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出会い
アーノルド
しおりを挟む「あの…あなたは誰なんでしょうか?」
恐る恐る尋ねる俺に、こちらを向き白い歯を見せて笑う。
銀と青が混じったガラスのような瞳と目が合った。
その人と俺とでは完全に不釣り合いな外見をしているのに、その瞳を見ていると何故か懐かしい気持ちになった。
「アーノルドだよ。シュナウザー、君に会いたくてここまで来たんだ。やっと会えて本当に嬉しいよ。」
「…俺達どこかで会ったことありますか?」
「君とは毎日のように会っていた。だって僕達は親友だろ。」
アーノルドは寂しそうに笑った。
俺はつい五分ほど前に会ったばかりな人間の〝親友〟という言葉に心が揺れていた。
今まで親友と呼べる存在が出来たことは一度だって無かった。
友達ですら、あまりいない。
俺の人生に親友なんてものは無縁だと思っていたのに、アーノルドは簡単に俺を親友だと言ってのけた。
アーノルドの俺を守る姿を見ていると、本当に俺達は親友かのように錯覚してしまいそうになった。
なぜだか、涙が出そうになった。
「なぁ稲葉。もう俺達行くけど、お前は?ややこしい話に巻き込まれたくねーよ。そいつなんか怖ーし。」
周りの連中は気まずそうな顔を浮かべながら、その場を去っていく。
稲葉はアーノルドを思い切り睨みつけ舌打ちをした後、俺の方を一瞬見てすぐに俯き、その場を去っていった。
体育館裏には俺とアーノルドだけになった。
「こっちのクリステルはなかなか素直になれないみたいだな。悪い奴じゃないんだ、クリステルは。本当は素直で良い奴なんだよ。しかしあの体格だから、まともに殴られるとこんなにも傷が出来るんだな。」
そう言いながらアーノルドは俺の顔についている血を袖で拭った後、いつのまにか透明のテープのようなものを持っていてそれを傷に貼り付けた。
「あの…〝こっちの〟クリステルってなんなんですか?他にも稲葉…クリステルがいるんですか?」
「もちろんいるさ。何人もね。」
アーノルドは俺の傷に丁寧にテープを貼り付けていく。貼られた所から、不思議と痛みが和らいでいく気がした。
「さっき、どこから出てきたんですか?急に現れましたよね、瞬間移動みたいに。」
「時空の隙間から出てきたんだ、目では見えにくいんだよ。それよりシュナウザー、その話し方はよしてくれよ。よそよそしいじゃないか。」
「あの、俺、シュナウザーじゃないです。古田土 亜門って名前で…ていうかシュナウザーって犬ですよね。」
「こっちにはシュナウザーっていう犬がいるのか?」
「こっちってなんですか?時空の隙間ってなんですか?あなた、何者なんですか?」
テープを貼り終えたアーノルドは、質問攻めする俺に優しく笑いかけた。
俺より十センチ程背の高いアーノルドは、白いつなぎのような服を着ている。
パッと見、宇宙飛行士の格好みたいだった。
もしかしたらアーノルドは宇宙人なのかもしれない。
「シュナウザー、心配するな。全て説明するよ。」
俺の不安を感じとったのか、そう言いながらアーノルドは俺の隣に座った。つられて俺もその場に座り込んだ。
どう座っていいのか分からなかったので、体育座りのような形になってしまった。
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