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エルフの里

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 金髪エルフについていって数十分後にエルフの里らしき場所に着く。里らしき場所にはエルフが数人おり里の復興を行なっていた。

「地龍様に地龍様の主人様、ここが私達の今の里です。見ての通りメギスの配下の攻撃により私達エルフの数はここにいる数人だけなんです。10人いるかいないかくらいの数です」
「メギスの配下にやられる前は何人くらいいたんだ?」

 俺は金髪エルフに聞くと金髪エルフは

「そうですね。おおよそ100人はいましたね」

 100人くらいいてメギスの配下により90人くらいやられたのか。かなりの痛手だな。
 俺がそんなことを思っているとエルフの里から1人ヨボヨボの爺さんが出てくる。体は全体的に細く、腰を曲げながら杖で体を支えながら俺のもとまでゆっくりと歩いてくる。

「コミ。こやつらはなんじゃ?」
「長、この方達は地龍様を従える冒険者達です」
「ほう。地龍様を従えるか」

 ヨボヨボのエルフの爺さんが俺に話しかけてくる。

「お前さん、名は何というんじゃ?」
「人に名前を聞くならまずは自分から名乗ったらどうだ?」

 俺はエルフの爺さんにいい返すとエルフの爺さんは俺に無詠唱で風魔法を放ち、俺はエルフの爺さんが放ってきた魔法を岩の壁を無詠唱で出現させて防ぐ。

「ほう。お前さん無詠唱魔法を使えるのか。なかなかの人間じゃのう」
「そりゃどうも。それで、なんでいきなり不意打ちを?」
「ふ。生意気だったんでつい魔法を放ってしもうた。すまんすまん。いやこれだけ歳をとってもわしもまだまだせっかちなところがなおらんのう」

 「ふおっふおっ」と言いながら顎髭を撫でながらエルフの爺さんは言う。
 いきなり無詠唱魔法放つやつが年寄りでせっかちなんて逆に危ない気がするぞ。もう少し余裕を持って行動したほうがいいと思うんだが。

「長。この人間は地龍様を従えるほどの人間なんですよ。しかも無理矢理ではなく普通に従えている。わかりますか?五龍王は実力で強いものにしか従わないんですよ?先程地龍様が喋っていた時みずから下僕になったとおっしゃっていました」

 金髪のエルフがエルフの爺さんに言うと

「ほうほう。地龍様が自らの意思で従うか。ならば試す必要もなかったんじゃな。すまんすまん。わしはエルフの仮長をしておる、名はエゴンじゃ。エゴン・エルフ。こちらの金髪のエルフはわしらの希望のコミ・エルフじゃ」

 エゴンと名乗るエルフの爺さんと俺たちを里に連れてきたエルフの金髪の女、コミは俺たちにあらためて自己紹介した。
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