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第一部 無駄な魔力と使い捨て魔法使い
「お姫様抱っこされたら魔力が数百倍になった件」
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「うぉぉおおお!!!」
ケイトを捉えたかに思われた棍棒は間一髪鼻の先を掠めた程度だった。
なぜならロットがケイトを持ち上げ、子供ながらに信じられない力を発揮して棍棒の脅威から逃げていたのだ。
小柄なケイトを抱えたまま、ロットは必死で走り続けた。
三つ目の巨体は、何もない地面を叩きつけることになり、苛立った様子でまたもや棍棒を振り回そうとする。
その動きを見越したロットは、ケイトを抱えたままさらに遠くへと逃げていた。巨体はさらに苛立ちを見せ、地震のような地団駄をふんだ後に歩き始める。
その一歩一歩は大きいものの、ロットの予想通り、遅かった。
「ケイト、大丈夫?」
巨体の歩みの遅さを確認しながら、ロットは問いかけた。巨体の棍棒は何度か空を切り、ロットはケイトを抱えたまま逃げ続けていた。
「……ええ。……でも中途半端な威力じゃ傷をつけても再生されてしまうわ」
背中の痛みで呼吸が浅くなるケイトが答えた。だが、心の奥底で無理だと感じつつも、自らの変化に気がつく。
「ね、ねぇロット、あなた、何か変わったことないの?」
「え?特に、ないよぉぉお!!!」
三つ目の巨人が振るう棍棒、そしてその衝撃から必死に逃げながら答えた悲痛なロットの声が届く。
ケイトは自らの変化に戸惑っていた。何しろ魔力が急激に増していたのだから。
それは自身の数倍、数十倍になっていたのだ。魔力の急激な増加に戸惑うケイト。
しかし、指輪の効果だと結論付けることで戦う決意を固めた。
「ロット、私をこのまま抱えて逃げ回れる?」
息を切らしながらも必死に走り続けるロットを見て、ケイトは焦りを感じる。
ロットの限界が近いのは一目瞭然で、いくら気力があっても、一人抱えて走り続けるのはこれ以上は難しい。
「なにか案が浮かんだんだの!?も、もちろん!」
ロットは歯を食いしばりながらも、まだ逃げる気力を見せたが、その体力は限界を迎えつつあった。
ケイトは自らにあふれる膨大な魔力をコントロールし始めた。状況が違えばその万能感に浸りたいほど強大だった。
もとより魔力の扱いには天賦の才能があるケイトは魔力不足という長年の課題が今取っ払われており、難しい魔法の発動が容易になっている。
ロットの体力が尽きる前に、一撃で仕留めるための準備を進めた。ロットはケイトの決意を感じ取り、足元がふらつく中、必死で走り続ける。
そして、三つ目の巨体が棍棒を大きく振りかぶり、空を切るその瞬間、ケイトは全力で魔力を集中させた。
「ケイト、いまだ!」
ロットの声と同時に、ケイトは飛び降りて両手を突き出し、視界を揺らしながらも凄まじい集中力で魔法を放つ。
「超級魔法狂風連弾!」
ケイトの声が響き渡った瞬間、彼女の魔力が一気に消費されていく。
超級魔法を三発も放つことで、魔力の残量は減少した。それでも、未だに残る膨大な魔力がケイトを勇気づけた。彼女の手から放たれた魔力は、数千の風となり、狂ったように空を舞い、三方向へと散らばった。
頭部、左胸、膝の三つの目標に向けて、無数の風が突進していく。
一度中級魔法で傷つけられていたが、その傷は巨人の回復力によって癒されていた。だが、その回復力も虚しく、鋭い風の刃が次々と襲いかかっている。
「ヴァァアア!!」
巨体の断末魔の叫びが響き渡り、目が切り刻まれていく。棍棒を手放し、頭部を守ろうとする巨体。
しかし、風の刃は容赦なく二つの目を貫通させ、かばった腕ごと切り刻むと最後の目も刻まれていった。
「ヴァァアア……」
その巨体は、とうとう背中から倒れ込み、地響きのような振動がロットとケイトに伝わった。静寂が部屋を包み込み、ロットも、ケイトも、息を呑んでその場に身をひそめた。
そして、巨体が再び動かないことを確信した二人は、力が抜け、そのまま地面に身を預けた。
「やったわ」
ケイトのボソリとした言葉に、達成感が身体中に溢れた。生き延びた実感が、目から頬を伝い落ちていく。
「や、やった……」
二人は、疲労と達成感からそのまま眠りに落ちていった。
ボス部屋には他の魔物が入ってくることもなく、安心感が二人を包んでいた。
ケイトを捉えたかに思われた棍棒は間一髪鼻の先を掠めた程度だった。
なぜならロットがケイトを持ち上げ、子供ながらに信じられない力を発揮して棍棒の脅威から逃げていたのだ。
小柄なケイトを抱えたまま、ロットは必死で走り続けた。
三つ目の巨体は、何もない地面を叩きつけることになり、苛立った様子でまたもや棍棒を振り回そうとする。
その動きを見越したロットは、ケイトを抱えたままさらに遠くへと逃げていた。巨体はさらに苛立ちを見せ、地震のような地団駄をふんだ後に歩き始める。
その一歩一歩は大きいものの、ロットの予想通り、遅かった。
「ケイト、大丈夫?」
巨体の歩みの遅さを確認しながら、ロットは問いかけた。巨体の棍棒は何度か空を切り、ロットはケイトを抱えたまま逃げ続けていた。
「……ええ。……でも中途半端な威力じゃ傷をつけても再生されてしまうわ」
背中の痛みで呼吸が浅くなるケイトが答えた。だが、心の奥底で無理だと感じつつも、自らの変化に気がつく。
「ね、ねぇロット、あなた、何か変わったことないの?」
「え?特に、ないよぉぉお!!!」
三つ目の巨人が振るう棍棒、そしてその衝撃から必死に逃げながら答えた悲痛なロットの声が届く。
ケイトは自らの変化に戸惑っていた。何しろ魔力が急激に増していたのだから。
それは自身の数倍、数十倍になっていたのだ。魔力の急激な増加に戸惑うケイト。
しかし、指輪の効果だと結論付けることで戦う決意を固めた。
「ロット、私をこのまま抱えて逃げ回れる?」
息を切らしながらも必死に走り続けるロットを見て、ケイトは焦りを感じる。
ロットの限界が近いのは一目瞭然で、いくら気力があっても、一人抱えて走り続けるのはこれ以上は難しい。
「なにか案が浮かんだんだの!?も、もちろん!」
ロットは歯を食いしばりながらも、まだ逃げる気力を見せたが、その体力は限界を迎えつつあった。
ケイトは自らにあふれる膨大な魔力をコントロールし始めた。状況が違えばその万能感に浸りたいほど強大だった。
もとより魔力の扱いには天賦の才能があるケイトは魔力不足という長年の課題が今取っ払われており、難しい魔法の発動が容易になっている。
ロットの体力が尽きる前に、一撃で仕留めるための準備を進めた。ロットはケイトの決意を感じ取り、足元がふらつく中、必死で走り続ける。
そして、三つ目の巨体が棍棒を大きく振りかぶり、空を切るその瞬間、ケイトは全力で魔力を集中させた。
「ケイト、いまだ!」
ロットの声と同時に、ケイトは飛び降りて両手を突き出し、視界を揺らしながらも凄まじい集中力で魔法を放つ。
「超級魔法狂風連弾!」
ケイトの声が響き渡った瞬間、彼女の魔力が一気に消費されていく。
超級魔法を三発も放つことで、魔力の残量は減少した。それでも、未だに残る膨大な魔力がケイトを勇気づけた。彼女の手から放たれた魔力は、数千の風となり、狂ったように空を舞い、三方向へと散らばった。
頭部、左胸、膝の三つの目標に向けて、無数の風が突進していく。
一度中級魔法で傷つけられていたが、その傷は巨人の回復力によって癒されていた。だが、その回復力も虚しく、鋭い風の刃が次々と襲いかかっている。
「ヴァァアア!!」
巨体の断末魔の叫びが響き渡り、目が切り刻まれていく。棍棒を手放し、頭部を守ろうとする巨体。
しかし、風の刃は容赦なく二つの目を貫通させ、かばった腕ごと切り刻むと最後の目も刻まれていった。
「ヴァァアア……」
その巨体は、とうとう背中から倒れ込み、地響きのような振動がロットとケイトに伝わった。静寂が部屋を包み込み、ロットも、ケイトも、息を呑んでその場に身をひそめた。
そして、巨体が再び動かないことを確信した二人は、力が抜け、そのまま地面に身を預けた。
「やったわ」
ケイトのボソリとした言葉に、達成感が身体中に溢れた。生き延びた実感が、目から頬を伝い落ちていく。
「や、やった……」
二人は、疲労と達成感からそのまま眠りに落ちていった。
ボス部屋には他の魔物が入ってくることもなく、安心感が二人を包んでいた。
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