奥さまは魔王女 3rd season 〜天使達に花束を〜

奏 隼人

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目覚めた少女

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優也達が階段を降りた先はヒンヤリとして天然の冷蔵庫のような狭い地下室だった…

「ここは……食料庫…ですか…⁉︎」

「なあ…じいちゃん…

ウチらをこんなトコに連れてきてどういうつもりなんや…」


「ハハハ…まあ、待っちょれ…確かこの辺に…


おお…あった!!あったわい!!」


幾つかの箱を動かして、ナイト老師が見つけたのは…古い大きな木箱だった…


「ふう…優也よ…ちょっとこの箱を開けてくれんか…

年寄りには力仕事はキツいわい…」


そう言ってナイト老師は優也に釘抜きを渡した…


「…はい…お安い御用です…」


優也は木箱の前に立って箱に打ちつけてある釘を抜こうと釘抜きを刺しこんだ…


優也がグイと釘抜きで抉《こじ》ると木の蓋《フタ》が持ち上がり、少し隙間が出来た。


いよいよ蓋を開けようとしたその時…


…ピッ…ピッ…ピッ…


箱の中から小さな電子音のような音が聞こえる。


…一体何だろう…⁉︎


優也は恐る恐る箱の隙間に目を近づけた。




…ピッ…網膜一致…

ジンブツヲトクテイシマシタ…

ロック解除…ピッ…







ブシューッ!!!!!


「うわぁぁぁぁ…」


箱から吹き出した白煙が辺りを包む…


「な、何だ…一体…ジーナかい…⁉︎」

「ウチやあらへんで…殿…その箱からや…」

「大丈夫…優也くん…⁉︎怪我は無い…?」

「優也様…!!」



みんなが大混乱する中…やっと煙が晴れてくると

箱の中から人らしき影が現れた…




「王子様…」


…!!


…どうやら若い女性の声のようだ。



「君は…一体…⁉︎」


ほぼ完全に煙がはれて箱の中から立ち上がった人物の姿を見て優也達は驚きのあまり声も出ない…


そこにいた少女は手足と頭に真っ黒な鎧を纏っていたのだが…それ以外は一糸纏わぬ姿…つまり、裸の状態だった…長く美しい栗色の髪がフワリと風に揺れている…


「あ…あ…あ…」

声も出ない優也の目の前が突然真っ暗になった。


「うわっ!!」


アイが優也の背後から両手をまわして目隠しをしたのだった…



「優也くん…見ちゃダメよダメダメ…!!

これは犯罪よ…

どうしても見たいのなら私が…」



「ア、アイ様……」



「こ、こら!!姉ちゃん…!!

ドサクサに紛れて何言うとんねん…!!

殿はな…若いのが好みなんやで…」





「と、とにかく…服を着てくれないか…」



優也の呼び掛けに少女は、


「ああ…スリープモードでしたの…失礼しましたですの…では…」


突然、光の粒子が少女を包み…少女はメイド服のような服装に身を包んだ…


「もう宜しいですの…!!」


「あ、ああ…」


アイの目隠しを外した優也はホッとしたような表情でもう一度彼女を見た後、ナイト老師の方に向き直った。


「老師様…この子は…」


「……ケイティよ…」

「はい!!お爺様…」


「そなたの父親はもうこの世にはおらん…

天国へと旅立ちよったわい…」




ナイト老師にケイティと呼ばれた少女は寂しそうに目を伏せた…



「そうですの…

でも…お父様は言っておりましたですの…

『私の命は狙われている…そうは長く生きられないだろう…

しかしケイティ…お前はこの世に生まれてきた大事な使命がある…

王子の為に尽くす事…

王子はこの世界の人々が泣いたり笑ったり…

人を思いっきり愛して…幸せに暮らせる…

そんな世の中を夢見ている正義の心を持っておられる…


そんな彼の為に一生懸命尽力して…

彼に降りかかる火の粉をお前が全て一掃して差し上げるのだ…

頼んだぞ…ケイティ…

私の大切な大切な娘よ…』と…」


いつの間にか、少女の目には…大粒の涙が浮かんでいた。
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