22 / 27
【21話】
しおりを挟む
不意に聞こえる威厳のある声に驚いて顔を向けると、国王陛下がそこに居た。
良く見ると、会場の大扉が開け放たれていて、中から私達を窺うように沢山の人がこちらを見ていた。
どうやら、私達は言い合いながらいつの間にか大扉の近くまで移動していたみたい。
申し訳なさそうな警備兵の方々がいる。
もしかしたら、国王陛下に止められていたのかしら?
「余がミモザ・ローズミスト侯爵令嬢とグレイ・オーカー男爵令息の婚約を許可したのだ。その事に不服があるなら申してみよ」
大御所登場ね。
国王陛下は私とグレイの婚約を許可してくれたけれど、心情的にはやっぱり、カクタス様と婚約して欲しかったのかしら?
「はい!元々、自分とミモザが婚約するハズだったんです!それを、この男が横槍を入れたから…。どうか、正当な判断を!俺とミモザの関係を正して下さい!」
私にとってはあり得ない主張と言動だわ。
「確かに、お前が幼少の頃にミモザ嬢との顔合わせはあったと聞いた。だが、お前はミモザ嬢に対して酷い言葉を吐き、挙げ句の果てに池に突き落としたと報告が「それは違います!ミモザが勝手に池に飛び込んだんだ!」……」
何という不敬。
国王陛下の言葉を遮るなんて…。
それに、あれだけ言ってもまだ私が勝手に飛び込んだと思い込んでいるのね。
やった方は忘れてしまっても、やられた方は忘れられないのよ?
「余の信頼を置ける者からの報告だ。お前はミモザ嬢を突き飛ばして池に落とした。これは紛れもない事実だ」
「そんな!国王陛下…いえ、父上!俺は貴方の息子ですよ?俺の言う事が信じられないというのですか!?」
あ!
言っちゃった!
国王陛下が遮ってまで隠したのに…。
王妃様から隠していたのにね。
扉の向こうがざわめいている。
聞こえた人から波紋のように広がっていく。
「何を勘違いしているのか知らんが、余の息子にこんな愚息はおらん。例え居たとしても、女性に不埒な真似をするような者は教育が足りておらんという事。恥ずかしくて世には出せぬ」
一見、突き放してるように聞こえるけど一応まだ庇うのね。
寵妃様の息子ですものね。
本来なら一番跡を継がせたい子供だから、招待状の細工に許可を出したのでしょう?
まさか、あんなお粗末な結果になるとは思いもよらなかったでしょうけど。
良く見ると、会場の大扉が開け放たれていて、中から私達を窺うように沢山の人がこちらを見ていた。
どうやら、私達は言い合いながらいつの間にか大扉の近くまで移動していたみたい。
申し訳なさそうな警備兵の方々がいる。
もしかしたら、国王陛下に止められていたのかしら?
「余がミモザ・ローズミスト侯爵令嬢とグレイ・オーカー男爵令息の婚約を許可したのだ。その事に不服があるなら申してみよ」
大御所登場ね。
国王陛下は私とグレイの婚約を許可してくれたけれど、心情的にはやっぱり、カクタス様と婚約して欲しかったのかしら?
「はい!元々、自分とミモザが婚約するハズだったんです!それを、この男が横槍を入れたから…。どうか、正当な判断を!俺とミモザの関係を正して下さい!」
私にとってはあり得ない主張と言動だわ。
「確かに、お前が幼少の頃にミモザ嬢との顔合わせはあったと聞いた。だが、お前はミモザ嬢に対して酷い言葉を吐き、挙げ句の果てに池に突き落としたと報告が「それは違います!ミモザが勝手に池に飛び込んだんだ!」……」
何という不敬。
国王陛下の言葉を遮るなんて…。
それに、あれだけ言ってもまだ私が勝手に飛び込んだと思い込んでいるのね。
やった方は忘れてしまっても、やられた方は忘れられないのよ?
「余の信頼を置ける者からの報告だ。お前はミモザ嬢を突き飛ばして池に落とした。これは紛れもない事実だ」
「そんな!国王陛下…いえ、父上!俺は貴方の息子ですよ?俺の言う事が信じられないというのですか!?」
あ!
言っちゃった!
国王陛下が遮ってまで隠したのに…。
王妃様から隠していたのにね。
扉の向こうがざわめいている。
聞こえた人から波紋のように広がっていく。
「何を勘違いしているのか知らんが、余の息子にこんな愚息はおらん。例え居たとしても、女性に不埒な真似をするような者は教育が足りておらんという事。恥ずかしくて世には出せぬ」
一見、突き放してるように聞こえるけど一応まだ庇うのね。
寵妃様の息子ですものね。
本来なら一番跡を継がせたい子供だから、招待状の細工に許可を出したのでしょう?
まさか、あんなお粗末な結果になるとは思いもよらなかったでしょうけど。
1
あなたにおすすめの小説
女性が少ない世界に転生した控えめ伯爵令嬢、なぜか五人の婚約候補に選ばれて少しずつ恋を知っていきます
ノッポ
恋愛
女性が極端に少ない異世界に転生した私は、気づけば伯爵令嬢になっていた。
前世は日本で普通に生きていたせいか、貴族令嬢らしい強気な振る舞いがどうしても苦手。
社交界デビューを迎えても、「どうして私が選ばれるの?」と戸惑うばかりだった。
けれど今年デビューする高位令嬢はわずか三人。
家同士の思惑も重なり、騎士団長家の息子、宰相子息、魔術師団長の息子、幼なじみの侯爵子息、そして英雄騎士――
五人の若きエリートとのお見合いが次々と始まってしまう。
遠慮がちで控えめな性格は、この世界では珍しく、気づけば少しずつ距離を縮めていく彼ら。
異世界での恋愛に戸惑う日々。けれど出会いを重ねるたびに、私は少しずつ変わっていく――。
女性希少世界の社交界で、自分の幸せを選べるようになるまでの
ほのぼの甘い逆ハーレム恋愛ファンタジー。
天然だと思ったギルド仲間が、実は策士で独占欲強めでした
星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー本編8話+後日談7話⭐︎
ギルドで働くおっとり回復役リィナは、
自分と似た雰囲気の“天然仲間”カイと出会い、ほっとする。
……が、彼は実は 天然を演じる策士だった!?
「転ばないで」
「可愛いって言うのは僕の役目」
「固定回復役だから。僕の」
優しいのに過保護。
仲間のはずなのに距離が近い。
しかも噂はいつの間にか——「軍師(彼)が恋してる説」に。
鈍感で頑張り屋なリィナと、
策を捨てるほど恋に負けていくカイの、
コメディ強めの甘々ギルド恋愛、開幕!
「遅いままでいい――置いていかないから。」
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
魔力ゼロと捨てられた私を、王子がなぜか離してくれません ――無自覚聖女の王宮生活――
ムラサメ
恋愛
伯爵家で使用人同然に扱われてきた少女、エリナ。
魔力も才能もないとされ、義妹アリシアの影で静かに生きていた。
ある日、王国第一王子カイルの視察で運命が動き出す。
誰も気づかなかった“違和感”に、彼だけが目を留めて――。
私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。
小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。
「マリアが熱を出したらしい」
駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。
「また裏切られた……」
いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。
「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」
離婚する気持ちが固まっていく。
前世で孵した竜の卵~幼竜が竜王になって迎えに来ました~
高遠すばる
恋愛
エリナには前世の記憶がある。
先代竜王の「仮の伴侶」であり、人間貴族であった「エリスティナ」の記憶。
先代竜王に真の番が現れてからは虐げられる日々、その末に追放され、非業の死を遂げたエリスティナ。
普通の平民に生まれ変わったエリスティナ、改めエリナは強く心に決めている。
「もう二度と、竜種とかかわらないで生きていこう!」
たったひとつ、心残りは前世で捨てられていた卵から孵ったはちみつ色の髪をした竜種の雛のこと。クリスと名付け、かわいがっていたその少年のことだけが忘れられない。
そんなある日、エリナのもとへ、今代竜王の遣いがやってくる。
はちみつ色の髪をした竜王曰く。
「あなたが、僕の運命の番だからです。エリナ。愛しいひと」
番なんてもうこりごり、そんなエリナとエリナを一身に愛する竜王のラブロマンス・ファンタジー!
子供にしかモテない私が異世界転移したら、子連れイケメンに囲まれて逆ハーレム始まりました
もちもちのごはん
恋愛
地味で恋愛経験ゼロの29歳OL・春野こはるは、なぜか子供にだけ異常に懐かれる特異体質。ある日突然異世界に転移した彼女は、育児に手を焼くイケメンシングルファザーたちと出会う。泣き虫姫や暴れん坊、野生児たちに「おねえしゃん大好き!!」とモテモテなこはるに、彼らのパパたちも次第に惹かれはじめて……!? 逆ハーレム? ざまぁ? そんなの知らない!私はただ、子供たちと平和に暮らしたいだけなのに――!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる