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生贄

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「この土地、というよりはこの集落より少し北の方に地龍様をまつるほこら、もとい洞窟があってな。そこに定期的に生贄を捧げているんだ。最初はメスだけで済んだのだがメスがいなくなると今度はいきのいいオスを求めてきてね。そのせいでオスも減ってきて集落はこの有様。数も少ないおかげでどうにかやりくりはできているけど。地龍様に生贄を捧げないとこの土地の作物が育たなくて大変なんだ。私達はかりもしているけど他の亜人に比べたらラガーオークは弱い方だからね」

 なるほど。集落にメスがいない理由はそれでみた感じ老けたラガーオーク達ばかりだったのはそういう理由か。

「それで今年の生贄だが」
「俺たちを助けた理由は生贄にするためか?」

 俺はキスキルに聞くとキスキルは首を横に振り

「さっきはああはいったが私はキナとキナの妹を生贄にするつもりはないよ。生贄にはもとから私がなるつもりでいるから。そのための理由としてキナたちを使わせてもらうけど」

 俺とキスキルが話しているとキスキルの家に大柄なラガーオークが入ってきて

「おい。集落のやつにキスキルが生贄を持ってきていると聞いてきたぞ」

 大柄なラガーオークは俺をみた後

「こいつが地龍様に捧げる生贄か?」

 キスキルに大柄なラガーオークに聞くとキスキルは

「いえ。私が生贄になります」
「は?何馬鹿なことを言っている。人間はわれわれ亜人をゴミのように扱うんだ。いつも助けても何しても何も礼を言わない。さらにはそれが当たり前だと思っている。そんな人間にも使い道がきたんだからこいつを生贄に捧げようじゃないか。それに去年お前が生贄になる時お前を庇って代わりに生贄になった弟の意志はどうなる。無下にする気か?」
「無下にするも何も私は弟がいないこの一年空白だった。ただ、ただ弟が生きてくれというから生きてみた。だがだめだ。弟がいないと俺は生きた心地がない。だから俺が生贄になる」

 キスキルは大柄なラガーオークに言うと大柄なラガーオークはため息をついて

「ならその人間も連れていけ。地龍様の生贄に捧げる日は3日後。3日この集落で過ごした後すぐに地龍様のほこらに向かうんだ。わかったな」

 大柄なラガーオークはキスキルと俺、ミワにた後キスキルの家から出ていき、キスキルは俺に

「すまないな付き合わせて。そういうことだから3日間はこの集落で休んでいってくれ。生贄には私だけなるから生贄になる日、キナ達は別の道で行け」

 キスキルは俺に3日後のことを話し始めた。
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