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番外編
クラフトマーケット 1
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最近のタロは手芸にハマっている。
商店街の手芸屋の娘さんが隣の空き店舗で手芸カフェを始めたので、仲のいいおばあさんに誘われて行ったのがきっかけだ。
もともとタロはボタン付けなどの裁縫は器用にこなしていたので、手芸も向いていたようだ。
カフェで定期的に開かれている講習会に参加して、カバンやレース編みなど色んなものを作って持って帰ってきて、気にいったものはうちでも作るようになった。
今タロが作っているのは羊毛フェルトの小さなぬいぐるみだ。
ふわふわした羊毛を何色か使い分け、針でぷすぷすとつついてまとめて形を作っている。
真剣な時のタロのくせで寄り目になっているが、口元は微笑んでいるので、楽しみながら作っているようだ。
タロが自分の犬の時の写真を見ながら作ったそれは、表情も体つきも質感も本物のタロそっくりだった。
「すごいなー。これ、タロそっくりだ。
タロ、上手だな」
「えへへ、ありがとうございます」
「あ、そうだ。
もしよかったら、タロも今年のクラフトマーケットでこういうの売ってみないか?」
クラフトマーケットというのは、商店街の夏祭りに合わせて稲荷神社の境内で開催されている、手作り品限定のフリーマーケットだ。
俺たちは毎年参加して小さいサイズの絵を売っていたのだが、タロの手芸の腕なら十分売り物になる。
「いいんですか⁈
僕、売ってみたいです」
「それじゃあ、今年は俺の絵とタロの手芸品で参加だな。
いや、いっそのこと俺も小物にしてみるか?
陶器に描いてオーブンで焼き付けできるペンがあるって聞いたことがあるから、それを使ってイラスト入りのマグカップでも作ろうかな」
幸い、少し前に温めしかできなかった古い電子レンジをオーブンレンジに買い替えたばかりだ。
タロの料理のレパートリーが増えるだけじゃなくて、作品作りにも使えるとは、なかなかいい買い物だったと言える。
「いいですね。
布に書けるペンっていうのもあるらしいので、ご主人様が絵を描いて、僕がバッグとかに仕立ててもいいかもしれません」
「お、それもいいな。
タロと共同制作か」
そんなふうにして俺たちはアイデアを出し合い、タロが通っている手芸カフェの店長さんにも売れ筋を教えてもらって、クラフトマーケットで売る物を決めた。
お店として統一感があった方がいいだろうということで、作る小物はすべて犬のタロをモチーフにしたものだ。
タロは羊毛フェルトで子犬の頃のタロの顔をデフォルメしたものを作って、ピアスやヘアアクセサリーにしている。
タロはあんなに器用なのになぜか絵心は全くないらしくて、お手本がないと作れないと言うので、俺が描いてやったデザイン画を見ながら作っている。
「しかしタロはほんと器用だよなー。
俺、平面はいいんだけど立体は苦手だから、絶対こんなふうにデザイン画の通りに作れないよ」
「けど、その代わりにご主人様は絵が上手ですから。
僕は写真とか絵に似せて作るのはできるけど、ご主人様みたいにかわいくデフォルメできませんし」
「うん、まあそうだよな。
できないことはお互いに助け合えるから、それでいいよな」
「はい!」
そんなことを話しながら、俺の方は布にクレヨンで絵を描いている。
このクレヨンは布に描いてアイロンをかけると定着するというもので、布に書けるペンよりもこっちの方が俺の画風に合っていそうだったので買ってみた。
色とりどりの朝顔を小首を傾げて見ているタロを柔らかいタッチで描いた絵は、我ながら悪くないと思う。
この布はタロが手芸カフェでミシンを借りてトートバッグに仕立ててくれることになっている。
絵のように飾るものではなく日常生活で使うものなので、季節に関係なく使える絵柄のものも作った方がいいだろう。
商店街の手芸屋の娘さんが隣の空き店舗で手芸カフェを始めたので、仲のいいおばあさんに誘われて行ったのがきっかけだ。
もともとタロはボタン付けなどの裁縫は器用にこなしていたので、手芸も向いていたようだ。
カフェで定期的に開かれている講習会に参加して、カバンやレース編みなど色んなものを作って持って帰ってきて、気にいったものはうちでも作るようになった。
今タロが作っているのは羊毛フェルトの小さなぬいぐるみだ。
ふわふわした羊毛を何色か使い分け、針でぷすぷすとつついてまとめて形を作っている。
真剣な時のタロのくせで寄り目になっているが、口元は微笑んでいるので、楽しみながら作っているようだ。
タロが自分の犬の時の写真を見ながら作ったそれは、表情も体つきも質感も本物のタロそっくりだった。
「すごいなー。これ、タロそっくりだ。
タロ、上手だな」
「えへへ、ありがとうございます」
「あ、そうだ。
もしよかったら、タロも今年のクラフトマーケットでこういうの売ってみないか?」
クラフトマーケットというのは、商店街の夏祭りに合わせて稲荷神社の境内で開催されている、手作り品限定のフリーマーケットだ。
俺たちは毎年参加して小さいサイズの絵を売っていたのだが、タロの手芸の腕なら十分売り物になる。
「いいんですか⁈
僕、売ってみたいです」
「それじゃあ、今年は俺の絵とタロの手芸品で参加だな。
いや、いっそのこと俺も小物にしてみるか?
陶器に描いてオーブンで焼き付けできるペンがあるって聞いたことがあるから、それを使ってイラスト入りのマグカップでも作ろうかな」
幸い、少し前に温めしかできなかった古い電子レンジをオーブンレンジに買い替えたばかりだ。
タロの料理のレパートリーが増えるだけじゃなくて、作品作りにも使えるとは、なかなかいい買い物だったと言える。
「いいですね。
布に書けるペンっていうのもあるらしいので、ご主人様が絵を描いて、僕がバッグとかに仕立ててもいいかもしれません」
「お、それもいいな。
タロと共同制作か」
そんなふうにして俺たちはアイデアを出し合い、タロが通っている手芸カフェの店長さんにも売れ筋を教えてもらって、クラフトマーケットで売る物を決めた。
お店として統一感があった方がいいだろうということで、作る小物はすべて犬のタロをモチーフにしたものだ。
タロは羊毛フェルトで子犬の頃のタロの顔をデフォルメしたものを作って、ピアスやヘアアクセサリーにしている。
タロはあんなに器用なのになぜか絵心は全くないらしくて、お手本がないと作れないと言うので、俺が描いてやったデザイン画を見ながら作っている。
「しかしタロはほんと器用だよなー。
俺、平面はいいんだけど立体は苦手だから、絶対こんなふうにデザイン画の通りに作れないよ」
「けど、その代わりにご主人様は絵が上手ですから。
僕は写真とか絵に似せて作るのはできるけど、ご主人様みたいにかわいくデフォルメできませんし」
「うん、まあそうだよな。
できないことはお互いに助け合えるから、それでいいよな」
「はい!」
そんなことを話しながら、俺の方は布にクレヨンで絵を描いている。
このクレヨンは布に描いてアイロンをかけると定着するというもので、布に書けるペンよりもこっちの方が俺の画風に合っていそうだったので買ってみた。
色とりどりの朝顔を小首を傾げて見ているタロを柔らかいタッチで描いた絵は、我ながら悪くないと思う。
この布はタロが手芸カフェでミシンを借りてトートバッグに仕立ててくれることになっている。
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