フィギュアな彼女

奏 隼人

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シューティング・スター

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それでもミキの満身創痍の演技は最初の四回転ジャンプ成功や他の加点が反映される結果となってSPではかなり高い82点台を叩き出した。


暫定一位となったミキの次はいよいよリカの星間戦デビューである…


「さあ…リカさん…あなたの番よ…」

ミドリが呼びかけたがリカはリンクをじっと見つめていた…

リカは感じていた。ミキがリンクに残していったものを…目には見えない宝物を…


「リカさん!」

「コーチ!私…ミキさんのように滑りたい!私の大事な…大好きな人…


私の先生であり、大切な仲間であり、友達…ライバル…そして…憧れなんです!」


ミドリはリカの肩に手を置いて

「勿論よ!…私はあなたやミキさん…全ての選手に技術的にアドバイスを与えてあげられるだけ…

全てはあなたの想いのままに描きなさい…
思いっきり…ね!」そう言って微笑んだ…


「はい!」


最高の笑顔でミドリにお辞儀をしてリカはリンクに出て行った。




笑顔のまま観客席に手を振り…そして彼女は滑りながらゆっくりと目を閉じる…

ラピスラズリのチャクラの流れを感じて一歩先に自分のあるべき姿を感じる…


目を閉じたまま彼女は舞台の中央…スタート地点に立つ…


…ダイスケはリカの演技の照明演出を安全基準で定められている可能な限り暗く設定し、
その中に小さな光をレーザービームで照射してまるでリンクを星空のように変えてしまった…
 
エキシビジョンのようにスポットライトを当てられたリカは演技を始めた…

観客からは分からないが彼女のその目は溢れ出る生命エネルギー…燃えるような緑色だった。

再びゾーン状態に入った彼女が動き出すと衣装のネイルブレードが白く発光する…

会場は一瞬にして静寂に包まれる…
リカは星空に浮かぶ織姫…

余分な力を抑えた
流れるようなスケーティングから最初のジャンプに入る…

「リカ選手は練習風景とはいえ惚れ惚れするような美しいトリプルアクセルを動画サイトで公開しております…ここ、ヴェガの地でも見ることが出来るのでしょうか…?

さあ…最初のジャンプの体制に入る…!」

実況席の熱いアナウンスに会場のボルテージが一気に上がる。

みんなが注目する中、リカは最初のコーナーに向かって滑り…突然後ろを向いてそして地面を強く蹴った…

その瞬間…ダイスケはブレスフォンを操作してリカの衣装のネイルブレードの色を七色に変えた…

リカはダイスケの与えてくれたこの星空のステージで滑っている事をとても心地よく感じていた…



宇宙《そら》を駆けてダイスケ…彦星の元へ今向かうかのように四回空中を舞って着地した…


「ミ、ミキ選手と同じ四回転ルッツ…白く尾を引く流星シューティング・スターは星空で七色に輝いて四回転したぁぁぁ!

我々は今、果たして何を見ているのでしょう?かつてこんな美しい演技があったでしょうか…?」




…ウワァァァァァァァァ!!


大地が割れんばかりの歓声に会場自体が震えた…




ミヤはその演技の美しさに目を奪われて立ち尽くす…




「こんな…こんな演技…見たこと無い…これにどうやって立ち向かえと言うの…」





自分が持ち得る全ての技術を駆使してリカと立ち向かうなら努力の仕様もあるかもしれない…

でも星空を舞う織姫を最高の演出でバックアップする…リカとダイスケの見事なコンビネーションにミヤは初めて絶望感を感じるのだった…




…ワァァァァァァァァ…!



「な、何…?一体どうしたの…?」



ロッカールームで会場の歓声を聞いたミキとカオリとマイの三人はその異常とも言える盛り上がりに驚いた…




そしてミキはフッと笑みを浮かべて言った…




「もう一人のエースの実力にみんなが虜になっているのよ…


あの娘はもう誰にも止められないわ…」
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