【2部まで完結!】使い捨てっ子世にはばかる!?~妹が最強の魔王になるかもしれない~

うろたんけ

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第二部 最大級の使い捨てパンチ

「うちに言うこと聞いて欲しかったら頼み方があるやろ?」

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魔族の攻撃は鳴り止んでいないが妙な間が生まれたロットは直ぐ側に魔法が着弾してようやく我に戻った。

「そ、そうなんだ。それでどうしてここに?」

「なんやわからんけどこの指輪をろっとくんとかいう男の子に渡してほしい言われてますねん」

未だ状況を理解できていないロットは言われるがままに受け取った。手の中を見るとロットが付けていた方の指輪があった。それはエレナにつけてもらっていたもので、それがわかるとすぐに身に着けた。

「ありがとう、これで突破口が開けるよ!」

魔力さえあればケイトの魔法の実力なら勝てる、そんな自信があった。気がかりなのはケイトの体調が良くないところだ。

「そうかぁ、まあ喜んでもらえたんやったらこの暴力の雨の中やってきた甲斐があるっちゅうもんでっせ。知らんけど。ところであんちゃんうちは、か弱いからルミたんのとこまで届けてな。あ、心配せんでもポケットにでも入ってるからな」

コルミと名乗る人形は今の現状も特に興味が無いようで動き回るロットによじ登り器用にもポケットへ入り込んだ。

「か、変わった人形だね」

「まあコルミはお嬢が初めて作ったゴーレムらしいからな。多少は変なやつでも仕方ねえ。まあこの稀有な能力のおかげで俺も今こうして生きてられるんだから感謝しかねえぜ」

改めてルミナリアの凄さを知った。ゴーレムを作ったり倒れていたパンチを治したりする方法をロットは知らない。もし彼女が魔力種でなければその才能を存分に発揮できたにちがいない。

「でもせっかく指輪をもらったけどこの攻撃の嵐じゃケイトまで指輪を運べないな」

コルミが来てからゆるい空気が流れてはいたが、その実魔族の男は魔法を打つ手を止めてはいない。レナとロットが二手に分かれていることと、相手が余裕を出してロットたちの抵抗する姿を弄ぶようにしているためなんとか均衡を保てていただけだった。

この中ケイトのもとへ駆けつけるのは不可能に近いだろう。さらにはケイトが魔力切れこそしていないが果たして魔力譲渡したところで戦える状態になるのか分からなかった。

「それなんだけどよ、その指輪は魔力を譲渡するんだよな?それって俺がつけても効果あるのか?」

迷っているロットにパンチがいった。

「た、たぶん。効果あると思う」

まだパンチの意図を汲めないロットに説明する。

「ならよ、お前の魔力を使って俺の一振りの拳(ゴッドハンマー)を放てばかなりの威力がでて、やつを倒せると思うんだがどうだ?」

パンチの一撃では倒せないとしていたが、それは魔力が平凡であったため。その程度の魔力量でもあの威力が出せる一撃に、ロットの膨大な魔力が加わることでケイトの最極魔法をも超えるほどの威力が出るかもしれなかった。

懸念点としてはそれだけの威力にパンチの身体が耐えることができるかということだったが、検証する時間もなくパンチの決意を信じるしかなかった。

「たしかに、ケイトも魔力が回復してもすぐには立ち直らないかもしれないしね。よしコルミちゃん」

考えても仕方がないので行動に移す。呼ばれたコルミはポケットからひょっこり顔を出した。

「なんですの?」

「俺たちの作戦を伝えて欲しいのと、ケイトの指輪を預かって持ってきてもらえないかな?」

ロットの願いに呆れた顔をする。表情は人形なのでほぼ変わらないが身振り手振りが加わりそのように見える。
「はぁ?さっきも言ったけどうちはか弱いんやで!ほんまデリカシーないなぁ最近の子は。ていうかなんぼうちがハイスペックゴーレムちゃんやとしてもこの攻撃の嵐をかいくぐって往復するなんて危ない橋渡らせて乙女にそんなことさせてええんか?それに」

「おいコルミ。つべこべ言わずに行け。お嬢の命もかかってんだぞ」

話が長くなりそうだったのでパンチが止めた。しかしコルミの態度は収まらない。

「なんやパンチはん、それが人にもの頼む態度デッカ?」

むしろふんぞり返るその姿に拳を握りしめて殴ってやろうかとするが「うちを殴ればみんなおじゃんやで?」という言葉に何も言うことができなくなる。

ロットも、この際もう下手に出てお願いしてよ、という視線でパンチをみる。パンチもそれしか手段はないし、実際もう会話を交わすのもきつくなってきている現状に仕方なく言い直す。

「こ、この……コルミ、さん。どうか、作戦を、つた、伝えてきて、くれません、か!」

歯をギリギリと食いしばっている。その姿に満足そうに頷いたコルミはピョンとポケットから飛び降りて胸を張った。

「んーまあギリギリ及第点ってとこかいな。まあ、いってくるさかいあんたらもやられんと準備しときよ」

少し上機嫌なコルミは飛び散った岩やえぐられた地面を死角にして魔族の男に気が付かれないように進んでいく。器用なもので、まるで前後左右目がついてあるように的確に避けながら進んでいく。

その背中を横目で見ながら怒りに震えるパンチは
「けっ、お嬢のためだ」

と呟いた。とにかくコルミが戻ってくるまでは生き残る、それを目標に2人は目の前の脅威と対峙し続ける。
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