フィギュアな彼女

奏 隼人

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歓喜のヴェガ・アリーナ

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リカはバッククロスからストレートに入り、二度目のジャンプの体制に入った…

瞳の中のグリーンが一層燃え上がる…彗星の白い尾が綺麗な弧を描いて空中に舞い上がる…

そしてダイスケがブレスフォンを操作すると
彗星の白い尾は七色へと変わっていく…

その七色の尾は降りてきたかと思うと瞬く間に再び宙へと舞い上がる…
  


「コ、コンビネーション!四回転ルッツと三回転トゥループ…

光の中を織姫が彦星を探して天の川を駆けています…」


銀河を駆ける彗星は七色の尾を引いて天の川から再び星空の中へと出た…

するとリカを迎えに来たように蒼いレーザービームが彼女と二重奏デュエットをするかのように彼女の滑りに寄り添う…

時には彼女をエスコートし、彼女の滑りとクロスするように彼女の周りを舞っている。

まるで途中まで織姫を迎えに来た彦星が嬉しさの感情を爆発させて彼女と天の川のほとりをダンスしているかのように…



「ダイスケさん…」



レーザービームを見つめながら滑るリカ…

その蒼い光に彦星となったダイスケを感じて彼女は一生懸命に…楽しそうに踊る…



「リカ…」



ダイスケもまた、蒼いレーザービームをブレスフォンで操りながら楽しそうな織姫の手を取って踊っている自分をリンクの上に見た…


二人の楽しそうなダンスを見てミヤの胸は締め付けられる…


「私もああして…あなたと…」



天の川を越えて出会えた織姫の喜びのステップからコンビネーションスピン…彼女は笑顔で最後のジャンプに向かう…

リカは手を引いて自分を導いてくれる蒼いレーザービームを追いかけた…

そしてまた身体を思い切り捻りながら最後のジャンプを翔んだ…

三度、七色に輝いて空中に舞った織姫は嬉しさのあまり飛び跳ねて彦星の元に辿り着いた…

「ま…また四回転アクセル…!

そしてコンビネーションジャンプ!

演技終盤だとは思えません…か、彼女の背中には羽根があるのでは…?そんな事を考えさせられます…」

ミヤ…それからミキも口々にある言葉ワードを呟いた…


「…グラビティ…ゼロ!」



その演技の美しさ、演出の素晴らしさは目の肥えた審査員やスケートファン…総てを魅了した。

最後のスピンから蒼い光を抱きしめるようなフィニッシュに涙を流す人さえいた…

実況アナウンサーも見入ってしまったのか…
慌てるような素振りで「あ、ああ…リカ選手!二度の四回転アクセル…それと素晴らしい演出で私達に新次元のフィギュアスケートの演技を見せてくれました…

正直…得点が何点になるのか…?そちらにも興味が集まるところであります!」

隣の人の話し声も聞こえなくなる位の歓声と拍手でヴェガ・アリーナの建物が揺れていた…



間違い無く…今、女子フィギュアの歴史が塗り替えられた瞬間であった…
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