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【3話】

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三番目は子爵家の次男、シアン・グラファイト様。

涼やかな空色の髪に、透き通った湖のような色の瞳、成績優秀で物静か、卒業と同時に侯爵家に養子に入る事が決まっている。

婚約者はバイオレット・ローシェンナ様。

ローシェンナ侯爵家の令嬢で、シアン様に一目惚れした彼女との結婚でシアン様は侯爵家の跡取りになれる。

彼は教会最高峰のボルドー倪下の落胤。

ヒロインと教会デートをして、倪下と似てるわね発言からボルドー倪下が自分の息子だと気付き、シアン様を聖職者にする為に引き取る事になる。

もちろん、バイオレット様は虐めや暗殺を企てるが、聖女に目覚めたヒロインによってことごとく失敗。

断罪で婚約破棄はされるが、聖職者の元婚約者として処刑だけは免れる。

その代わり、辺境の修道院で一生を過ごす事になる。

聖職者となったシアン様と聖女であるヒロインの結婚は、神からも祝福され、二人は幸せに過ごしました。

この修道院、調べてみたら厳しい事で有名だった。

知人はもちろん家族とも会わせてもらえなくなり、手紙のやりとりも一切禁止という徹底振り。

この世界では人生の墓場とまで言われていた。

最後に、クラウド・ヴェスタ様。

灰銀の髪に真っ赤な瞳をしていて、無口で思いやりがあり、有言実行タイプ。

彼は男爵家の子息でナイルブルー侯爵家に仕えているという設定だが、実際は王弟殿下、カーマイン大公爵の息子で正式な王位継承権を持っている。

婚約者はカナリア・ナイルブルー様。

ナイルブルー侯爵家の令嬢で、何故か彼女は生まれた時からクラウド様との婚約が秘密裏に決まっていた。

ナイルブルー侯爵家は王弟殿下直属の特殊部隊の隊長を務める家で、王位継承権所持者として暗殺されない為にも、クラウド様が身を隠すには丁度良い家だったので、婚約はその流れからだと思われる。

このルートは、悪役令嬢達の中で唯一虐めもないままヒロインとカナリア様が仲良くなって、カナリア様は大好きな2人の為に大人しく身を引くという円満解決ルート。

マンネリの脱却なのか、カナリア様は私達と違って10歳の少女という設定だから配慮されたんでしょうね。

さすがに幼い少女を断罪するのはどうかと思うので、そういうのも有りだなとは思う。

だけど、殺伐とした他のルートを緩和してくれるほのぼのルートとして話題にはなったが、円満解決に刺激が足りないとして人気はイマイチだった。

後は、確実に1人はいるだろう隠れキャラが思い出せないのよね…。
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