脅迫者は優しいご主人様

鳴神楓

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本編

9 剃毛☆

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そんなふうにして、男に呼び出されてSMプレイに付き合わされるということが何回か続いた。
SMと言っても、男が使うのはバイブやローターといった俺でも知っている大人のオモチャと拘束具くらいで、鞭や三角木馬などのいかにもSMという道具はまだ使われていない。(ちなみに三角木馬はホテルの部屋にあった変な台を俺が気にしていたら、男が笑いながら名前と使い方を教えてくれた)
毎回、後で思い出して身悶えするような恥ずかしいことをさせられるのは勘弁して欲しいと思うけれど、肉体的な苦痛はほとんど与えられないので、なんとか男のプレイに付き合うことが出来ている。


今日もまた呼び出されてホテルに行くと、男は先に部屋に入って待っていた。

「えーと、俺が先に風呂入ればいいのか?」

男が風呂に入る様子がないのでそう聞いてみると、男は首を触って横に振った。

「いいえ、今日は一緒に入ろうかと思いまして。
 たまにはお風呂に入るところからプレイを始めるというのもいいでしょう?」
「よくねーよ」

だいたい、お風呂プレイなんて、恋人同士でいちゃいちゃするためのものなんじゃないのだろうか。
SMでそんな恋人プレイをやって、いったい何が楽しいというのだろう。
もしかしたら風呂で準備をするところを観察されるという羞恥プレイということもあるかもしれないが、俺はあらかじめ家で準備の一番恥ずかしいところを済ませて来ているので、その可能性は低いと思う。

「まあ、たとえ君がよくないと思っても、やることに変わりはありませんけれどね」

俺が生意気な口を叩いても、男はそれがプレイの最中でない限りは怒らない。
その代わりに、プレイに関して俺の意見を聞き入れてくれることもないけれど。

仕方がないので、俺は荷物を置いて風呂場に向かった。
黙ってさっさと服を脱いでいると、男も隣に来て服を脱ぎ出す。

「みちる。
 その椅子をシャワーの下に置いて座りなさい」

俺が先に浴室に入ると、後ろから男にそう言われた。
命令口調は、プレイに入った合図だ。
俺は男の方に向き直って「はい、ご主人様」と返事をすると、言われた通りに椅子を移動させて座る。
その間に男も中に入ってきて、シャワーヘッドを手に取ると「お湯をかけますよ」と一声掛けてから、俺にお湯をかけた。
次に男はスポンジにボディソープをつけると、後ろから俺の体を洗い出した。

……えーと、これ、もうプレイ始まってるのか?

俺の体を洗う男の手つきに、特に不自然なところはない。
けれどもそのわりには、乳首やわき腹や内ももなどの感じるところばかり、何回もスポンジが通り過ぎていく。
それなのに、下半身の一番肝心なところは、まだ一度も洗われていないのだ。
これでは、自分が感じるべきなのか、そうでないのか、わからなくて困惑する。

「みちる、座ったままでこちらを向いて足を開きなさい」

命じられた通りに振り返ると、男はいつの間にか手にカミソリを持って立っていた。

「今日は君の陰毛を剃ります。
 そこを綺麗にすれば、君の可愛らしいペニスがよく見えるようになりますし、もっとよくかわいがってあげられるようになりますからね」
「……ありがとう、ございます、ご主人様」

本当は、やめろとか、そんなもんを可愛らしいとか言うなとか、文句を言ってやりたいのだが、男の奴隷である俺は、ご主人様のすることは礼を言って受け入れるしかない。

ちくしょう、こんなもん剃られて、誰かに見られたらどうすんだよ。

今は夏休みだからいいけど、新学期になれば体育で水泳がある。
下の毛の伸びる速さなんか知らないけど、今剃られて新学期までに伸びるかどうか、かなり不安だ。

俺がそんな心配をしている間に、男は俺が開いた足の間にボディソープの泡を丁寧に塗りつけていった。
あまりにも丁寧に敏感なところを触るものだから、どうしても俺のモノも少し反応してしまう。

男は俺のそんな様子を目にしているにもかかわらず、黙ったままでカミソリを手に取り、俺の下の毛を剃り出した。
軽い音を立てて毛を剃りながら、男は剃るのに邪魔になる俺のモノを手のひらでそっと持っている。
本当に持っているだけで、別に擦られたりしているわけではないのに、それだけで俺のモノは少しずつ大きく育っていく。
こんなところの毛を剃られている、という異常な状況のせいもあって、実際与えられている刺激は少ないのにひどく感じてしまって、動かないようにするだけで精一杯だ。

男が俺の下の毛を綺麗に剃り上げた時には、俺のモノは完全に勃ち上がっていた。
子供みたいにツルツルになったところにソレが勃っているのは、自分で見ても卑猥な光景だった。

「さあ、綺麗に剃れましたよ。
 ……おや? ペニスが勃起していますね」

俺のモノが反応しているのはずっと見ていたはずなのに、男はわざとらしくそんなことを言ってくる。

「おかしいですね。
 私はここの毛を剃っていただけで、君のペニスに何かした覚えはないのですが。
 いったいどうして、君はペニスを勃起させているのですか?」
「……申し訳ありません」

謝ったけれど、男はそれでは許してくれなかった。

「私は謝れとは言っていないでしょう?
 どうしてペニスを勃起させているのか、その理由を説明しなさいと言っているのです」

男の声に少し苛立ちが混じる。
俺は慌てて口を開く。

「ご主人様に、毛を剃っていただいて、気持ちよくなってしまったからです」
「そうなのですか?
 しかし、私は毛を剃っていただけで、他には何もしていませんよ。
 それなのに、どうして気持ちよくなってしまったのですか?」
「それは……」

それは、その前に体の感じるところを洗われたせいだとか、カミソリが敏感なところに当たったからだとか、理由がないわけではない。
けれども、男が俺に求めているのは、そういう答えではないと、これまで男のプレイに付き合ってきた俺にはわかっている。

「それは、僕が、恥ずかしい子、だからです。
 ご主人様に、毛を剃っていただくだけで気持ちよくなって、ペニスを勃起させてしまうような、恥ずかしい子だからです」

内心、こんなことを言わされることの方がよっぽど恥ずかしい!と悶えながら、どうにか言い切ると、厳しかった男の表情がふっと緩んだ。

「よく言えましたね。
 それでは、自分のことを上手に説明できたみちるに、ご褒美をあげましょう」

男はそう言うと、スポンジに残っていた泡を手に取って、勃っている俺のモノを握った。

「あっ……んっ…」

今までじれったくなるような微妙な刺激しか与えられていなかった俺に、その刺激は強過ぎた。

「ご、ご主人様、僕、もう、イキそうです……!」
「いいですよ、みちる。
 ちゃんと見ていてあげますから、イキなさい」
「は、い…、あっ、イキ……ます…!」

前回のプレイで命令されたことを忘れていなかった俺は、男にイクことを報告しながら達していた。

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