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≪本編≫
【本編16】
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【十夜side】
「いや、あの。えーっと」
「悪い話じゃないと思うの。すぐに決めてとは言わないわ。良かったら、前向きに検討してくれると嬉しいわ」
俺は今、小野田社長に詰め寄られている。
ソロの撮影は順調で、嫌な気分を払拭しようとして、カメラマン山田の要望に答えまくっていたら、小野田社長から“OMIの専属にならないか?”と言われた。
秀臣のメイクオフも終わり、ギャラを払うから待っていてと控え室にいたら、勢い良く話を持ちかけられた。
ホントなら、秀臣のヘアメイクはやってあげたいけど周囲にYORUとバレるリスクが高くなるから無理だ。
それでなくても今回はYORUで顔を晒してしまった訳だし。
「朝倉さんの後任が決まるまででも、お試し期間としてお願い出来ませんか?」
秀臣が横から口を挟んできた。
そんな捨てられた仔猫の様に見るなよ。
今回みたいに繋がりが縦や横に延びなければ何とかなる。
ただ、秀臣にはあいつが接触してこないとは限らない。
説明しておかないと警戒出来ないから。
秀臣に知られた後に避けられる可能性もあるし、対応次第では2度と会わない事もあり得る訳で…。
まぁ、結果は何となく解ってるんだけどな。
いい子だったからなぁ。
「3日後に大手のお菓子会社の撮影があるの。それまでには後任が決まるとも思えないのよね」
「「お願いします」」
あー、もう。この親子はこんなトコで似るなよ。
親子って隠してるんじゃないのか?
周りにバレるぞ?
「…解りました。3日後はお受けします。その後の事は考えさせて下さい」
しょうがない…。
途中から山田の要望と自分の希望が妙にシンクロして、楽しくなっちゃってやり過ぎた自分が悪い。
さっきも思ったけど、山田は結構気が合うかも?
…じゃない。
取り敢えず、後任が決まるまでやろう。
「ええ。もちろんよ。3日後、11時に事務所に来てもらえる?場所は…」
「はい。解りました」
小野田社長に事務所の場所を教わりメモを取る。
「その時に、前回のギャラを払わせてもらうわね」
「あっと…ありがとうございます」
貰えるものは貰っておく。
俺は素直に礼を言った。
「携帯持ってないって話を聞いたのだけど、連絡先を教えてはもらえないかしら?」
「実は、携帯修理に出したら、代替機借りれなくて…すいません」
俺は適当な嘘を付いた。
「そう。じゃ、これ。社用携帯を渡しておくわね」
「…お借りします」
嫌だけど受けとる。
ヘタに嫌がるとかえって詮索されそうだから。
「番号は事務所と私の携帯とOMIの携帯しか入ってないわ」
…これ、新品じゃね?
最初から渡す気満々ってトコか…。
「解りました。何か変更があったらお願いします」
無難にそれだけ言った。
「やった!葉月さん。よろしくお願いします」
「うん。よろしくお願いします」
嬉しそうな秀臣だが、目はチラチラと壁の時計を見ていた。
待ち合わせの時間は決めてないけど、YORUと別れてからかなりの時間が経っているから気が気じゃないんだろう。
…目の前にいるんだがなw
「それじゃあ、今日はこれで失礼します。まだ、引っ越しの片付けが残っているので…お疲れ様でした」
嘘も方便。
俺も行かなきゃなんないから、さっさと退却だ。
「いや、あの。えーっと」
「悪い話じゃないと思うの。すぐに決めてとは言わないわ。良かったら、前向きに検討してくれると嬉しいわ」
俺は今、小野田社長に詰め寄られている。
ソロの撮影は順調で、嫌な気分を払拭しようとして、カメラマン山田の要望に答えまくっていたら、小野田社長から“OMIの専属にならないか?”と言われた。
秀臣のメイクオフも終わり、ギャラを払うから待っていてと控え室にいたら、勢い良く話を持ちかけられた。
ホントなら、秀臣のヘアメイクはやってあげたいけど周囲にYORUとバレるリスクが高くなるから無理だ。
それでなくても今回はYORUで顔を晒してしまった訳だし。
「朝倉さんの後任が決まるまででも、お試し期間としてお願い出来ませんか?」
秀臣が横から口を挟んできた。
そんな捨てられた仔猫の様に見るなよ。
今回みたいに繋がりが縦や横に延びなければ何とかなる。
ただ、秀臣にはあいつが接触してこないとは限らない。
説明しておかないと警戒出来ないから。
秀臣に知られた後に避けられる可能性もあるし、対応次第では2度と会わない事もあり得る訳で…。
まぁ、結果は何となく解ってるんだけどな。
いい子だったからなぁ。
「3日後に大手のお菓子会社の撮影があるの。それまでには後任が決まるとも思えないのよね」
「「お願いします」」
あー、もう。この親子はこんなトコで似るなよ。
親子って隠してるんじゃないのか?
周りにバレるぞ?
「…解りました。3日後はお受けします。その後の事は考えさせて下さい」
しょうがない…。
途中から山田の要望と自分の希望が妙にシンクロして、楽しくなっちゃってやり過ぎた自分が悪い。
さっきも思ったけど、山田は結構気が合うかも?
…じゃない。
取り敢えず、後任が決まるまでやろう。
「ええ。もちろんよ。3日後、11時に事務所に来てもらえる?場所は…」
「はい。解りました」
小野田社長に事務所の場所を教わりメモを取る。
「その時に、前回のギャラを払わせてもらうわね」
「あっと…ありがとうございます」
貰えるものは貰っておく。
俺は素直に礼を言った。
「携帯持ってないって話を聞いたのだけど、連絡先を教えてはもらえないかしら?」
「実は、携帯修理に出したら、代替機借りれなくて…すいません」
俺は適当な嘘を付いた。
「そう。じゃ、これ。社用携帯を渡しておくわね」
「…お借りします」
嫌だけど受けとる。
ヘタに嫌がるとかえって詮索されそうだから。
「番号は事務所と私の携帯とOMIの携帯しか入ってないわ」
…これ、新品じゃね?
最初から渡す気満々ってトコか…。
「解りました。何か変更があったらお願いします」
無難にそれだけ言った。
「やった!葉月さん。よろしくお願いします」
「うん。よろしくお願いします」
嬉しそうな秀臣だが、目はチラチラと壁の時計を見ていた。
待ち合わせの時間は決めてないけど、YORUと別れてからかなりの時間が経っているから気が気じゃないんだろう。
…目の前にいるんだがなw
「それじゃあ、今日はこれで失礼します。まだ、引っ越しの片付けが残っているので…お疲れ様でした」
嘘も方便。
俺も行かなきゃなんないから、さっさと退却だ。
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