【俺は期間限定だった幸せを掴み取ったらしい】

In・san・i・ty=DoLL

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≪本編≫

【本編47】

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「お風呂入りましょうか?」

「…うん」

ちょっとしょんぼりした十夜さんは、黙って俺に抱き抱えられたまま脱衣所まで移動する。

「さ、脱いで」

「え?」

混乱している十夜さんの前ボタンのセーターをさっさと脱がしていく。

「はい、万歳」

「あぅ…」

着ていたシャツからタンクトップから全部纏めて引っ張りあげる。

白い肌がやけに生々しくて、思わず唾を飲み込んだ。

「…秀臣も脱げ」

俺のトレーナーをたくし上げて手が止まる。

俺が万歳をしたら確実に手が届かないからだ。

「ムスッとした顔も可愛いですよ」

「なっ…あぅ‥」

十夜さんのほっぺにキスをしつつ、自分の服を脱ぐ。

「もう、遠慮はしません」

「わっ、ちょっと待て!」

ズボンと下着に手をかけると、さすがに止められた。

「待ちません」

「わぁっ」

「寒いから先にシャワー浴びてて下さいね」

勢い良く脱がしてから、お風呂場に促した。

十夜さんは大人しく靴下を脱ぎながらお風呂場に入り、シャワーを出す。

俺も自分のズボンと下着、靴下を脱いで後に続く。

洗い場の椅子におとなしく座ってシャワーを浴びている十夜さんの前に跪いた。

「ホントに洗うのか?」

「洗ってあげます」

「じゃ、頭…からな」

にっこり笑えば、十夜さんは黙って頭を差し出してくれた。

「人に洗うなんて初めてだから、嫌だったら言って下さいね?」

対面だからちょっとやりづらいけど、自分が洗って気持ちいいトコを擦って、探り探り洗う。

「ん。平気。あ、でもおでこの生え際もうちょっと擦って」

言われた通りにおでこに手をやる。

「そそ。それ、いい感じ」

そのまま十夜さんに教わりながら洗い終わると、十夜さんが立ち上がった。

「俺も洗う」

それは嬉しいんですけど、その位置は目のやり場に困ります…。

ある意味男らしいけど。

気付いてないから黙っていよう。

ちなみに俺は一応隠してますよ。

「椅子、座れ」

「はい」

俺が椅子に座ると、十夜さんは俺の後ろに回って俺の髪を洗い出した。

さすがに本職なだけあって気持ちいい。

洗髪が終わったタイミングで十夜さんを抱き寄せて膝に乗せる。

しっかり抱き止めると、十夜さんは上目遣いに俺を見た。

「体も洗うんだよな?」

「もちろんです」

にっこり笑ってキスをすれば、十夜さんは黙って体を預けてきた。

「…その‥後ろからは…怖い‥から…」

「解ってます。だから向かい合って俺の足に跨がって首にしがみついてくれますか?」

「…ん」

十夜さんが言う通りに、俺の足に跨がって首に腕を絡ませたのを見計らって、抱き締めるような形で泡立てたボディソープを背中から腰に滑らせるように洗う。

この体勢際どいんだけど、素直に跨がるから解ってないんだな。

背中を洗い、少し体を離してもらって腕から手首、首から胸にかけて。

そして、下半身も。

「‥んっ…わぁ…っん…」

ゆっくりそっと丁寧に隅々まで洗う。

抵抗するかと思って十夜さんを見つめたら、恥ずかしそうに目を潤ませていた。

どうやら好きにさせてくれるみたいだ。

時々ビクビクしているのが堪らない。

段々息が上がっていくのが解る。

…俺の理性が暴走しそうなんですけど。

心を落ち着けながら、原液のボディソープを十夜さんの尻にたっぷりつける。

「…あっ!秀臣!そこはっ!…んっ…」

ここは指でそっと撫でるように洗う。

「ここも洗いましょうね」

宣言通り隅々どころか中まできっちりと弄っ…洗ってから湯船に浸かる。

「大丈夫ですか?」

「…あんなの‥初めてで…その…」

ぐったりと体を預けていた十夜さんの耳元で囁くと、微かに返事が帰ってきた。

「やっぱり、お互いの気持ちが通じてないなら気持ち良くはならないんですよ」

「うん」

素直に納得してくれたので、もう一度解りやすく抱き締める。

…年齢的に駄目だって解ってたけど、やり方を調べておいて良かった。

実は、母さんの本だと細かく解らないからネットで調べていた。

ちょっとやり過ぎたかもだけど、色っぽい十夜さん見れて幸せ。

のぼせる前に風呂から上がり、自力で立つのが怪しい十夜さんの体を拭き、近くにあった洗濯済みの俺のTシャツを着せる。

十夜さんの着替えもあったけど、せっかくだから彼シャツを実行してみる。

そのまま、十夜さんを抱き抱えて俺の部屋に行く。

「ちょっとだけ待ってて下さいね」

そっと十夜さんをベッドに降ろしてから、俺はリビングに行ってミネラルウォーターのペットボトルを2本、脱衣場からいつも使っているドライヤーとヘアウォーターを持ってくる。

「どうぞ」

「ありがと」

そのままベッドの上で十夜さんの髪と自分の髪を乾かす。

今日も拘りのスキンケアを施す十夜さんに身を任せていたが、終わったタイミングで十夜さんを抱き締める。

「秀臣?」

「ホントはもっと十夜さんといっぱい話し合って、ゆっくり歩み寄っていきたいと思ってたんです」

「うん」

「でも、ごめんなさい。我慢出来ない…抱きたい…」

じっと見つめると、俺の言葉に恥ずかしそうに頷いてくれた十夜さん。

「…秀臣をくれるんだろ?ちょうだい。そんで、俺だけじゃなく秀臣にも気持ち良くなって欲しい」

そう言って、そっと抱き締め返してキスをしてくれる。

「十夜さん…」

「お互いの気持ちが大事って教えてくれただろ?なら、秀臣だったら平気。それに、俺は秀臣に触って欲しい」

十夜さんは今、ものすごい恐怖と戦ってるんだと思う。

だって、抱き締めてくれている身体が小刻みに震えているから。

「十夜さん。ありがとう。大好きです」

少しでも恐怖が和らぐようにと、声をかけながらキスを繰り返す。

「愛してる」

そのまま、深くなるキスをしながら十夜さんをベッドにゆっくり寝かす。

「十夜さん。好き」

「ん‥ん…ぁんっ」

そして、十夜さんが本気で嫌がってないか確かめながら、ゆっくりじっくり8年分の想いを込めて、俺は十夜さんを愛した。
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