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空間の厄災

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「さてザオーガのことも幻の大地にひきいれたしこれからどうするチドラ」

 シュラ達が自分の土地を幻の大地の中に探しに行った後俺はチドラに相談する。

「そうですね。どうしましょうか」

 2人で悩んでいると俺の頭に急に激痛がはしる。

「うぐっ!あ、頭が!」
「主人!どうなされま・・・。こ、これは!」

 チドラは何故か驚く。なんだ、一体何、が
 俺は激しい頭痛に耐えながら顔を上げると幻の大地のそらにひび割れができていた。

「な、なんだあれは!」
「あれは厄災です主人!こんな芸当ができるのは空間の厄災と言われる魔物。オルゴロスに違いありません!」

 空間の厄災?オルゴロス?なんだそれは。聞いたことがないぞ?

「主人が知らないのも無理はありません。厄災達は人間の里、村、国には基本的に現れませんから」

 確かにブライト村の家の書斎には厄災のやの字も見当たらなんだな。

「しかし何故奴らが俺達人間の村にとかは来ないと?」
「厄災の奴らは人間を好まず亜人などを好む。そして空間の厄災がもっとも好んでいるものは魔力。魔力が高いやつのところを感知してはそいつを殺して体内に取り込むのです」

 チドラが俺に説明している間に空間のヒビから狐のような体をした細身の黄色い魔物が現れる。

「あ、あれが空間の厄災。オルゴロスか?」
「恐らく。我も姿を見たことはありませぬゆえ。いつも此奴は頭にしか語りかけてこずイメージを送りつけておりましたので。あの姿は我が見たイメージと一緒です」

 チドラが言うと頭の中に何か声が響く。

 オマエラ、ワタシノエサ、マリョクオオキモノ、ワレニミヲササゲヨ

「あ?なんで俺がてめえに身を捧げなければいけねぇんだよ」

 デアレバ、キサマハ、シネ

 オルゴロスは俺に向かって火の玉を何十にも飛ばしてくる。

「これは魔法か!」
「恐らくは魔法です!主人はお下がりください!」

 チドラはオルゴロスに向かって殴りかかる。

 タカガニンゲンゴトキワレヲヤレルトデモ?
「無論だとも。そらいくぞ!おらおらおらおらぁ!」

 チドラはオルゴロスを何度も殴り続けオルゴロスはチドラの攻撃を数分避けれていたが数十分後にはチドラの拳がかするようになってきていた。

 ニ、ニンゲンゴトキ!ワレガ、コウゲキヲアテラレタダト!
「我をそこら辺の人間と一緒にしないでほしいな。我は地龍アースラなり!」

 チドラは自分が地龍アースラと名乗った後に魔法、ストーンブラストを詠唱しオルゴロスに石のつぶてを撃ちこんだ。
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