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父に修道院送りにされた私ですが、聖女になって幸せを手にすることが出来ました!
母は私を産んだと同時に亡くなった。
だが忙しい父に代わり優しいメイドがいつも傍に居てくれたおかげで、私は寂しさを感じる事は余り無かった。
ところが私が十歳を迎えた頃、事態は一変した。
父が、ある美人の女と再婚する事になったのだ。
そして彼女を家に迎える為、メイドは辞めさせらる事に─。
私はそれが寂しく涙したが…新しい母親が出来るのだからもっと喜べと父に怒られ、それ以上泣く事は出来なかった。
その後…継母となる彼女が家にやって来たが、彼女は父が居る前では私に愛想よくしてくれたが、二人きりになるととても素っ気なかった。
だが私は彼女と早く仲良くなりたくて、家事のお手伝いを進んでやるようになった。
ところが彼女は、この子が家事の邪魔をして来る…私が母親になる事が気に喰わなくてそんな事をして来るのだろうと、怒って父に訴えた。
すると父はあっさりそれを信じ、何て意地の悪い子だと私を折檻するように─。
私はそんな日々がとても辛く、こんな事になるなら父が再婚しなければ良かったと思うのだった。
それから半年後…継母の妊娠が判明した。
彼女は女の子を身籠ったらしく、いずれ私に年の離れた妹が出来るのだ。
私はその子が産まれたら、姉として可愛がろうとその誕生を心待ちにして居た。
その後、継母は義妹を無事に出産した。
するとある日、義妹が突然ぐずり始め心配になった私は慌てて駆け寄ったが…それを継母が大声で静止した。
そして、私の娘に触るんじゃない…どうせ悪戯をするつもりで近づいたのだろうと言いがかりを付けて来た。
その後父がその声に驚き部屋に入って来たが、父は継母の言う事をまたもや信じ…私のような者が居ては義妹の成長に悪い影響が出ると言い出し、死んだ女を思い出させる私の存在は邪魔だ…新しい家族も誕生した事だし、邪魔者は早くこの家から出て行くよう私に命じた。
だがまだ成人しても居ない私が独り立ちできるはずもなく…私は田舎の修道院へ送られる事に─。
そうなって、私は漸く自分が父達から捨てられた事に気付くのだった。
だが、私はそこで腐る事は無く…ならば修道女として人生をよりよいものにしようと、日々を大事に生きる事を決めた。
するとそのおかげだろうか…私に、何と聖女の力が覚醒したのだった。
それによって、私を取り巻く環境がいい方向へとどんどん変わって行った。
私はこの国でただ一人しか存在しない聖女であった為、修道院ではなく神殿へと送られることになったのだ。
昔は継母に虐められ、父によって捨てられた私がこんな事になろうとは…。
神官長曰く、修道女になったことがきっかけで私は聖女の力に目覚めたそうだから…結果捨てられて良かったのかも。
神殿での暮らしは、身の回りの事も神官たちがほぼやってくれるから何も不自由はない。
更には、神殿には王族たちも度々訪れ…少し前に、訪れたこの国の王子にも気に入られる事となった。
王様も神官長も、周りの人たちはみな私と王子の仲を温かく見守ってくれて─。
そんなある日、私の元に客人が訪れた。
それは、かつて私を捨てた父親だった。
そしてその隣には、私を虐めた継母と…そして、顔は大層可愛らしいが落ち着きなくキョロキョロと目線をさ迷わせる少女が居た。
「お父様…一体私に何の用なのですか?」
「じ、実は少し前に事業が上手くいかなくなってな。それで、今や聖女となって優雅に暮らしているお前に力を貸して貰おうと思ってな。」
「力…。本当は力ではなく、お金を貸して欲しいのでは?」
私の言葉に、お父様はウッと言葉を詰まらせた。
すると、それを聞いていた継母が声を荒げてこう言った。
「あんた、本当に聖女様なの!?聖女なら、家族が困っていたら喜んで助けの手を差し伸べるでしょうが!」
「…人に助けを求める前に、まずはご自分の生活態度を改めたらいかがです?その身に纏っている豪華な貴金属やドレス、そう言った物を買わないよう質素な暮らしに変えれば、少しは生活が楽になると思いますが。」
私の言葉に、継母は父と同じように言葉を詰まらせた。
するとその時、彼女の隣に座っていた少女が、目の前にあった紅茶やお菓子を床にわざとぶちまけ…それを見た私は、そんな勿体ない事をしてはいけないとその子に声をかけた。
だがその子は謝りもせず私を睨み付け…せっかく遊びに来てあげたのに何様なのよと口答えして来た。
おまけに、戸棚においてあった髪飾りを手に取り、まずい紅茶やお菓子よりもこっちが欲しいと言い放ったのだ。
この子が私の義妹だろうが…こんな両親に育てられたせいか、生まれ持っての気質だろうか…とんでもなく礼儀知らずの人間に育ってしまったようね。
「それは、私にとってとても大事なものなの。あなたにあげることは出来ないわ。」
「ちょっと、姉なら妹に優しくしなさいよ!大体地味顔のあなたに、こんな髪飾りは似合わないわ。なのにこんな物を選ぶなど、センスを疑うわね。」
「全くだ。と言うか、こんな物に金を使うなら家族の俺たちに使うのが筋だろうに!」
父と継母は義妹を諫める事もなく私を責め…そして義妹は、髪飾りを乱雑に扱って…そして、とうとうその一部を壊してしまったのだった。
と、その時…ドアが開き、怒りの表情を浮かべた人物が部屋に入って来たが、それは私を好きになってくれた王子で、更にはその髪飾りを私に送ってくれた人でもあった。
「彼女の部屋から、下品な声が聞こえてきて何かと思ったら…悪かったな、センスがなくて。これは俺が彼女に真心こめて贈った物なのに、壊すなんて何て無礼なことを!」
王子の登場に父と継母はたいそう焦り、義妹は驚きでその場で固まっている。
「聖女である彼女や王子の俺に対する無礼な振る舞い、許されるものではない!彼女に害をなすお前たちは、家族でも何でもない。悪人としてこの国からの追放を命じる!」
「そ、そんな…俺はただ金を借りに来ただけなのに!」
「貧乏も嫌だけど、追放何てもっと耐えられないわよ!」
「わ、私…これがそんなに大事なものって思わなくて─!」
三人は、その場に崩れ落ち涙したが…結局、私に対して謝罪することは一切なかった。
その為、私は父たちを許すことはなく…この件は王子に全てをお任せすることにしたのだった。
そしてこの件によって、私と王子は正式に婚約することになった。
私は神殿から城へと住む場所を移し、もう二度とあのような不埒な輩が近づけないようしっかり護衛されることとなり、愛する王子と幸せな日々を送っている。
そして最近聞いた話だが…この国から追放された父は、今は他国で物乞いのような暮らしをしているらしい。
そして、娘である私を粗末に扱ったことを心から悔いているらしいが…今更遅いわね。
また継母はその美しさが仇になったのか…追放先で出会った男に利用され、娼館送りになってしまったそうだ。
そして義妹だが…最終的にはまだ若いこともあり、更生を目指し修道院へと入らされたらしい。
しかし本人に全くやる気がなく、いまだに顔の容姿やお金に固執するところは変わらないようで…聖女はもちろん、修道女としても未来はないと周りに呆れられているようだ。
そんな態度では、修道院から追放され自身の母親と同じ道を辿りそうだが…今の私には、もはや関係のない話だわ─。
だが忙しい父に代わり優しいメイドがいつも傍に居てくれたおかげで、私は寂しさを感じる事は余り無かった。
ところが私が十歳を迎えた頃、事態は一変した。
父が、ある美人の女と再婚する事になったのだ。
そして彼女を家に迎える為、メイドは辞めさせらる事に─。
私はそれが寂しく涙したが…新しい母親が出来るのだからもっと喜べと父に怒られ、それ以上泣く事は出来なかった。
その後…継母となる彼女が家にやって来たが、彼女は父が居る前では私に愛想よくしてくれたが、二人きりになるととても素っ気なかった。
だが私は彼女と早く仲良くなりたくて、家事のお手伝いを進んでやるようになった。
ところが彼女は、この子が家事の邪魔をして来る…私が母親になる事が気に喰わなくてそんな事をして来るのだろうと、怒って父に訴えた。
すると父はあっさりそれを信じ、何て意地の悪い子だと私を折檻するように─。
私はそんな日々がとても辛く、こんな事になるなら父が再婚しなければ良かったと思うのだった。
それから半年後…継母の妊娠が判明した。
彼女は女の子を身籠ったらしく、いずれ私に年の離れた妹が出来るのだ。
私はその子が産まれたら、姉として可愛がろうとその誕生を心待ちにして居た。
その後、継母は義妹を無事に出産した。
するとある日、義妹が突然ぐずり始め心配になった私は慌てて駆け寄ったが…それを継母が大声で静止した。
そして、私の娘に触るんじゃない…どうせ悪戯をするつもりで近づいたのだろうと言いがかりを付けて来た。
その後父がその声に驚き部屋に入って来たが、父は継母の言う事をまたもや信じ…私のような者が居ては義妹の成長に悪い影響が出ると言い出し、死んだ女を思い出させる私の存在は邪魔だ…新しい家族も誕生した事だし、邪魔者は早くこの家から出て行くよう私に命じた。
だがまだ成人しても居ない私が独り立ちできるはずもなく…私は田舎の修道院へ送られる事に─。
そうなって、私は漸く自分が父達から捨てられた事に気付くのだった。
だが、私はそこで腐る事は無く…ならば修道女として人生をよりよいものにしようと、日々を大事に生きる事を決めた。
するとそのおかげだろうか…私に、何と聖女の力が覚醒したのだった。
それによって、私を取り巻く環境がいい方向へとどんどん変わって行った。
私はこの国でただ一人しか存在しない聖女であった為、修道院ではなく神殿へと送られることになったのだ。
昔は継母に虐められ、父によって捨てられた私がこんな事になろうとは…。
神官長曰く、修道女になったことがきっかけで私は聖女の力に目覚めたそうだから…結果捨てられて良かったのかも。
神殿での暮らしは、身の回りの事も神官たちがほぼやってくれるから何も不自由はない。
更には、神殿には王族たちも度々訪れ…少し前に、訪れたこの国の王子にも気に入られる事となった。
王様も神官長も、周りの人たちはみな私と王子の仲を温かく見守ってくれて─。
そんなある日、私の元に客人が訪れた。
それは、かつて私を捨てた父親だった。
そしてその隣には、私を虐めた継母と…そして、顔は大層可愛らしいが落ち着きなくキョロキョロと目線をさ迷わせる少女が居た。
「お父様…一体私に何の用なのですか?」
「じ、実は少し前に事業が上手くいかなくなってな。それで、今や聖女となって優雅に暮らしているお前に力を貸して貰おうと思ってな。」
「力…。本当は力ではなく、お金を貸して欲しいのでは?」
私の言葉に、お父様はウッと言葉を詰まらせた。
すると、それを聞いていた継母が声を荒げてこう言った。
「あんた、本当に聖女様なの!?聖女なら、家族が困っていたら喜んで助けの手を差し伸べるでしょうが!」
「…人に助けを求める前に、まずはご自分の生活態度を改めたらいかがです?その身に纏っている豪華な貴金属やドレス、そう言った物を買わないよう質素な暮らしに変えれば、少しは生活が楽になると思いますが。」
私の言葉に、継母は父と同じように言葉を詰まらせた。
するとその時、彼女の隣に座っていた少女が、目の前にあった紅茶やお菓子を床にわざとぶちまけ…それを見た私は、そんな勿体ない事をしてはいけないとその子に声をかけた。
だがその子は謝りもせず私を睨み付け…せっかく遊びに来てあげたのに何様なのよと口答えして来た。
おまけに、戸棚においてあった髪飾りを手に取り、まずい紅茶やお菓子よりもこっちが欲しいと言い放ったのだ。
この子が私の義妹だろうが…こんな両親に育てられたせいか、生まれ持っての気質だろうか…とんでもなく礼儀知らずの人間に育ってしまったようね。
「それは、私にとってとても大事なものなの。あなたにあげることは出来ないわ。」
「ちょっと、姉なら妹に優しくしなさいよ!大体地味顔のあなたに、こんな髪飾りは似合わないわ。なのにこんな物を選ぶなど、センスを疑うわね。」
「全くだ。と言うか、こんな物に金を使うなら家族の俺たちに使うのが筋だろうに!」
父と継母は義妹を諫める事もなく私を責め…そして義妹は、髪飾りを乱雑に扱って…そして、とうとうその一部を壊してしまったのだった。
と、その時…ドアが開き、怒りの表情を浮かべた人物が部屋に入って来たが、それは私を好きになってくれた王子で、更にはその髪飾りを私に送ってくれた人でもあった。
「彼女の部屋から、下品な声が聞こえてきて何かと思ったら…悪かったな、センスがなくて。これは俺が彼女に真心こめて贈った物なのに、壊すなんて何て無礼なことを!」
王子の登場に父と継母はたいそう焦り、義妹は驚きでその場で固まっている。
「聖女である彼女や王子の俺に対する無礼な振る舞い、許されるものではない!彼女に害をなすお前たちは、家族でも何でもない。悪人としてこの国からの追放を命じる!」
「そ、そんな…俺はただ金を借りに来ただけなのに!」
「貧乏も嫌だけど、追放何てもっと耐えられないわよ!」
「わ、私…これがそんなに大事なものって思わなくて─!」
三人は、その場に崩れ落ち涙したが…結局、私に対して謝罪することは一切なかった。
その為、私は父たちを許すことはなく…この件は王子に全てをお任せすることにしたのだった。
そしてこの件によって、私と王子は正式に婚約することになった。
私は神殿から城へと住む場所を移し、もう二度とあのような不埒な輩が近づけないようしっかり護衛されることとなり、愛する王子と幸せな日々を送っている。
そして最近聞いた話だが…この国から追放された父は、今は他国で物乞いのような暮らしをしているらしい。
そして、娘である私を粗末に扱ったことを心から悔いているらしいが…今更遅いわね。
また継母はその美しさが仇になったのか…追放先で出会った男に利用され、娼館送りになってしまったそうだ。
そして義妹だが…最終的にはまだ若いこともあり、更生を目指し修道院へと入らされたらしい。
しかし本人に全くやる気がなく、いまだに顔の容姿やお金に固執するところは変わらないようで…聖女はもちろん、修道女としても未来はないと周りに呆れられているようだ。
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