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第二章「蒼衣の魔導師 サフィリア」
2-5:あなたの名前は……
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出来て当然とばかりに、自信満々に答える。
深く、本当に深くカラナはため息をついた。
滅茶苦茶である。
紅竜騎士団の最高機密とも言える拘束具の暗号をものの数十秒で解除し、今度はアナスタシス教団の最高機密である筈の感情抑制を解除すると簡単に言い放つ。
そしておそらく、この少女はそれを実行出来る。
天才とか言うレベルではない。
そんな事が出来る魔導師がいたら、海の向こうからでも噂が流れて来るだろう。
「なら、この場でやって見せて」
拘束具も勝手に外してしまったし、ここまで来たらどこまで行っても同じである。
カラナもこの少女がどこまで出来るのか、見てみたい気持ちもあった。
「任せて!」
威勢よく飛び上がり、『ハイゴーレム』の方を向く。
「さ、こっちに顔を向けて」
言われた通りに身体をサフィリアの方へ向け、『ハイゴーレム』は目を閉じた。
サフィリアが床に置いてあった錫杖を取り上げ、柄尻で軽く床を叩く。
彼女も目を閉じて”マギコード”を組み立て始めた。
錫杖の魔導石が強く碧く輝き、魔力に呼応する。先端を『ハイゴーレム』の額の魔導石に合わせ、干渉して行く。
流れ出る魔力の構成イメージを見落とさぬ様に、カラナは神経を集中させた。
だが、その理解は途中から追いつかなくなる。
サフィリアの扱っている魔法はそれほどまでに高度なものだった。
"魔導石"は、その結晶構造に沿わせて自身の魔力を走らせる事で"魔法"と言う物理現象へと変換する宝石である。もちろん、その走らせ方も適当では駄目で、物理現象を望むかたちで発動させるには、きちんとした意味のある"命令文"を組まなければならない。
これを"マギコード"と言う。
で、この結晶構造は、魔導石ごとに異なる。と言う事は、同じ魔法でも、使う魔導石が違えば、必要な"マギコード"も違って来るのである。
魔導師は、自分好みの魔導石を自分でチョイスし、自分好みの"マギコード"を自分で組む。汎用化されている"マギコード"もあるが、他人が書いた"命令文"ほど、理解し難いものはない。
以上の事から、そこら辺にあった魔導石を、ぱっと使う事は熟練した魔導師でも難しい。増して、サフィリアが挑戦しているのは、解読されない様にわざわざ暗号化されている"マギコード"である。
そんな常識を無視する様に、サフィリアは見たのも聞いたのも初めてだろう、アナスタシス教団の暗号文を、次から次へと解きほぐして行く。
やがて―――『ハイゴーレム』が若干苦しむような表情を見せ、魔導石から魔力の枷が光の粒子となってぱっと飛び散った。
目を開くふたり。
「終わった!」
にっこりと微笑んでカラナの方に向き直るサフィリア。
何か変わったかな? と言う表情で額の魔導石をこすりながら『ハイゴーレム』もこちらを向いた。
「たぶん、これでもうこの子は誰の命令も受け付けない筈だよ」
「…………」
こんな簡単に出来て良いものなのか?
「じゃあ……」
試しに質問を投げかける。サフィリアの”治療”の成果を見定めるのは簡単だ。
「あんたは、アナスタシス教団の『ハイゴーレム』かしら?」
「はい」
あっさりと『ハイゴーレム』が頷いて即答する。
間違いなく感情抑制が外れている。
彼女たちは如何なることがあっても主人――この場合はアナスタシス教団の魔導師に取って不利な情報を口にしないように制御されている。
この為、"彼女"たちは、何も喋らない代わりに、嘘をつくと言う概念も与えられていない。
つまり、今の『ハイゴーレム』の答えに嘘はない。それは間違いない事である。
「……何であたしの質問に答えるの? 別に答えなくたって良かった筈でしょ?」
「わたしへの命令は、白紙となりました。貴女の質問を無視する理由はありません」
真っ直ぐにこちらを見つめ、答えて来る。
相変わらずに見える無表情にも、どことなく意思がこもっている様にも見えた。
「ね? これでもう、この子がそのなんとかって教団に味方する事はないよ!
だからね! お願い!」
サフィリアに、両手を合わせて頼み込まれ、何の事だったか一瞬分からず、疑問符を浮かべてしまう。
「……そうね。その『ハイゴーレム』を見逃してやって欲しいって話だったわね」
赤毛の頭をかいて、ため息をつく。
普通ならば、有り得ない話だ。が、現に目の前で『ハイゴーレム』の感情抑制を解いて見せたサフィリアの言葉は、言外の説得力がある。
「……分かったわ。 うまく行くか分からないけれど、どうにか話を着けてみるわ」
「ありがとう!」
無邪気に笑ってサフィリアは『ハイゴーレム』に抱き着く。
若干戸惑う表情を見せつつも、不器用に笑って見せた『ハイゴーレム』の顔を下から見上げる。
「そう言えば貴女の名前は何て言うの?」
「わたしに名前はありません。お好きにお呼びください」
「そっか……それじゃあねぇ……」
腕を組んで唸るサフィリア。
しかし、良い名前が思い浮かばなかったらしい。そこで――
荷台から身を乗り出し、辺りを見回す。
「カラナ! あの道端に咲いている花!」
「ん……?」
身をよじって覗き込むと、街道の道端にクラル草が群生している。
飲み薬の原料としてよく使われる薬草だ。この時期は白く小さい花を咲かす。もっともこんな道端に生えている野生の草など、そのまま飲んだら腹を下すだけだが……。
「あれはなんて名前の花?」
「……クラル草よ」
「よし! 貴女の名前は”クラル”にしよう!」
やっぱり……。
言うと思ったのである。
「あたしの真似をしたかっただけでしょう? 名前なんてそんな安直に着けるものではないわよ?」
しかし、名付けられた本人はまんざらでもないらしい。
「いえ……良い呼び名をいただきました。ありがとうございます」
「えへへ……!」
深々と頭を下げ、礼をする『ハイゴーレム』――もといクラル。鼻の下をこすり満足げな表情を見せるサフィリア。
そのサフィリアにしっかりとした眼差しをクラルは向ける。
「今より、貴女様をわたしの主人と呼ばせて下さい」
「え……!? いいよ、そんな大それた呼び方しなくても!」
「しかし……」
クラルに向けて、手を差し出す。
「ご主人様とかそう言うのは無しに、お友達になりましょう?」
驚いた表情を見せるクラルだが、サフィリアのこの調子にも慣れて来たらしい。
「はい。よろしくお願いします、サフィリア」
差し出された手を握り返し、握手する。
そんな二人を悪くない気分で、カラナは見つめていた。
苦笑いしつつも、頭の中では、クラルの事をどう紅竜騎士団本部に説明するか。その算段を立て始めていた。
「ふたりとも。首都テユヴェローズが見えて来たわよ」
「おお!」
感嘆を上げて、サフィリアが牢馬車の壁に空いた穴から外を覗く。
馬車はちょうど、小高くなった丘の上に差し掛かり、眼下に首都の街並みを迎えていた。
コラロ村から丸二日。
まもなく夜を迎える首都は無数の家々の灯で明るく照らされている。その向こうには、夕日が沈み行く、延々と続く大海原が見えた。
「大きい街だね」
サフィリアが楽しそうにはしゃぐ。
もっと近づけば、街並みは詳細に見えてくるだろう。
今は遠くに臨む首都テユヴェローズの街並みを見据えながら、カラナは頭にある人物の顔を思い浮かべていた。
その人物は、テユヴェローズの文字通り中心にいる。
今回の一件、果たしてその人物がどう裁定するか。
少しの不安を抱きながら、眼下に広がる首都の街並みに目を細めた。
深く、本当に深くカラナはため息をついた。
滅茶苦茶である。
紅竜騎士団の最高機密とも言える拘束具の暗号をものの数十秒で解除し、今度はアナスタシス教団の最高機密である筈の感情抑制を解除すると簡単に言い放つ。
そしておそらく、この少女はそれを実行出来る。
天才とか言うレベルではない。
そんな事が出来る魔導師がいたら、海の向こうからでも噂が流れて来るだろう。
「なら、この場でやって見せて」
拘束具も勝手に外してしまったし、ここまで来たらどこまで行っても同じである。
カラナもこの少女がどこまで出来るのか、見てみたい気持ちもあった。
「任せて!」
威勢よく飛び上がり、『ハイゴーレム』の方を向く。
「さ、こっちに顔を向けて」
言われた通りに身体をサフィリアの方へ向け、『ハイゴーレム』は目を閉じた。
サフィリアが床に置いてあった錫杖を取り上げ、柄尻で軽く床を叩く。
彼女も目を閉じて”マギコード”を組み立て始めた。
錫杖の魔導石が強く碧く輝き、魔力に呼応する。先端を『ハイゴーレム』の額の魔導石に合わせ、干渉して行く。
流れ出る魔力の構成イメージを見落とさぬ様に、カラナは神経を集中させた。
だが、その理解は途中から追いつかなくなる。
サフィリアの扱っている魔法はそれほどまでに高度なものだった。
"魔導石"は、その結晶構造に沿わせて自身の魔力を走らせる事で"魔法"と言う物理現象へと変換する宝石である。もちろん、その走らせ方も適当では駄目で、物理現象を望むかたちで発動させるには、きちんとした意味のある"命令文"を組まなければならない。
これを"マギコード"と言う。
で、この結晶構造は、魔導石ごとに異なる。と言う事は、同じ魔法でも、使う魔導石が違えば、必要な"マギコード"も違って来るのである。
魔導師は、自分好みの魔導石を自分でチョイスし、自分好みの"マギコード"を自分で組む。汎用化されている"マギコード"もあるが、他人が書いた"命令文"ほど、理解し難いものはない。
以上の事から、そこら辺にあった魔導石を、ぱっと使う事は熟練した魔導師でも難しい。増して、サフィリアが挑戦しているのは、解読されない様にわざわざ暗号化されている"マギコード"である。
そんな常識を無視する様に、サフィリアは見たのも聞いたのも初めてだろう、アナスタシス教団の暗号文を、次から次へと解きほぐして行く。
やがて―――『ハイゴーレム』が若干苦しむような表情を見せ、魔導石から魔力の枷が光の粒子となってぱっと飛び散った。
目を開くふたり。
「終わった!」
にっこりと微笑んでカラナの方に向き直るサフィリア。
何か変わったかな? と言う表情で額の魔導石をこすりながら『ハイゴーレム』もこちらを向いた。
「たぶん、これでもうこの子は誰の命令も受け付けない筈だよ」
「…………」
こんな簡単に出来て良いものなのか?
「じゃあ……」
試しに質問を投げかける。サフィリアの”治療”の成果を見定めるのは簡単だ。
「あんたは、アナスタシス教団の『ハイゴーレム』かしら?」
「はい」
あっさりと『ハイゴーレム』が頷いて即答する。
間違いなく感情抑制が外れている。
彼女たちは如何なることがあっても主人――この場合はアナスタシス教団の魔導師に取って不利な情報を口にしないように制御されている。
この為、"彼女"たちは、何も喋らない代わりに、嘘をつくと言う概念も与えられていない。
つまり、今の『ハイゴーレム』の答えに嘘はない。それは間違いない事である。
「……何であたしの質問に答えるの? 別に答えなくたって良かった筈でしょ?」
「わたしへの命令は、白紙となりました。貴女の質問を無視する理由はありません」
真っ直ぐにこちらを見つめ、答えて来る。
相変わらずに見える無表情にも、どことなく意思がこもっている様にも見えた。
「ね? これでもう、この子がそのなんとかって教団に味方する事はないよ!
だからね! お願い!」
サフィリアに、両手を合わせて頼み込まれ、何の事だったか一瞬分からず、疑問符を浮かべてしまう。
「……そうね。その『ハイゴーレム』を見逃してやって欲しいって話だったわね」
赤毛の頭をかいて、ため息をつく。
普通ならば、有り得ない話だ。が、現に目の前で『ハイゴーレム』の感情抑制を解いて見せたサフィリアの言葉は、言外の説得力がある。
「……分かったわ。 うまく行くか分からないけれど、どうにか話を着けてみるわ」
「ありがとう!」
無邪気に笑ってサフィリアは『ハイゴーレム』に抱き着く。
若干戸惑う表情を見せつつも、不器用に笑って見せた『ハイゴーレム』の顔を下から見上げる。
「そう言えば貴女の名前は何て言うの?」
「わたしに名前はありません。お好きにお呼びください」
「そっか……それじゃあねぇ……」
腕を組んで唸るサフィリア。
しかし、良い名前が思い浮かばなかったらしい。そこで――
荷台から身を乗り出し、辺りを見回す。
「カラナ! あの道端に咲いている花!」
「ん……?」
身をよじって覗き込むと、街道の道端にクラル草が群生している。
飲み薬の原料としてよく使われる薬草だ。この時期は白く小さい花を咲かす。もっともこんな道端に生えている野生の草など、そのまま飲んだら腹を下すだけだが……。
「あれはなんて名前の花?」
「……クラル草よ」
「よし! 貴女の名前は”クラル”にしよう!」
やっぱり……。
言うと思ったのである。
「あたしの真似をしたかっただけでしょう? 名前なんてそんな安直に着けるものではないわよ?」
しかし、名付けられた本人はまんざらでもないらしい。
「いえ……良い呼び名をいただきました。ありがとうございます」
「えへへ……!」
深々と頭を下げ、礼をする『ハイゴーレム』――もといクラル。鼻の下をこすり満足げな表情を見せるサフィリア。
そのサフィリアにしっかりとした眼差しをクラルは向ける。
「今より、貴女様をわたしの主人と呼ばせて下さい」
「え……!? いいよ、そんな大それた呼び方しなくても!」
「しかし……」
クラルに向けて、手を差し出す。
「ご主人様とかそう言うのは無しに、お友達になりましょう?」
驚いた表情を見せるクラルだが、サフィリアのこの調子にも慣れて来たらしい。
「はい。よろしくお願いします、サフィリア」
差し出された手を握り返し、握手する。
そんな二人を悪くない気分で、カラナは見つめていた。
苦笑いしつつも、頭の中では、クラルの事をどう紅竜騎士団本部に説明するか。その算段を立て始めていた。
「ふたりとも。首都テユヴェローズが見えて来たわよ」
「おお!」
感嘆を上げて、サフィリアが牢馬車の壁に空いた穴から外を覗く。
馬車はちょうど、小高くなった丘の上に差し掛かり、眼下に首都の街並みを迎えていた。
コラロ村から丸二日。
まもなく夜を迎える首都は無数の家々の灯で明るく照らされている。その向こうには、夕日が沈み行く、延々と続く大海原が見えた。
「大きい街だね」
サフィリアが楽しそうにはしゃぐ。
もっと近づけば、街並みは詳細に見えてくるだろう。
今は遠くに臨む首都テユヴェローズの街並みを見据えながら、カラナは頭にある人物の顔を思い浮かべていた。
その人物は、テユヴェローズの文字通り中心にいる。
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