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ローズ・クォーツ・ウェディング
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「良いかな…?ティナ…」ゴルドの問いかけにコクンと頷くティナ…
チャペルへと続く扉が開かれ…パイプオルガンも一層、僕達を祝福してくれているかのように華やかな音色を奏でているように思えた。
ゴルドとプラティナはバージンロードの中央あたりで待っている優也の元へ一歩一歩進んで行く…
僕とティナは大変恵まれた事に今までに二度、みんなに祝福されて結婚式を挙げる事が出来た。
今回で三度目…こんな幸せな夫婦はそうはいないだろう…
「ワシは後、何度お前と婿殿の結婚式に付き合えば
良いのじゃろうな…やれやれ…」
そう言ったお義父さんの表情はとても嬉しそうで…
あんな幸せそうな表情を見たティナはきっとまた
結婚式がしたいと言うに違いないと思った…
そんな僕の表情も知らず知らずの内に笑顔になっている事に気付いた。
ブーケを持った彼女のエスコートをゴルドから受け継いだ優也…彼の元に着いたティナは彼のエスコートに心を委ねるように…細い手を優也の腕に回した。
二人で祭壇のマザー・ハーロットの元へゆっくりと歩みを進めて行く…二人は並んで祭壇越しに彼女と向き合った。
プラティナは自分の右側の優也を上目遣いに見て嬉しそうに微笑んだ…そして優也の方に向き直って彼の目を見つめた…
優也はニコッと笑いながらティナのヴェールを両手で上げて…二人は顔を寄せ合い…幸せそうな熱い口づけを交わした…
「ねえ…ダーリン…結婚式って何度しても良いね…
私…他の花嫁さんとのあなたの結婚式を見てて思ったの…どんな花嫁さんもダーリンの事…優しくて誠実で…真っ直ぐ自分に向き合ってくれる良い旦那様だって思ってるわ…ダーリンが自分の旦那様だったらって…
でも…ダーリンは私を妻として選んでくれた…
私…本当に幸せ者だね…えへっ…」
浮かんできたプラティナの涙を優也はそっと指で拭った…
「…何度しても…か…本当にそうだね…
君と一緒にいればいる程…君の美しさや新しい魅力に惹かれてしまって困ってしまうよ…
以前のウェディングドレス姿も綺麗だったけど…今日のピンクのウェディングドレス…可愛くてそれでいて優雅な美しさを持っている…
本当に君にピッタリで…僕はまた君に恋をしてしまったよ…
これからも僕は君とずっと一緒にいる。
君が笑ったら僕は嬉しい…
悲しい事や辛い事も二人で分け合える…
君と僕が出会ったあの日がスタートだったよね…
僕達の夢に向かって進もう…
君は僕が守るよ…ティナ…」
「ダーリン…」
優也はポケットからリングケースを取り出してプラティナの手にウェディングドレスと同じ色のローズ・クォーツの指輪を彼女の左手の薬指に着けてあげた…
優也のサプライズプレゼントに驚いたプラティナ…
「そうだ!ダーリン…みんなのアクセサリー…一体どうしたの…?こんな高価なプレゼント…私にまで…?
「お義父さんに頼んで用意して頂いたんだよ…」
「お父様に…?」
「おお…確かにその通りじゃ。ジュエラは名前の通り鉱石が採掘出来る国で宝石は特産品のようなものじゃからそんな事はお安い御用じゃ…
しかしのう…」
「しかし…?」
「ワシは…バビロナと同盟を組むのじゃから王族から王女へ贈り物をしたいと婿殿に頼んだのじゃ…
そして今回の事も…日頃の事も含めて婿殿にも何か報酬を出さねばならないと持っておった…
しかし…婿殿はワシにこう言ったのじゃ…
〝バビロナの王女は若くて綺麗な女性です…
そして誰よりも国を愛し…民を愛し…その身を捧げてきました…
国同士が仲良くなる為だったら国民に深く喜ばれる物を沢山贈ったほうが彼女は喜ぶでしょう…
でも…もし、どうしても彼女にプレゼントを差し上げたいのなら…
国や地位を全く出さずに一人の個人としてお互いに尊敬の気持ちを持って彼女に向き合うのが良いと思います…
宜しければ僕が彼女…いや、僕の大切な人達に僕自身の気持ちを贈りたいのですが…残念ながら僕は人間界で暮らしていますのでこの世界では一文無しです…
お義父さん…僕の報酬分で皆にアクセサリーをご用意頂けませんか…?
僕がみんなに感謝の気持ちを込めて渡しますので…〟
ワシはまた一つ婿殿に教えられた気がするわい…
ティナ…この男を絶対に離してはいかんぞ…」
ゴルドの言葉にプラティナは微笑みながら大きく頷いて、王女達は皆、優也の優しさにまた涙を浮かべた…
「ダーリン…ありがとう…大切にするわね…」
プラティナの笑顔に優也も微笑んで頷いた。
優也とプラティナ…ミスとリル…
種族を超えた幸せな家族はみんなの指標となり
愛すべき仲間達と一緒に未来へ向かって生きていく絆を示した…
「おお…杯が遂に…!」
杯が僕達が示した絆の深さ分、葡萄酒が満ちてくる…
「よっしゃあ!それでは早速…姉ちゃんに飲んでもらって願いを…」
ジーナは嬉しそうにはしゃいでいる…
「これではダメじゃ…」
「えっ…?」
チャペルへと続く扉が開かれ…パイプオルガンも一層、僕達を祝福してくれているかのように華やかな音色を奏でているように思えた。
ゴルドとプラティナはバージンロードの中央あたりで待っている優也の元へ一歩一歩進んで行く…
僕とティナは大変恵まれた事に今までに二度、みんなに祝福されて結婚式を挙げる事が出来た。
今回で三度目…こんな幸せな夫婦はそうはいないだろう…
「ワシは後、何度お前と婿殿の結婚式に付き合えば
良いのじゃろうな…やれやれ…」
そう言ったお義父さんの表情はとても嬉しそうで…
あんな幸せそうな表情を見たティナはきっとまた
結婚式がしたいと言うに違いないと思った…
そんな僕の表情も知らず知らずの内に笑顔になっている事に気付いた。
ブーケを持った彼女のエスコートをゴルドから受け継いだ優也…彼の元に着いたティナは彼のエスコートに心を委ねるように…細い手を優也の腕に回した。
二人で祭壇のマザー・ハーロットの元へゆっくりと歩みを進めて行く…二人は並んで祭壇越しに彼女と向き合った。
プラティナは自分の右側の優也を上目遣いに見て嬉しそうに微笑んだ…そして優也の方に向き直って彼の目を見つめた…
優也はニコッと笑いながらティナのヴェールを両手で上げて…二人は顔を寄せ合い…幸せそうな熱い口づけを交わした…
「ねえ…ダーリン…結婚式って何度しても良いね…
私…他の花嫁さんとのあなたの結婚式を見てて思ったの…どんな花嫁さんもダーリンの事…優しくて誠実で…真っ直ぐ自分に向き合ってくれる良い旦那様だって思ってるわ…ダーリンが自分の旦那様だったらって…
でも…ダーリンは私を妻として選んでくれた…
私…本当に幸せ者だね…えへっ…」
浮かんできたプラティナの涙を優也はそっと指で拭った…
「…何度しても…か…本当にそうだね…
君と一緒にいればいる程…君の美しさや新しい魅力に惹かれてしまって困ってしまうよ…
以前のウェディングドレス姿も綺麗だったけど…今日のピンクのウェディングドレス…可愛くてそれでいて優雅な美しさを持っている…
本当に君にピッタリで…僕はまた君に恋をしてしまったよ…
これからも僕は君とずっと一緒にいる。
君が笑ったら僕は嬉しい…
悲しい事や辛い事も二人で分け合える…
君と僕が出会ったあの日がスタートだったよね…
僕達の夢に向かって進もう…
君は僕が守るよ…ティナ…」
「ダーリン…」
優也はポケットからリングケースを取り出してプラティナの手にウェディングドレスと同じ色のローズ・クォーツの指輪を彼女の左手の薬指に着けてあげた…
優也のサプライズプレゼントに驚いたプラティナ…
「そうだ!ダーリン…みんなのアクセサリー…一体どうしたの…?こんな高価なプレゼント…私にまで…?
「お義父さんに頼んで用意して頂いたんだよ…」
「お父様に…?」
「おお…確かにその通りじゃ。ジュエラは名前の通り鉱石が採掘出来る国で宝石は特産品のようなものじゃからそんな事はお安い御用じゃ…
しかしのう…」
「しかし…?」
「ワシは…バビロナと同盟を組むのじゃから王族から王女へ贈り物をしたいと婿殿に頼んだのじゃ…
そして今回の事も…日頃の事も含めて婿殿にも何か報酬を出さねばならないと持っておった…
しかし…婿殿はワシにこう言ったのじゃ…
〝バビロナの王女は若くて綺麗な女性です…
そして誰よりも国を愛し…民を愛し…その身を捧げてきました…
国同士が仲良くなる為だったら国民に深く喜ばれる物を沢山贈ったほうが彼女は喜ぶでしょう…
でも…もし、どうしても彼女にプレゼントを差し上げたいのなら…
国や地位を全く出さずに一人の個人としてお互いに尊敬の気持ちを持って彼女に向き合うのが良いと思います…
宜しければ僕が彼女…いや、僕の大切な人達に僕自身の気持ちを贈りたいのですが…残念ながら僕は人間界で暮らしていますのでこの世界では一文無しです…
お義父さん…僕の報酬分で皆にアクセサリーをご用意頂けませんか…?
僕がみんなに感謝の気持ちを込めて渡しますので…〟
ワシはまた一つ婿殿に教えられた気がするわい…
ティナ…この男を絶対に離してはいかんぞ…」
ゴルドの言葉にプラティナは微笑みながら大きく頷いて、王女達は皆、優也の優しさにまた涙を浮かべた…
「ダーリン…ありがとう…大切にするわね…」
プラティナの笑顔に優也も微笑んで頷いた。
優也とプラティナ…ミスとリル…
種族を超えた幸せな家族はみんなの指標となり
愛すべき仲間達と一緒に未来へ向かって生きていく絆を示した…
「おお…杯が遂に…!」
杯が僕達が示した絆の深さ分、葡萄酒が満ちてくる…
「よっしゃあ!それでは早速…姉ちゃんに飲んでもらって願いを…」
ジーナは嬉しそうにはしゃいでいる…
「これではダメじゃ…」
「えっ…?」
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