39 / 56
26.
しおりを挟む
「うん、黒川に食べさせてもらうと薄味の病院食も美味しい」
「病院食に失礼だぞ、、、というかやっぱり看護士さんに食べさせてもらった方がいいんじゃないか?」
無事に目を覚ました城田だが、倒れる時まで俺を守ろうとして俺を抱きしめるように倒れたせいで、俺の体重と城田自身の体重が腕に集中して骨折してしまっていたらしい。
それも利き手だったため、今城田は本人曰く上手くご飯を食べることが出来ないらしい。
俺のために骨折してしまったわけだし食べさせてくれと頼まれたら、断るわけにもいかず、俺は決してしないと決めていた城田へのアーンをまたやる羽目になってしまった。
何度見ても城田が俺の手からご飯を食べる姿はイケナイことをしているような気になってしまう。
しかも今は城田への気持ちに気付いてしまっている。
背徳感以外にも何か別のイケナイ気持ちも湧いてきてしまう。
そんな俺の葛藤などつゆ知らず笑顔でご飯を頬張る城田、、、なんかムカつく。
「知らない人に食べさせてもらう方が恥ずかしいのは黒川だって分かるだろ。」
確かに知ってる人に食べさせてもらった方が緊張せずに食べれるとは思う。
だけど俺はお前が好きになってしまっているからどうしても意識してしまうんだよ。
前は適当に流せた城田のキザな発言も意識してしまったり、ちょっとした仕草すらも目で追ってしまう。
初めてお見舞いに来た時も病院に着くまでは好きな人に出会えるのが嬉しかったのに、病室が近づくにつれこの気持ちに気付いてしまって今まで通り接することが出来るのか不安で病室の前に着いた時はしばらく立ち尽くしていた。
でもいざ会ってみればあっけないほど今まで通りで、
俺の城田に対する気持ちは変わったのに城田の俺に対する対応は今までと変わらない、恐らくこれからも変わることは無い。
自分の思いに気づいたところでどうすることも出来ない。
俺も城田も男で決して叶うことの無い恋をしてしまった。
俺は恋をしたと同時に失恋をしてしまった。
それに気づいたお見舞い初日は家に帰った後思い切り泣いた。
そして、今はそばから城田の幸せを見守ることに決めた。
だからせめて城田が誰か特別な人を見つけるまで少しの間このまま今まで通りそばにいさせて欲しい。
「俺の口元何か付いてる?」
「え、あ、うんついてる!」
どうやら知らず知らず城田の顔を見つめていたらしい。
乙女か俺は!
誤魔化すように城田の口元をごしごしと拭く。
「ふふ、ありがとう」
やめろ笑顔を見せるな、諦められなくなる。
今まで通りなのに城田の一挙手一投足にドキドキしてしまう。
城田に大事な人ができるまで俺の身体はもつのだろうか。
「病院食に失礼だぞ、、、というかやっぱり看護士さんに食べさせてもらった方がいいんじゃないか?」
無事に目を覚ました城田だが、倒れる時まで俺を守ろうとして俺を抱きしめるように倒れたせいで、俺の体重と城田自身の体重が腕に集中して骨折してしまっていたらしい。
それも利き手だったため、今城田は本人曰く上手くご飯を食べることが出来ないらしい。
俺のために骨折してしまったわけだし食べさせてくれと頼まれたら、断るわけにもいかず、俺は決してしないと決めていた城田へのアーンをまたやる羽目になってしまった。
何度見ても城田が俺の手からご飯を食べる姿はイケナイことをしているような気になってしまう。
しかも今は城田への気持ちに気付いてしまっている。
背徳感以外にも何か別のイケナイ気持ちも湧いてきてしまう。
そんな俺の葛藤などつゆ知らず笑顔でご飯を頬張る城田、、、なんかムカつく。
「知らない人に食べさせてもらう方が恥ずかしいのは黒川だって分かるだろ。」
確かに知ってる人に食べさせてもらった方が緊張せずに食べれるとは思う。
だけど俺はお前が好きになってしまっているからどうしても意識してしまうんだよ。
前は適当に流せた城田のキザな発言も意識してしまったり、ちょっとした仕草すらも目で追ってしまう。
初めてお見舞いに来た時も病院に着くまでは好きな人に出会えるのが嬉しかったのに、病室が近づくにつれこの気持ちに気付いてしまって今まで通り接することが出来るのか不安で病室の前に着いた時はしばらく立ち尽くしていた。
でもいざ会ってみればあっけないほど今まで通りで、
俺の城田に対する気持ちは変わったのに城田の俺に対する対応は今までと変わらない、恐らくこれからも変わることは無い。
自分の思いに気づいたところでどうすることも出来ない。
俺も城田も男で決して叶うことの無い恋をしてしまった。
俺は恋をしたと同時に失恋をしてしまった。
それに気づいたお見舞い初日は家に帰った後思い切り泣いた。
そして、今はそばから城田の幸せを見守ることに決めた。
だからせめて城田が誰か特別な人を見つけるまで少しの間このまま今まで通りそばにいさせて欲しい。
「俺の口元何か付いてる?」
「え、あ、うんついてる!」
どうやら知らず知らず城田の顔を見つめていたらしい。
乙女か俺は!
誤魔化すように城田の口元をごしごしと拭く。
「ふふ、ありがとう」
やめろ笑顔を見せるな、諦められなくなる。
今まで通りなのに城田の一挙手一投足にドキドキしてしまう。
城田に大事な人ができるまで俺の身体はもつのだろうか。
49
あなたにおすすめの小説
死神に狙われた少年は悪魔に甘やかされる
ユーリ
BL
魔法省に悪魔が降り立ったーー世話係に任命された花音は憂鬱だった。だって悪魔が胡散臭い。なのになぜか死神に狙われているからと一緒に住むことになり…しかも悪魔に甘やかされる!?
「お前みたいなドジでバカでかわいいやつが好きなんだよ」スパダリ悪魔×死神に狙われるドジっ子「なんか恋人みたい…」ーー死神に狙われた少年は悪魔に甘やかされる??
フードコートの天使
美浪
BL
西山暁には本気の片思いをして告白をする事も出来ずに音信不通になってしまった相手がいる。
あれから5年。
大手ファストフードチェーン店SSSバーガーに就職した。今は店長でブルーローズショッピングモール店に勤務中。
そんなある日・・・。あの日の君がフードコートに居た。
それは間違いなく俺の大好きで忘れられないジュンだった。
・・・・・・・・・・・・
大濠純、食品会社勤務。
5年前に犯した過ちから自ら疎遠にしてしまった片思いの相手。
ずっと忘れない人。アキラさん。
左遷先はブルーローズショッピングモール。そこに彼は居た。
まだ怒っているかもしれない彼に俺は意を決して挨拶をした・・・。
・・・・・・・・・・・・
両片思いを2人の視点でそれぞれ展開して行こうと思っています。
あなたのいちばんすきなひと
名衛 澄
BL
亜食有誠(あじきゆうせい)は幼なじみの与木実晴(よぎみはる)に好意を寄せている。
ある日、有誠が冗談のつもりで実晴に付き合おうかと提案したところ、まさかのOKをもらってしまった。
有誠が混乱している間にお付き合いが始まってしまうが、実晴の態度はいつもと変わらない。
俺のことを好きでもないくせに、なぜ付き合う気になったんだ。
実晴の考えていることがわからず、不安に苛まれる有誠。
そんなとき、実晴の元カノから実晴との復縁に協力してほしいと相談を受ける。
また友人に、幼なじみに戻ったとしても、実晴のとなりにいたい。
自分の気持ちを隠して実晴との"恋人ごっこ"の関係を続ける有誠は――
隠れ執着攻め×不器用一生懸命受けの、学園青春ストーリー。
漫画みたいな恋がしたい!
mahiro
BL
僕の名前は杉本葵。少女漫画が大好きでクラスの女の子たちと一緒にその話をしたり、可愛い小物やメイク、洋服の話をするのが大好きな男の子だよ。
そんな僕の夢は少女漫画の主人公みたいな素敵な恋をすること!
そんな僕が高校の入学式を迎えたときに漫画に出てくるような男の子が登場して…。
ギャルゲー主人公に狙われてます
一寸光陰
BL
前世の記憶がある秋人は、ここが前世に遊んでいたギャルゲームの世界だと気づく。
自分の役割は主人公の親友ポジ
ゲームファンの自分には特等席だと大喜びするが、、、
君の恋人
risashy
BL
朝賀千尋(あさか ちひろ)は一番の親友である茅野怜(かやの れい)に片思いをしていた。
伝えるつもりもなかった気持ちを思い余って告げてしまった朝賀。
もう終わりだ、友達でさえいられない、と思っていたのに、茅野は「付き合おう」と答えてくれて——。
不器用な二人がすれ違いながら心を通わせていくお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる