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十五針
しおりを挟むう…くん。 しょ…く
ん…誰かの声?これは…結衣の声だ!!
「翔くん!!!」
目を開けるとそこは病院のロビーだった。
僕は待合室の長椅子に横たわっていた。
窓から夕陽が差し込んでいる。
僕の横には結衣が座って涙を浮かべている。
「あっ!優花さんは?」
僕は身体を起こそうとした。その時、長椅子についた腕に激痛が走る。
「あっ…痛たたたっ!!」
「きゃあっ!!だ…大丈夫⁉︎」
結衣が心配そうな表情をしている。
「ここにおるよ~!」
ソファーの背もたれのせいで見えなかった後ろにトモヤ、泉さん、結真、そして優花さんがいる。
「優花さん、足は?」
「十五針。」「えっ?」
「キズモノになってしもたわ~」
優花さんがおどけて見せる。
どうやら大丈夫なようだ。
それとは対照的に結真は怖い表情で…
「あんたねぇ…また無茶したでしょう!!
結衣に悲しい思いさせちゃダメだよ!!」
「…ごもっともです。ハイ。」
結衣が、心配そうな表情で僕の腕をさする…
「翔くん、本当に大丈夫?お医者さんに診てもらう?」
「大丈夫。ちょっと疲れただけだから。一緒に帰ろう。」
トモヤが、ロビーの扉を開けた。
「俺、車回してくるよ。荷物全部積んであるし。」
「おう!」
「翔くん…」
結衣が横に回って肩を貸してくれた。
「結衣…ありがとう。」
「帰りは私が翔くんのお世話を担当しますからね。」
睫毛《まつげ》を涙で濡らしたまま彼女は笑った。
優花さんは結真が車までおぶって連れていった。
最後に僕と結衣が乗り込んで車は走り出した。
…グイッッッ…
突然、僕の身体が後ろに引っ張られた。
僕の耳元で優花さんの声が聞こえる。
「メッチャかっこよかったで。おおきに。」
それを見てた結衣はちょっとヤキモチを妬いたのか僕の身体をグイッと自分のほうに引き寄せた。
結真は窓の外を見ていたが、横目でその様子を見た後、また外の方を見た。
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