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あらたな旅立ち

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「お前が残るのか。チドラはどうするんだ?」
「無論チドラは主人といかせます。私か主人どちらかがいないと主人は不安ですからな。なにかとトラブルに巻き込まれやすいですから」

 確かにトラブルには巻き込まれやすいが別に自分からいっているわけではないぞ?行った場所でなぜかトラブルが起こるんだ。
 俺はオルゴロスの話を聞きながら思っているとオルゴロスが

「それに存在自体魔力の安定しない私はこの幻の大地にいた方が常に主人からの魔力の恩恵を得られるので即対応できます」
「そうか。しかしチドラは納得するのか?お前が残ってサラスコを見ることを」
「それは主人の名前を出せば大丈夫だと思います。最悪の場合でもチドラさえいればどうにでもなりますから。あんなやつでもね」

 ふんっと鼻をならしながらいうオルゴロス。そうだな。2人はなんだかんだ仲悪そうにじゃれてはいたが実力は認めているんだろうな。

「わかった。じゃゴブゴブリンとサラスコの件はまかせる。ちゃんとチドラを納得させるんだぞ。マムラは」
「マムラに関してはすでに手をうってあります。私が明日の朝屋敷の前に来るよう頼んでおいたので」

 おー。手が早いな。流石じゃないか。

「それじゃ今日はもう休むか?」
「そうですね。私からは話は以上ですので主人ははやく体をお休めください」

 オルゴロスはそれだけ言うと俺の部屋から出ていき俺もオルゴロスが寝た後に可愛い妹の顔を見ながら布団を敷いて寝た。



 次の日朝起きるとミワはすでに部屋から出て行っており、俺も準備をして部屋から出ようとすると俺の部屋の前でヨトリが待っていた。

「おはようヨトリ。何かようか?」

 身なりを整えた状態のヨトリに聞くとヨトリは

「ふん。おそいおめざめね。まぁいいわ。私もあなた達について行くわ」

 ヨトリは俺に言うと俺は

「?。それは嬉しいがお前はそれでいいのか?」
「ええ。構わないわ。シソンタウンには強いやつはいるかもしれないしそれにシュラとホワッツは互いに鍛えあってて私のこと面倒も見てくれないし。マムラもあなた達と行くなら私もついて行くわ」
「そう、か。わかった。とりあえず屋敷の前に行こう。マムラとチドラがいるはずだ」

 俺はヨトリに言うと隣の部屋のドアが勢いよく開き、身支度を整えたミワが出てきた。

「私ももちろん行くわよ!兄様!」
「あら。あんたも行くの?大丈夫なの?」
「ええ。ヨトリに心配されるほど弱くはないわ。ちゃーんとヨトリが怪我をしても治してあげるからね」

 ミワはヨトリに微笑みながら言った。
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