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娘でなくその親友を可愛がる夫に不満でしたが、理由を知ったからにはもう一緒に居られません。
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私には、宝物のような一人娘が居る。
だが我が子を可愛がる私とは反対に、夫ははろくに可愛がろうとしなかった。
それどころか不細工だの愛想がないだの、貶すような言葉ばかりを投げつける。
そしてそんな夫を年頃の娘は嫌がり、その仲は最悪なものになって行った。
しかしそんな夫だが、娘の親友だけは可愛がって居た。
彼女が家に遊びに来たら自ら進んでその子に声をかけ、やたら容姿を褒めたり…わざわざ高級なお菓子を買い与えたりと何かと贈り物をするのだ。
あの子ばかり贔屓され、娘が可哀そうだわ…。
私はそんな仕打ちを受ける娘が不憫で仕方なく、何時ものように夫を咎めた。
「いい加減、自分の娘の方を大事にして下さい!あの子があなたに懐かないのも、あなたがあの子を愛そうとしないからです。」
しかし夫は、私の言う事などまともに聞きはしなかった。
「俺が誰を可愛いと言おうと俺の勝手だ!そもそも娘が可愛くないのも愛想が無いのも、全部お前が悪い。お前の悪い所が似たんだ!政略結婚などするんじゃなかった、可愛くない妻に娘が居て、俺の人生は最悪だよ。その点…あの女の子は本当に可愛いよ。愛くるしくていつまでもそばに置いておきたくなる。」
そう言ってうっとりとした顔で娘の親友について語る夫に、私はついに我慢の限界を迎えた。
するとそんな中…大事な話があると、私は娘から話かけられた。
そしてそんな娘の手には、一冊の日記帳が─。
その持ち主は、娘の親友の物で…私はいけないとは思いつつ娘に言われるままページを開いた、そして驚きで声を失った。
と言うのも…そこには私の夫との不倫関係に溺れる日々が、大層詳しく書いてあったからだ。
「あの子の、そして私のお父様のお互いを見る目が何だか異常に思えて…それで、あの子の部屋に遊びに行った時、探りを入れてみたの。あの子、昔から何でも日記に書き残す癖があったから。お母様…私、こんな事をする二人が許せないわ!」
そう言って怒りを顕わにする娘に、同感だと言っ私は大きく頷き返した。
と言うのも、日記には夫から彼女へのラブレターが貼り付けてあり…そこには夫の字で、私に対する酷い暴言も書かれて居たからだ。
『可愛くない娘や妻など捨てて、可愛い君と毎日過ごす事が出来たらどれだけ幸せか…。いっそあんな妻子など捨てて、君と愛の逃避行をしたいよ─。』
全く、気色の悪い男だわ。
娘と同じ年の女に夢中になって、こんな物を送りつけるとは─。
そんなに私と娘と一緒に居たくないなら結構、こちらからあなたの元を去るわ─。
その後…私は夫に離縁を突きつけ、この家を出る事に─。
突然の別れを理解できない夫だったが、彼女の日記や自らが送ったラブレターを突きつけたら漸く事の重大さを理解した。
そして私はそんな夫に多額の慰謝料を請求し、ついでに実家から出して貰っていた夫の事業への協力金の中止も告げ…そのお金を充てにしていた夫は泣きながら謝って来たが、当然私は許す気はなかった。
すると夫は、娘を味方につけようと今更すり寄ったが…夫を嫌っている娘は、汚物でも見るかのようにこう言った。
「あなたが私を嫌って居るのは、とっくの昔に理解して居ました。この件で漸くあなたと親子の縁を切る事が出来て清々して居ます。」
「そ、そんな…。」
「私とお母様が居なくなっても、あなたにはあの子が居るからいいでしょう?まぁ、このまま一緒になれるとは思えませんがね。」
娘の言葉に、夫は頭にはてなマークが浮かんだようだが…そんな間抜け面の男などもう知らないと、私と娘は家を出るのだった。
その後…元夫は私に慰謝料を払うとすぐ事業が上手く行かなくなり、家も土地も全て失った。
すると元夫は、愛する彼女を頼ろうとしたが…彼女は修道院へと送られておりもうこの地には居らず、結果として夫には何も残らない形となったのだ。
娘は、彼女の家が非常に世間体を気にする家だと理解して居て…あの日記を彼女の両親にも見せ、彼女が最初に夫を誘った事…そのせいで私の家が滅茶苦茶になったと涙ながらに彼女の両親に訴えた事で、彼女はそんな厳しい罰を受けたのだ。
そしてそれをとっくの昔に知って居たから、夫にあのような言葉を投げつけて居たのだった。
そんな娘は新しく越してきた地で通い始めた学園で、ある素敵なご子息と恋仲となりとても幸せそうな日々を送って居る。
また私も、娘と同じクラスの…男で一つでその子を育てているお金持ちの殿方と親しい仲となり、将来を前提としたお付き合いを開始した。
思い切って夫と離縁し、見知らぬ土地に引っ越して来て良かった…。
おかげで娘も私も、将来を一緒に過ごしたいと思える相手に巡り合えた。
何より、私の愛する人が愛する娘を可愛がって大事にしてくれる姿を見られる何て…こんなに嬉しい事はない。
実の父と娘のように会話をする二人を見て…私は今度こそ温かい家庭を築く事が出来るだろうと、安堵の笑みを浮かべるのだった─。
だが我が子を可愛がる私とは反対に、夫ははろくに可愛がろうとしなかった。
それどころか不細工だの愛想がないだの、貶すような言葉ばかりを投げつける。
そしてそんな夫を年頃の娘は嫌がり、その仲は最悪なものになって行った。
しかしそんな夫だが、娘の親友だけは可愛がって居た。
彼女が家に遊びに来たら自ら進んでその子に声をかけ、やたら容姿を褒めたり…わざわざ高級なお菓子を買い与えたりと何かと贈り物をするのだ。
あの子ばかり贔屓され、娘が可哀そうだわ…。
私はそんな仕打ちを受ける娘が不憫で仕方なく、何時ものように夫を咎めた。
「いい加減、自分の娘の方を大事にして下さい!あの子があなたに懐かないのも、あなたがあの子を愛そうとしないからです。」
しかし夫は、私の言う事などまともに聞きはしなかった。
「俺が誰を可愛いと言おうと俺の勝手だ!そもそも娘が可愛くないのも愛想が無いのも、全部お前が悪い。お前の悪い所が似たんだ!政略結婚などするんじゃなかった、可愛くない妻に娘が居て、俺の人生は最悪だよ。その点…あの女の子は本当に可愛いよ。愛くるしくていつまでもそばに置いておきたくなる。」
そう言ってうっとりとした顔で娘の親友について語る夫に、私はついに我慢の限界を迎えた。
するとそんな中…大事な話があると、私は娘から話かけられた。
そしてそんな娘の手には、一冊の日記帳が─。
その持ち主は、娘の親友の物で…私はいけないとは思いつつ娘に言われるままページを開いた、そして驚きで声を失った。
と言うのも…そこには私の夫との不倫関係に溺れる日々が、大層詳しく書いてあったからだ。
「あの子の、そして私のお父様のお互いを見る目が何だか異常に思えて…それで、あの子の部屋に遊びに行った時、探りを入れてみたの。あの子、昔から何でも日記に書き残す癖があったから。お母様…私、こんな事をする二人が許せないわ!」
そう言って怒りを顕わにする娘に、同感だと言っ私は大きく頷き返した。
と言うのも、日記には夫から彼女へのラブレターが貼り付けてあり…そこには夫の字で、私に対する酷い暴言も書かれて居たからだ。
『可愛くない娘や妻など捨てて、可愛い君と毎日過ごす事が出来たらどれだけ幸せか…。いっそあんな妻子など捨てて、君と愛の逃避行をしたいよ─。』
全く、気色の悪い男だわ。
娘と同じ年の女に夢中になって、こんな物を送りつけるとは─。
そんなに私と娘と一緒に居たくないなら結構、こちらからあなたの元を去るわ─。
その後…私は夫に離縁を突きつけ、この家を出る事に─。
突然の別れを理解できない夫だったが、彼女の日記や自らが送ったラブレターを突きつけたら漸く事の重大さを理解した。
そして私はそんな夫に多額の慰謝料を請求し、ついでに実家から出して貰っていた夫の事業への協力金の中止も告げ…そのお金を充てにしていた夫は泣きながら謝って来たが、当然私は許す気はなかった。
すると夫は、娘を味方につけようと今更すり寄ったが…夫を嫌っている娘は、汚物でも見るかのようにこう言った。
「あなたが私を嫌って居るのは、とっくの昔に理解して居ました。この件で漸くあなたと親子の縁を切る事が出来て清々して居ます。」
「そ、そんな…。」
「私とお母様が居なくなっても、あなたにはあの子が居るからいいでしょう?まぁ、このまま一緒になれるとは思えませんがね。」
娘の言葉に、夫は頭にはてなマークが浮かんだようだが…そんな間抜け面の男などもう知らないと、私と娘は家を出るのだった。
その後…元夫は私に慰謝料を払うとすぐ事業が上手く行かなくなり、家も土地も全て失った。
すると元夫は、愛する彼女を頼ろうとしたが…彼女は修道院へと送られておりもうこの地には居らず、結果として夫には何も残らない形となったのだ。
娘は、彼女の家が非常に世間体を気にする家だと理解して居て…あの日記を彼女の両親にも見せ、彼女が最初に夫を誘った事…そのせいで私の家が滅茶苦茶になったと涙ながらに彼女の両親に訴えた事で、彼女はそんな厳しい罰を受けたのだ。
そしてそれをとっくの昔に知って居たから、夫にあのような言葉を投げつけて居たのだった。
そんな娘は新しく越してきた地で通い始めた学園で、ある素敵なご子息と恋仲となりとても幸せそうな日々を送って居る。
また私も、娘と同じクラスの…男で一つでその子を育てているお金持ちの殿方と親しい仲となり、将来を前提としたお付き合いを開始した。
思い切って夫と離縁し、見知らぬ土地に引っ越して来て良かった…。
おかげで娘も私も、将来を一緒に過ごしたいと思える相手に巡り合えた。
何より、私の愛する人が愛する娘を可愛がって大事にしてくれる姿を見られる何て…こんなに嬉しい事はない。
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