奥さまは魔王女 3rd season 〜天使達に花束を〜

奏 隼人

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鉄の足音

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「うーむ…婿殿は…まだか…⁉︎

まだ連絡は無いのか…」


ゴルドは王宮の会議室の椅子に腰掛けながら指で机をトントンと叩いていた…


「フェイクの娘を探しておる余裕も無くなってしまったわ…

ああ…ジュエラは一体これから…」


ゴルドが項垂うなだれたその時…


…コンコン…


ノックの音がしたと思ったら会議室のドアがゆっくりと開いて顔を出したのは…



「おお…アイ殿だったか…それでどうだった…?

老師には会えたかな…⁉︎


婿殿…婿殿は…?」


アイの表情が段々と曇っていく…



「それが…」


廊下の方をジッと見つめるアイ…


「どうしたのじゃ…まさか…」


ゴルドが身体を乗り出したその時、優也の顔が見えた…



「おお…婿殿!!良く帰って来…」


いつもならゴルドに真っ先に頭を下げて挨拶をする優也だったが…目は虚ろに…宙を見上げて、諦めのような笑みを浮かべている…


「アハハハハ…ハァ…」


優也が会議室の入り口に姿を見せると…



…ガシャン…ガシャン…ガシャン…


「な、何じゃ…この鉄の塊を打ちつけるような音は…」


よく見るとサブリナのメイド服と同じような衣装を身に纏ったジーナと同じ位の背格好の栗色の長い髪の女の子がまるで人形を抱くようにガッチリと優也の腕を掴んでいる…


「王子様…王子様…どこへお出かけですか…⁉︎
ケイティも一緒に連れて行って欲しいですの…」



「こら…お前!!そのお方はウチの殿や!!
掃除ロボットの分際で何ひっついとんねん…
はよ離れんかいな!!」


「ちょっとあなた…ジュエラ王宮ではメイドのお仕事は私の役目です…

早く優也様から離れて!!」


「行くで…姉ちゃん!!」

「はい!!せーのーで…うーん!!!」


ジーナとサブリナが二人がかりで彼女に覆い被さるように引き離そうとしているが女の子は全くびくともしない様子である…


…ガシャン…ガシャン…ガシャン…



どうやら大きな音は女の子の方から聞こえてくるようだ…彼女が歩くに連れ…ガシャン…ガシャンと音が聞こえる…



「な…何じゃ…これは…足音なのか…⁉︎」


その時…ゴルドの前にスーッとヴァルプルギスの姿が実体化して現れた…


「ハァ……またややこしいのが増えたか…」


「あっ!!し、師匠!!

老師の件はどうなったのですか…⁉︎
そして…一体これは何の騒ぎなのですか…⁉︎」


「見ての通りじゃ…あのクソジジイ…我々にあんなガラクタ人形を渡しおった…」


「ガラクタ人形…あの少女の事ですか…?

な、何か老師にはお考えがあってのことなのでしょうか…⁉︎」


「さあな……しかし、ジジイはえらく優也の事を気に入った様子だったぞ…」



ヴァルプルギスはニヤリと笑みを浮かべながら、洞窟の地下での出来事を思い返していた…





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