照らす。
相変わらず、ぷかぷか漂っている黒ずくめの元へと向かう。
水路の端から腕を伸ばし、ボロボロのローブの裾を引っ張って引き上げる。
「! 軽い……」
手ごたえ通り、引き上げたその姿は良く見てみればかなり小柄である。
カラナ自身、背は高い方であるが、目測で彼女よりも頭ひとつふたつは小さい。
色々な懸念が頭をよぎりながらも、カラナは黒ずくめのフードと顔に巻かれたマスクを剥ぎ取った。
「……やっぱり……!」
隠れていた顔が露わになる。
それは――まだ幼い少女の顔だった。
「例の魔導師かどうかは分かりませんが、何者かが侵入した形跡があります」
手がかりは意外にも、その日の内に見つかった。
部下の報告を受けたカラナは、村の近くにある丘、その中腹にある地下水道への入り口にやって来ていた。
近くの川から村へ水を引くための人工の下水道で、入口は普段、鉄格子に南京錠がかけられている。
その南京錠は激しく変形し、地面に落ちていた。
カラナは錠を取り上げる。強力な熱で変形させた様だ。
次いで空を見上げる。
時刻は、もうすぐ日が沈むころ。
カラナの頭上は星空となっており、森の向こうに日が沈みかけ、空がオレンジ色に輝いている。その逆方角の地平線に見えるきらびやかな輝きは、首都テユヴェローズの街明かりだ。
いまから下水道に入り込み、捜索を行えば深夜にまで及ぶだろう。
彼女を囲む部下たちの表情は疲れている。
『ゴーレム』との戦闘からまだ一日、しかもずっと任務中だ。村に居るリリオも未だ不眠不休でケガ人の治療中である。
「中にはあたしが入るわ。申し訳ないけど……ベロニカ、それとアマリス。
ふたりは残って入口を見張って。他の者は村に戻って待機よ」
「かしこまりました、隊長!」
部下に軽く敬礼を返し、カラナは下水道の入口を覗き込んだ。
石造りの階段が、真っ暗な地下へと続いている。
ポケットから照明灯を取り出し強めに振る。
中の薬品が交わり、短い時間であるが光を発する代物だ。
魔法で"照明球"を造っても良いが、敵が内部に潜んでいた場合、明るすぎて先に気付かれる恐れが高い。
湿気でぬめった足元に気を配りながら、慎重に階段を降りて行く。
二十メートルくらい進んだだろうか。階段が終わり、広い下水道に出た。
足元にはまとまった量の水が流れる水路があり、その両端に人が移動する通路がある。天井は大人ひとりがゆっくりと立ち上がれる高さがあった。
向かって左に照明を向ける。続いて右に。
どちらもこの照明灯の明るさでは照らしきれない長さの通路が続いている様だ。
「水の流れからすると水源は左の方ね」
まずはそちらへ進む。これと言って特徴のない通路をひたすら歩く。時間にして数分ほどで、侵入防止用の柵に突き当たった。
鋼鉄製の柵には、変化が見られない。
「……と言う事は、この先には言っていない」
きびすを返し、歩いてきた通路を照らす。
反対側は村の下水に通じるが、そこは村のど真ん中だ。
まだ中に身を隠しているならば、逃げ場を塞いだことなる。
元来た場所まで戻り、階段の上の入口に声をかける。
「ベロニカ、アマリス。誰も通らなかったわよね?」
「はい隊長。誰も通りませんでした」
ベロニカの返答が暗闇から帰って来た。
「よーし。早々にケリがつきそうじゃない」
笑みを浮かべてカラナは村の方へと前進する。反対側と違いこちらは右へ左へと通路がくねる。
「!」
かなり進んだところで、カラナは行く先の暗闇に何かの気配を感じ取る。凝視するとわずかな光が闇の中を行き来きしていた。
声を抑えて”マギコード”を詠唱し、右手のひらに、照明球を発生させる。
照明灯とは比較にならない明るさで下水道が照らし出される!
水路の行く手、十メートルほど先に人影があった!
驚いた様にこちらを振り向く、黒いローブの端正な顔立ちの女。
『ハイゴーレム』だ!
「来るなッ!」
『ハイゴーレム』の鋭い牽制が通路に響き、同時に彼女の放った"光弾"が連続でこちらに撃ち込まれる!
「ちょっ……! こんな狭いところで!?」
弾けば崩落を招く!
手を塞ぐ光球をかき消し、代わって"魔法障壁"を描き上げる!
すんでのところで"光弾"を受け止め消滅させるが、拡散された熱が水路の水分を一気に蒸発させ、視界を白い煙が覆ってしまった。
勢いよく駆ける足音が遠ざかって行く。
「まったくもう……!」
次第に煙は晴れていったが、照明灯は水の中に落としてどこかに流れてしまい、"照明球"も"魔法障壁"と引き換えに消してしまった。辺りは一面の闇である。
もう一度、"照明球"を造り直し通路の奥へ向ける。
だが、既に、視界の外へ逃げられてしまった後だった。
「いいえ、逃がさないわよ」
この先は行き止まりだ。いずれは必ず追い詰めることが出来る。
カラナも奥へと走った。
曲がりくねる通路を数回も曲がると、やや開けた空間に出る。
どうやら村の貯水槽まで進んだらしい。中央に底の深い水たまりがあり、その周囲をぐるりと囲む通路の一角に、こちらに背を向けて立つ『ハイゴーレム』の姿が見える。
"彼女"はどうやら、もうひとりのお尋ね者と対峙している様子だ。
『ハイゴーレム』を挟んで奥に、例の黒ずくめの魔導師が立ちはだかっている。
「あらあら、これは一石二鳥ね!」
『ハイゴーレム』の肩越しにカラナは、黒ずくめの魔導師に声をかけた。
「そこの魔導師さん? こいつをとっ捕まえるのを手伝ってもらえないかしら?
……ついでに、あんたの正体も知りたいんだけれど?」
「……たい」
黒ずくめから反応があった。が、遠い事と顔をマスクで覆っているせいで、良く聞き取れない。
「ん……? 何て言った?」
「……痛い……」
確かにそう聞こえた。ケガをしているのか?
昨日の戦闘で負傷していても不思議はないが……。
それよりも、この黒ずくめの声は……!?
カラナの思考を遮る様に、唐突に『ハイゴーレム』が動く!
杖を振りかざし、その先端に組み上げた"光弾"を一直線に黒ずくめに飛ばす!
「バカね」
腰に手を当てて、カラナは見守った。
こんな単調な攻撃、あの黒ずくめの実力ならかわすのは造作もない。
……筈だったが、予想を裏切り、黒ずくめはまったく避ける動作もしない!
直撃弾を浴びて爆風と共に吹き飛ばされてしまった!
「ぎゃあッ!」
大きな悲鳴を上げ水路の水に叩きつけられる!
手にしていた錫杖が床に転がり、大きな反響音を木霊させた。
「ちょっと……!?」
意識を失ったか、水面にぷかぷか浮かぶ黒ずくめに、『ハイゴーレム』が跳躍し追撃を仕掛ける!
「なんで!? 昨日はあんなに圧倒してたのに……!」
戸惑いながらも、カラナは照明の光球を頭上高く飛ばし両手を開けた。ここであの黒ずくめを失う訳には行かない。
左手に組み上げた“光鞭”を『ハイゴーレム』の背中目掛けて放つ!
鋭い孤を描いた鞭のきっさきが狙いを捕え、爆発を起こす!
「きゃあああッ!」
甲高い悲鳴を上げて、『ハイゴーレム』が水の中にしぶきを上げて墜落した。
普通の『ゴーレム』ならばここで終わりだ。しかしこいつは『ハイゴーレム』。しかも回復魔法を操る。
案の定、水から這い上がった『ハイゴーレム』はヤケドした背中に淡い光を当てて回復を図っている。
「させるかッ!」
間合いを詰める!
抵抗の仕草を見せた『ハイゴーレム』!
しかし、片手が回復に塞がっている状態で、攻撃を防ぐ手段は持ち合わせていなかった様だ。
膝蹴りがまともに"彼女"のみぞおちに決まる!
「かは……ッ!」
か細い息を吐いて、『ハイゴーレム』はカラナの両腕の中に崩れ落ちた。
意識を失った、と言うか機能停止した"彼女"を床に寝かせる。
"彼女"には使い道がある。ここで破壊してしまう訳には行かない。
「さて……と。お次は……」
空中に放っておいた"照明球"を手元に手繰り寄せ、水面を照らす。
相変わらず、ぷかぷか漂っている黒ずくめの元へと向かう。
水路の端から腕を伸ばし、ボロボロのローブの裾を引っ張って引き上げる。
「! 軽い……」
手ごたえ通り、引き上げたその姿は良く見てみればかなり小柄である。
カラナ自身、背は高い方であるが、目測で彼女よりも頭ひとつふたつは小さい。
色々な懸念が頭をよぎりながらも、カラナは黒ずくめのフードと顔に巻かれたマスクを剥ぎ取った。
「……やっぱり……!」
隠れていた顔が露わになる。
それは――まだ幼い少女の顔だった。
0
あなたにおすすめの小説
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
皆様ありがとう!今日で王妃、やめます!〜十三歳で王妃に、十八歳でこのたび離縁いたしました〜
百門一新
恋愛
セレスティーヌは、たった十三歳という年齢でアルフレッド・デュガウスと結婚し、国王と王妃になった。彼が王になる多には必要な結婚だった――それから五年、ようやく吉報がきた。
「君には苦労をかけた。王妃にする相手が決まった」
ということは……もうつらい仕事はしなくていいのねっ? 夫婦だと偽装する日々からも解放されるのね!?
ありがとうアルフレッド様! さすが私のことよく分かってるわ! セレスティーヌは離縁を大喜びで受け入れてバカンスに出かけたのだが、夫、いや元夫の様子が少しおかしいようで……?
サクッと読める読み切りの短編となっていります!お楽しみいただけましたら嬉しく思います!
※他サイト様にも掲載
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる