生きてる価値を探す日々

湯田川美央

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悪口製造マシーン

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 「大丈夫?」

 「あ、ゆずさん。また唐木さんに怒られちゃって」

 「あの人さ、人の間違いつつくの大好きだから、気になるのはすごくわかるけど、気にしちゃだめだよ。こころさん。」

 「はい。ご心配ありがとうございます」

 またあの唐木か。

 唐木はすぐ人の間違い、ミスを見つけ、それをみんなに言いふらす。

 悪口製造マシーンだ。

 あの人に悪口言われてないの誰もいないと思う。

 ほんとにたち悪い。

 しかも、影でこそこそ言ってるのが無性に腹立つ。

 なんで人のミスをそんなに言いふらすんだろ。

 怒る時は声でかいし。

 声でかい人苦手だな。

 こころさん、まだ1年目なのに、仕事できないの当たり前なのに。

 唐木はそんなの容赦しない。

 唐木は、機嫌がいいときと悪い時の差が大きい。

 機嫌がいいときは、全然怒らない。

 機嫌が悪いときは何をしても何か言われる。

 嫌みの小言のように。

 50代のおばさんで、嫌みを言うのが得意のようだ。

 年上ということもあり、逆らえる人が全然いない。

 この会社の長老みたいになってる。

 でも立場は平社員。

 なんなんだろ。

 この立ち位置。

 平社員なのに、態度でかいし、みんなの雰囲気ぶち壊すし。

 迷惑きまわりない。

 いつかギャフンと言わせたいな。
 
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