sweet sweet pain〜幸せになるためのstory〜

奏 隼人

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図書館へ

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「ふあーあ!!」

大きな欠伸あくびで出た涙を指で拭った。

日曜日当日…結局のところ寝不足で信号の向こう側のビルに反射する強い光に目を細めてしまう。



お店の自動ドアが開くと同時に僕と彼女の視線が合った…

「やあ…おまたせ!!」

「お早うございます…」


今日が来るのを待ちきれなかった僕は…この間、この店で彼女と少し話してからSNSのメールで少しだけやり取りをしていた。

しかし…彼女の身辺についての事はあまり聞かないでおこうと僕の身の回りで起こったたわいも無い話を少ししただけだった。

女性に対して根掘り葉掘り聞き出す事はしたく無かったし…仲良くなって行けば向こうから話してくれるだろう…

それで十分だと思っていた。


そしてカフェでコーヒーを飲みながらメールで話したような他愛も無い話の後で…連れ立って図書館へと向かった。

一昨日、SNSのメッセージ交換で映画なんかどうですかと切り出したのだが結衣ちゃんは「本が読みたい」と。

でも静か過ぎて「ゆっくり話すこと」は難しそうかな。
まぁ…映画も集中すると話せないけど…



地下鉄への階段を降りてニ人分の切符を買う。

それを一枚、彼女に差し出すとまだ少し緊張したような表情で「ありがとう」とお礼を言われた。

僕にもう少し経験と余裕があれば、はにかんでいてとても可愛い彼女の表情をゆっくり観察出来たに違いないだろう…





やがてホームに電車が着き…車内に入ると、開いた方と反対側のドアにもたれるように立って僕達はまた話し始めた。

「ねぇ、結衣ちゃんてさ…?あっ…馴れ馴れしいかな?」

「いえ…大丈夫ですよ…ウフフ…」

そう言ってクスッと笑った彼女の笑顔を
今日初めて見れたかもしれない。

「きょうだいはいるの?僕は一人っ子だから…友達とか羨ましいんだよね。」

「はい。えっと…お姉ちゃんが一人…」



よしよし、ここから話を広げていって…



「へぇ、社会人のお姉ちゃんかぁ!」

「いえ、まだ学生ですよ。」

「ふうん…歳が近いのかな?

ひょっとして…同じ学校なの…⁉︎」

「いえ…」


そう答えると彼女は黙ってしまい…少し表情が曇ったように見えた。


しまった…!!!


何らかの地雷を踏んだのは明らかだ。
自分の何かを犠牲にしても時を巻き戻したい!心からそう思った。

目的の駅に着いて階段を一緒に上がる。
図書館へ向かって歩きかけた時に彼女が口を開いた。

「あの…」
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