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ミワVSバーカス

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「そいつにはまだ利用価値がある。だからまだ殺すな。それにいい手土産にもなる」
「手土産?・・・。あー!なるほどなるほど。分かりましたよ主人」

 チドラはバーカスの両足も粉々に砕いた後にギルド受付嬢の近くに戻り、俺はバーカスに話しかける。

「おい。お前、バーカス?って言ったかな」
「あ、あ、ああ。い、痛い、痛い」

 両腕両足を粉々にされて痛みのあまり気絶しそうになっているバーカス。こいつ冒険者のくせにこんなあっさり気絶しそうだなんて本当に弱い奴だな。

「おい。まだ気絶するにははやいぞバーカス」

 俺は軽く顔面を殴るとバーカスは

「あ、あ、もうやめ、て。俺様が、悪かった、だから」
「そうか。なら情報を吐いてもらおうか。そうすればお前の粉々に砕いた骨をうちの可愛くて自慢の妹が治してやるよ」

 俺がバーカスに言いながらミワを褒めるとミワは後ろで照れていた。

「し、しゃべる!しゃべるから!先に俺様の怪我を治してくれ!で、でないと考えが、まとまらん!」
「仕方ない、か。ミワ。頼むよ」

 ミワは可愛く「分かりました兄様!」と返事をし、バーカスの体に近づいてバーカスの両腕、両足の粉々に砕いた骨を治療する。

「ほら。もう動けるでしょ。早く情報をはきなさい」
「が、ははは!がははは!ばかめ!やすやすと怪我をなおしおってからに!」

 バーカスは近くにいたミワにどこかに隠していたのかナイフを突きつける。

「この娘が殺されたくなければそこの色黒姉ちゃん!俺様に跪きな!」

 バーカスが笑いながら言うとチドラはやれやれと手を振りながら

「お前馬鹿だな。自分から死にに行くとは。我関心だぞ。呆れを通り越してな」
「あ?何言ってるんだ?早くこいや色黒姉ちゃん!俺様はこんなガキみたいな女には興味ねぇんだよ!」

 バーカスが叫んだ瞬間、次の瞬間バーカスは宙をまう。

「え?」

 バーカスは地面に倒れて何が起きたかを理解できずにいた。

「おい。雑魚男。私に触れていいのは兄様と兄様が認めた人だけ。兄様がお前を治療しろと言うから治療したというのにお前のしたことはなんだ?兄様に迷惑をかけるようなこと?ましてや私を人質にして?ほんと最高に悪よね。あなたはマムラにでも身柄を渡してあげようかしらね。きっと生まれてきたことを後悔できるわよ」
「は?は?は?」

 ミワはバーカスの背中にのりバーカスのナイフを奪ってバーカスの首に向けながら言った。
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